執着を捨てよう
結果のためには手段を選ばない、という人がいます。手に入れたいのが地位なのか、それとも名誉か、お金なのか、はたまた異性なのかは、人それぞれ違います。しかし、手段を選ばない行為が、他者に対する意図的な暴力(「ヤマ」のアヒムサに反する)や、「調和(ヨガではダルマといいます)」を乱すものであれば、「不徳の致すところ」ということになります。(「カルマ・ヨーガ」では、個人における「ダルマ」は、全体の調和のためにそれぞれがするべきこと=「義務」である、と考えられています)。
その人にとって欲を満たすどんな良い結果が得られたとしても、それは一時的な快感でしかありません。大切なのは、結果に執着せず、「調和(ダルマ)」にかなった行為をして徳を積むことなのだということを「カルマ・ヨーガ」は教えてくれます。
モノゴトの結果に執着すると、本来の目的がわからなくなってしまうことがあります。周りが見えなくなり、人の意見も耳に入ってこなくなってしまうのです。しかし生きていく上で、目標や向上心があるのは素晴らしいことです。
例えばお金持ちになりたい、良い車に乗りたい、偉くなりたいなどの具体的なイメージを持つことも大切ですが、重要なのは、その目標が本当に自分が成し遂げたいことであり、すべきことであるのか、ということです。目的のためには何をしてもいいわけではありません。ダルマ(調和)を考えて行動することが大事なのです。
自分がこうだから相手も必ずそうだ、という強い信念も大切かもしれませんが、時にそういった信念は執着心とも繋がってしまうことも。常に完璧な状態は誰にもありませんから、普段から自分の心身の状態をチェックし、軌道修正できる心構えを持つことが必要だと思います。
元記事「そのこだわり、おことわり。将来を潰す”執着”から解放されよう。」は2017年12月18日にBUSINESS LIFEに掲載されたものです。
そのこだわり、おことわり。将来を潰す"執着"から解放されよう。 | ビジネスライフ(BUSINESS LIFE)
https://business-life.jp/mental/7057「デキる人は、ヨガしてる。」(著:石垣英俊、及川彩)より 道徳的な日常生活の「実修」に専念する「カルマ・ヨーガ」は、ポーズや呼吸法、瞑想をしなくても行うことができる生き方のヨガといえます。 デキる人たちと接していると、こういった経典に基づくヨガの哲学を学んだかのように、実に毎日を自然体で過ごしているように見えます。 ここでは、ヨガ哲学が教えてくれる智慧と、「デキる人」たちの思考や習慣を、私たちなり