健康は正しい姿勢から!いい姿勢のとり方とは?

健康は正しい姿勢から!いい姿勢のとり方とは?

姿勢を改善したい、正しい姿勢を理解したい、そんな人は必見です。


姿勢で呼吸のしかたは変わる

子どもの頃に教わった良い姿勢は、どんな姿勢かを想い出してみてください。胸をピンッと張って肩甲骨をよせて、肩は後ろに引いて、肘や膝はビシッと伸ばす。そう教わりませんでしたか。

まずその姿勢をとってみましょう。その姿勢で呼吸をしてみてください。すんなりとできましたか?そのままの姿勢で力を抜いてみてください。しっかりと抜けましたか?抜けないのではないでしょうか。

俗に言う良い姿勢というものをとったにもかかわらず、呼吸が浅くなる、力が抜きにくいということは、少なくともその姿勢がじつは理想的ではないことを示しています。先ほどの呼吸を深くする呼吸法でもわかるように、体を開く方向を強くしすぎると息は深く吸えないのです。

そもそも、背筋をまっすぐというのは、その言葉自体に無理があります。もともと人間の背骨は生理的湾曲といって、横から見ればS字カーブを描いており、これが人間のさまざまなしなやかな機能を支えているのです。そもそもまっすぐになっていない生理的な構造に対してまっすぐという発想が、いかに無理であるかは誰が考えても明らかではないでしょうか。

用途や目的によって背筋をまっすぐにしてもよいのですが、それを保とうとする必要はまったくありませんし、むしろ弊害のほうが大きいのです。体のことを勉強し、日々患者さんの体と向き合っている石や整体などの先生は、この事実をよく知っています。このピンピン姿勢が保持すべき良い姿勢ではないということが、近い将来には当たり前に知られるようになるのではないでしょうか。

本当に良い姿勢は楽な姿勢

良い姿勢をとるには、まずは無駄な動きをやめることです。胸を張ろうとしない、肩甲骨を寄せようとしない、肩は後ろに引かない、肘や膝はビシッと伸ばさなくてもよい、まずこれだけを守りましょう。これだけで楽になるはずです。

本来人間には、動物としての快・不快の感覚があるのですが、人間には思考があり、子どもの頃からたたき込まれてきた正しい姿勢という教育によって、緊張して呼吸が浅くなってしまう姿勢を無条件によしとして、それができないのは体ができていないからだというように思い込んでしまっています。そして無理につらい状態でこらえるということで、良いといわれている姿勢を保持しようとしているのです。

姿勢というのは思考が硬直化して、体の感覚としてつらいのに、自分の感覚ではなく人から言われたことが正しいという無条件の前提に立ちやすくなっている典型的な例です。思考があまりにも優位になり思考偏重になりすぎてしまうと、人間という動物本来が持っている体の感覚が劣化してしまうのです。

背筋をピンと伸ばしてみてください。そのときに背中の背骨の両脇にある筋肉を感じてみてください。ギュッと力が入って縮んでいることでしょう。

実は背筋をピンとするという行為は、背筋を縮めています。伸ばしていると思いながら、実は縮めてしまっていたのです。

さらに、ピンとしたままで深呼吸をしてみてください。深く入らないのがわかるのではないでしょうか。無理に力をいれる行為は体にとっても無理になります。背筋をピンとしていると背中がつらくなって保持できない、というのは怠け者ではなく、人間が動物としてもつ当たりまえの感覚なのです。

シーンによってはピンとすることも必要なときがあるとは思いますが、背筋をピンとすることは体を緊張させてしまいますので、常にその状態でいると呼吸を浅くし、体を緊張させていまうことは知っていたほうがよいでしょう。さきほどの姿勢の話とあわせると、もはや笑ってしまう人もいるかもしれませんが、笑えないくらいに思考が硬直化してしまっていることが問題なのです。

リラックスして深い呼吸をするよう心がけよう

良い姿勢をとるには、無駄な動きをやめること。頭を柔らかくして、無理な力を入れることをやめてみてください。人間本来がもっている動物的な感覚を蘇らせましょう。リラックスして、深い呼吸をすることを、ふだんから心がけるようにしてみてください。


元記事「健康は正しい姿勢から!いい姿勢のとり方とは?」は2017年2月2日にBUSINESS LIFEに掲載されたものです。

健康は正しい姿勢から!いい姿勢のとり方とは? | ビジネスライフ(BUSINESS LIFE)

https://business-life.jp/mental/2432

「なにもしていないのに調子がいい」(著:森田敦史)より 姿勢で呼吸のしかたは変わる 子どもの頃に教わった良い姿勢は、どんな姿勢かを想い出してみてください。胸をピンッと張って肩甲骨をよせて、肩は後ろに引いて、肘や膝はビシッと伸ばす。そう教わりませんでしたか。 まずその姿勢をとってみましょう。その姿勢で呼吸をしてみてください。すんなりとできましたか?そのままの姿勢で力を抜いてみてください。しっかりと抜

この記事のWriter

関連する投稿


受験生が気を付けたい体調管理のポイント|健康第一で力を出し切ろう

受験生が気を付けたい体調管理のポイント|健康第一で力を出し切ろう

毎年1月を過ぎると、受験日を控えた受験生たちがそわそわし始めるころでしょう。大切な日に備えて万全の力を出し切るためには、勉強だけでなく体調管理も大切です。今回は受験日を乗りきるために、気を付けたい体調管理についてご紹介します。受験日が近づいている学生の皆さんは、ぜひ参考にしてください。


受験に備えて強いカラダを作る!健康なカラダづくりを応援する記事10選

受験に備えて強いカラダを作る!健康なカラダづくりを応援する記事10選

冬は体調を崩しやすい季節。受験や好きなことに備えていつでも動けるカラダづくりをしましょう!


食欲の秋!おいしいものを我慢したくない人に読んでほしい「健康になる食べ方」

食欲の秋!おいしいものを我慢したくない人に読んでほしい「健康になる食べ方」

食欲の秋は、あちらこちらで美味しいものが誘惑をしてきますよね。気になるのが食べ過ぎてしまうこと。 本記事では、美味しいものを我慢せずに食べたい!という方へ向けて健康的な食べ方についてご紹介します。せっかく食べるなら、健康的に、そして幸せな気持ちで食べましょう!


【モリモリ食べよう】温野菜と生野菜、カラダに良いのはどっち?

【モリモリ食べよう】温野菜と生野菜、カラダに良いのはどっち?

身体にいい食事というと、野菜をたくさん食べることを思い浮かべる人も多いでしょう。肉類などのタンパク質も重要ですが、そもそも野菜は不足ちがちなのでなるべく多めに摂りたいところ。


これで便秘とサヨナラしよう!消化を助ける3つの菌

これで便秘とサヨナラしよう!消化を助ける3つの菌

健康な人なら、1日に1度はあるお通じ。「毎日お通じがあるよ」という人でも、便の状態をしっかり把握できている人は少ないかもしれません。私たちが食べたものは体内で消化吸収され、吸収された栄養素を使い、身体に吸収された栄養素は、エネルギーや身体に必要な物質をつくり出すのに使われます。その残りとして不要になったものが「便」です。つまり、せっかく栄養バランスのよい食事をとっても、栄養素が体内できちんと利用されなければ、栄養不足と同じ状態になってしまいます。食べたものを使える身体にするには、きちんと消化吸収ができる身体へと変えていきましょう。


最新の投稿


【電気屋うさ坊】5話「め〜子さんの謎」

【電気屋うさ坊】5話「め〜子さんの謎」

新人電工のうさ坊たちがシドニー都市電設で繰り広げるドタバタ劇! 電気工事のお仕事に役立つ情報もある…かも…?


電気工事士の問題を解いてみようシリーズ 学科編①

電気工事士の問題を解いてみようシリーズ 学科編①

電気工事士の学科試験では実際にどんな問題が出て、なにを覚えればいいのでしょうか? 学科編①はコンセントを表す図記号について解説します。


【電気屋うさ坊】1〜4話「うさ坊登場!/ほか」

【電気屋うさ坊】1〜4話「うさ坊登場!/ほか」

新人電工のうさ坊たちがシドニー都市電設で繰り広げるドタバタ劇! 電気工事のお仕事に役立つ情報もある…かも…? 初回は1〜4話をまとめてお届け!


パリで国際会議デビュー…!? 電気保安協会の若手社員が見た世界の電気保安事情とは(後編)

パリで国際会議デビュー…!? 電気保安協会の若手社員が見た世界の電気保安事情とは(後編)

電気保安協会全国連絡会では、海外の電気保安の組織と定期的に情報交換を行っています。2023年10月、本部をパリに置く、電気設備の検査関係業務を手がける公益法人、フランス電力需要家保安協会(以下、CONSUEL)との情報交換会へ、電気保安協会の社員3名が参加しました。WattMagazineでは、普段は耳にすることができない気になる海外の電気事情について伺おうと、3名に会議を通して学んできたことをインタビュー。 後編では、日本と海外の違いなどについて語っていただきました。


最短で獲得!第二種電気工事士試験の技能試験対策「最低限おさえたいポイント」

最短で獲得!第二種電気工事士試験の技能試験対策「最低限おさえたいポイント」

筆記試験と異なり、技能試験は1つのミスで欠陥工事扱いとなり、不合格となります。しかし、事前に問題もわかるため試験対策さえすれば合格は可能ですので、万全の状態で試験に臨みましょう。今回は「最短」で合格するために最低限やっておきたいことをまとめました。ぜひ、ご参考ください!


人気記事ランキング


>>総合人気ランキング