春に感じる体調不良「春バテ」の原因とは
春になれば温かくなり、過ごしやすくなるはずなのに、なぜ「春バテ」を起こすのでしょうか?
ポイントは、自律神経の乱れです。さまざまな要因によって自律神経が乱れることで「春バテ」といわれる体の不調が起こります。自律神経とは、交感神経と副交感神経のことですが、このふたつが、私たちのからだの緊張と緩和のバランスをとり、良い状態に保つ役割を担っています。このバランスが崩れることが、自律神経の乱れなのです。
ここからは、春バテの原因についてご説明しましょう。

■気圧変動・寒暖差
徐々に温かさを感じはじめる3月は、低気圧と高気圧が交互に通過する気圧配置となり、日中20℃近くまで上がる気温も、朝晩はまだまだ冷え込みます。その気温差が、10℃以上になることも珍しくはありません。
人間の体は、ある程度外部環境の変化に耐えられるようになっており、その変化に耐えられるよう調整しているのが、自律神経です。気圧変化・寒暖差の大きい春は、その変化に対応しようと自律神経が普段以上に頑張っている状態。この過剰な頑張りにより、自律神経が乱れて「春バテ」となってしまうのです。
■環境の変化

春は「出会いと別れの季節」と言われるように、自分を取り巻く環境も変化する季節。新しいクラスや仕事、新たな人間関係、また自分以外の身近な人の進学や転職など多かれ少なかれ変化を感じるはず。
周囲の環境変化によってストレスを感じている自覚はなくても、自分の意思に関係なく体は変化に順応しようと頑張っている状態です。周囲の変化を止めることはできませんが、なるべく春には環境の変化を起こさないように自分で工夫することも大切。
新しいことに挑戦しようとすることは、とても素敵なことです。
しかし、体が常に緊張状態を感じて悲鳴をあげないように、新たな試みは少し時期をずらしてみるなどの調整をするとよいでしょう。
自律神経を整えて「春バテ」予防を!
やっかいな春バテを予防するには、自律神経を整えることが一番の近道です。春バテの原因となる気圧・気温の変化や、周囲の環境の変化など、自分ではどうにもできませんが、自律神経を整えて春バテに強い体をつくることはできます。
ここからは、気持ちの良い春を過ごすための予防策をご紹介します。
■規則正しい生活

朝、日光を浴びることで体が目覚めるだけでなく、体内では幸せホルモンともいわれる「セロトニン」がつくられます。このセロトニンは、自律神経を整えてくれる働きをするホルモンです。また、良質な睡眠を促す「メラトニン」分泌を促進する作用もあります。
朝日を浴びることで睡眠を促し、規則正しい生活にもつながるため、朝はしっかり日光を浴びましょう。
生活リズムが乱れているとお悩みの方は、夜早く寝ようと頑張るよりも、朝早く起きて朝日を浴びることをおすすめします。
適度な運動をしよう

適度な運動は、ストレス発散となる他にも、自律神経を鍛えてくれる効果があります。それにより、環境の変化などで感じたストレスへの抵抗力を高めてくれるのです。どのような運動でも良いのですが、大事なのは気持ちよさや達成感を得られること。ハードな運動をする必要はありません。
自分の体力に合わせて、散歩やウォーキング、ジョギングやヨガなど、無理なく挑戦してみましょう。
体を冷やさない工夫を

体の冷えは、自律神経の乱れの原因となることもあります。また、冷えによって血液の循環も悪くなり、肩こりや不眠、むくみや免疫力の低下も引き起こすなど、良いことはありません。
湯船につかる(40℃程度のぬるま湯)
適度な運動
服装の調整
室温の調節
マッサージ
上記が日常でも取り入れやすい対策例です。「冷えは万病の元」ともいわれます。春の寒暖差から身を守り、春バテだけでなくその他の不調も改善・予防しましょう。
まとめ
春は環境の変化が大きい季節です。楽しいこともたくさん待っているかと思いますが、無理は禁物です。環境の変化を抑えるよう調整しつつ、春バテ対策を行い、気持ちの良い春を過ごしましょう。
プロフィール
みなみ なみ
現役看護師WEBライター。
看護師として働きながら、ライター活動を行う一児の母。皮膚科勤務経験が長く、医療関連記事だけでなく美容記事も得意。
趣味は、グルメ・旅行・英会話。こどもに邪魔をされながら、日々執筆中!