「高校時代に目に焼き付いた鉄塔上からの景色が忘れられなくて」テレビ番組にも出演した女性送電設備保守作業員が語る送電業務の魅力とは

「高校時代に目に焼き付いた鉄塔上からの景色が忘れられなくて」テレビ番組にも出演した女性送電設備保守作業員が語る送電業務の魅力とは

関西電力送配電で架空送電設備を保守するプロ職唯一の女性社員として活躍され、テレビ番組「深イイ話」に出演された関西電力送配電 大阪北電力本部 野江電力所に所属する西岡 鈴夏さん。西岡さんはなぜこの業界に興味を持ったのか、そのきっかけとなった高校時代の経験、そして現在のお仕事まで「送電線業務」の魅力について語っていただきました。


「鉄塔から見た景色」に魅了され

――西岡さんは、いつ、どんなきっかけで電力業界や電気関連の仕事に興味を持ったのでしょうか。

「実は、幼稚園の頃から近所の美容師さんがお客さまを綺麗にしてお客さまに喜ばれている姿を見て、私も美容師になりたい!って思っていたんです。しかし、中学卒業後の進路を考える際に、両親へ美容師の専門学校へいきたいと相談したところ、高校時代に多くの経験をすることで本当にやりたいことが見つかるし、10代にしかできないことも多くあるからと、高校への進学を勧められて…。たしかにそうかもしれないなと思い、「今すぐ決断するのではなく、高校へ行って学びながら、自分がやりたいことを改めて探してみよう」と、高校進学の道を選びました。

自宅から通学できる高校すべての体験入学に行きました。その一つに、商業高校と合併した工業学校があり、そこで、実際に自らの手で三路スイッチを組み立てる作業体験をしたときに、『楽しいな』と感じたと同時に、将来は自分の手で回路や配線を組み立てる職業に就ければと思い、その工業高校の電気科を選択。その時から、少しずつ電気関係の仕事に興味を持ちはじめたんです」

この壮大な景色を独り占めできる。だから現場の仕事が好き!

―― 工業高校の電気科へ進学し、そのまま電気業界へすすまれたのですね。

「今の職業を選んだのは、電気科で学んだことが活かせる仕事だったというのも理由のひとつですが、一番強く背中を押されたのは、高校2年生の時に実施したインターンシップでの昇塔体験です。どこまでも広がる空と、小さな街並み…。生まれて初めて目にした鉄塔上からの景色に感動しました。はじめは怖いと思ったけど、鉄塔上で手を広げた瞬間に視界が開き、この景色が忘れられなくなった。そこで、「こんな面白い仕事があるんだ」と、電力業界で働く決意をしました。社会のインフラを守る、責任ある仕事ですし、もちろん両親も喜んでくれましたね」

―― 西岡さんはもともと高いところは好きだったのですか。

「好きというか、元来、好奇心が旺盛で活発な性格なんです(笑)だから、昇れるなら昇ってみよう!って、躊躇することはありませんでしたね。貴重な経験ができて、本当に良かった。昇なければ見ることができない、あの景色を目にすることはなかったでしょうし」

現場の話をしているときの西岡さんは笑顔が絶えません!

毎日が挑戦の連続。そんな現場の仕事が大好き!

―― 西岡さんの現在のお仕事内容について教えてください。

「現在はおもに、架空送電線の工事立会と保守に関する業務を担当しています。具体的には、鉄塔建て替えが完了するまでには複数の工程があるのですが、工程毎の品質基準をクリアしているか検査を行っています。また、定期的に架空送電設備の巡視や点検をし、異常があれば送電線に乗り出して部品交換などを行うことも。現場だけではなく、事務所で事務作業を行うことも少なくありません。割合としては現場に出ることと事務作業は半々ぐらい。本当は、ずっと現場に出ていたいんですけどね(笑)」

―― 入社前と入社から4年目のいま、仕事や業界について、良い意味でギャップを感じたことはありましたか。

「インターンシップでも、入社後の研修期間でも、連日のように鉄塔に昇っていましたので、ひとつのことを専門的に行う仕事かとばかり思っていたのですが、配属後は事務処理だったり、研修で教わる作業以外にチェーンソーで木を切ったり、お客さまからの申し出対応したりと多様な業務に携わることが多いんだなと感じました。逆にそれが面白いし、スキルアップにつながっています」

―― 入社当初から現在において、仕事への取り組み方で変化したことがあればお教えください。

「入社1年目の研修期間中は、『不可能なことなんてない!』と、とにかく色々なことにチャレンジをしていました。今は、実務を通して学ぶことが数多くありますから、勢いだけではなく、冷静になって考えたり、失敗を繰り返したりしながら経験を積みあげているところです」

―― 今までのお仕事の中で、やりがいを感じたのはどんなときですか。

「自分たちで取り替えた部品類が新しくなって、下から見上げたときにキラキラと光っているのを見ると、嬉しい気持ちになります。また、自分の携わった工事で設備が新しくなると、電力の安全・安定供給に直接関わっているんだなと実感します。また、作業中に地域の人たちから『大変やな~、気をつけてね』『高いところで作業していてすごいね~』『ほんまにありがとう』と優しく激励の声をかけてもらえるのも、やりがいにつながっていますね」

―― インタビューに同席いただいた上司の仲本さんに「西岡さんはどんな人ですか」と質問を投げかけたところ、「現場が好きで、何ごとも積極的に取り組む姿勢は、本当に素晴らしいと思います。その姿勢を大事にしていれば多くの知識や経験を得ることができるので、これからも失敗を恐れず果敢にチャレンジを続けてほしいですね」と回答をいただきました。 現場が好きで非常にアクティブな西岡さんですが、学生時代は何か部活動に所属されていたのでしょうか。

写真右:上司の仲本さん

「小学校から中学校までバレーボールをしていて、中学時代は主将を務めました。高校でも続けたかったのですが、部員数が足りず活動が思うようにできなかったため、1年生の途中から少林寺拳法部に入部。こちらでも努力を重ねた結果、最終的には主将を務めるまでになりました」

―― バレーボール部でも少林寺拳法部でも主将を務められたとのこと、トコトン突き詰める姿勢は見習うべきところがあります。お仕事で鉄塔に登るので、今でも普段から体力づくりをされているのでしょうか。

「研修期間中は毎日トレーニングを行っていました。社員になってからは毎日のように筋力トレーニングを行うことはありませんが、重たい工具や資材を取り扱う作業が決まれば、事前に筋力トレーニングを行うなどして体力の維持に努めています。」

―― 現場では重いものを担いで鉄塔に登ることもあるかと思いますが、体力面で苦労したことはありますか。

「そうですね、研修期間も毎日のように鉄塔へ昇るため、そこで十分に鍛えられた気がします(笑)。たとえ体力に自信がない人でも毎日の積み重ねで少しずつ慣れていきますし、鉄塔での作業はチームで行い、作業員みんなでフォローしあうので、体力面に関しては、全然気にすることはありません。

また、架空送電線の保守に関する現場作業では、電気以外にも必要な専門知識が多くありますが、それらは、入社後に一から学びます。私が所属している関西電力送配電では研修制度がしっかり整っていますので、少しでも興味を持っていただけたなら、誰でもこの業界へ飛び込んできてほしいですね」

電気のミライと私と

高さ90m。はじめは怖かったけど、今は慣れたもの。

―― 西岡さんが現在、電力業界に関して課題に感じていることは? また、その課題を乗り越えるためにどのような取り組みが必要だと思いますか。

「男女比が大きいこと、仕事の内容があまり知られていないこと、この2点が大きな課題だと感じています。まだまだ現場本来の魅力が伝わっていないので、現場視点でもっと情報発信が必要だなと日々、感じています。

電気の仕事は、体力的にきついとか危険と隣り合わせという少しネガティブなイメージが強いかもしれませんが、最近ではドローンなどの最新技術を導入して作業をしている現場もありますし、年齢や性別に関係なく、誰もがより働きやすい環境が整備されてきました。安定して長く活躍できる仕事ですし、その点ももっと多くの方にアピールしていきたいと思います。また、新しい技術も増えていますし、電気業界も変わりつつあります。その中でも女性が活躍できるように私は先陣を切って現場を引っ張っていく存在になりたいですね」

―― 頼もしい言葉をありがとうございます!最後に、電力業界に興味を持っている人、電気業界を知りたい人に向けて、お仕事の魅力を教えてください。

「生活に欠かせない電力の供給に携わるということは、社会貢献度が大きいということです。自分が携わった仕事が、社会、そして人々の生活を支えている。それをしっかり実感できるのも電力業界で働く魅力であると思います。
私の仕事は仲間と協力しあいチームで行う作業が多いので、どんな時も仲間がいるという安心感があるので、失敗を恐れずチャレンジすることができます。また、現場で動き回れるこの仕事が楽しいと思って取り組んでいます。現場の規模も大きく、鉄塔上から眺める景色は他の仕事では味わえない、本当に特別な仕事です」

―― ベテラン社員の仲本さんは「西岡はまだ経験していませんが、災害発生時には多くのお客さまの生活に影響が出るので、1分1秒でも早い復旧が求められます。そのような状況の中でも、復旧作業が終わるとお客さまから直接、『ありがとう』と声をかけてもらえるので、さらにやりがいを感じると思います」と語っていただきました。

インタビューを終えて…

最後に、「私がインターンシップを通して鉄塔上からの景色に魅了されたように、どんな些細なことでもいいので、少しでも多くの人にこの仕事ついて興味を持ってもらいたいですね」と西岡さんからメッセージをいただきました。電気は生活に欠かせないものですが、電力の安定供給を支えている電力会社の仕事内容については、一般的な認知度が高いとは言えません。しかし一歩、現場へ足を伸ばしてみると、西岡さんのように奮闘しながらもこの仕事の醍醐味をしっかり感じて取り組む人々の凛々しい背中を見ることができます。

あなたも西岡さんと一緒に、鉄塔上から美しい街並みを見てみませんか。

プロフィール

西岡 鈴夏(にしおか りんか)さん

関西電力送配電株式会社に勤務。
2018年度に入社。大阪北電力本部 野江電力所にて、架空送電設備を保守するプロ職唯一の女性社員として活躍中。

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コーポレートメッセージ

https://www.kansai-td.co.jp/corporate/message/

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