洗濯機の仕組みを簡単解説!洗浄力向上や節電を目指した工夫とは

洗濯機の仕組みを簡単解説!洗浄力向上や節電を目指した工夫とは

日常的に使用する家電の1つとして欠かせない洗濯機ですが、その仕組みはどうなっているのでしょうか。そこで今回は洗濯機の具体的な仕組みについて、工程に沿って解説します。種類毎の違いなど洗濯機をすでに使っている方だけでなく、新規購入や買い替えを検討している方にも役立つ情報があるので、ぜひ最後まで読んでみてください。


洗濯機の種類とそれぞれの違い

洗濯機について詳しく理解するために、はじめに洗濯機の種類とそれぞれの特徴の違いについて紹介しましょう。

縦型

縦型洗濯機はその名の通り、垂直に洗濯物を入れる構造をした洗濯機で、中には温風による乾燥機能が付いたものもあります。全自動洗濯機では主流というイメージがありますが、実は海外では使われていないタイプの洗濯機です。洗濯物同士を擦り合わせながら洗浄する揉み洗いを採用しているため洗濯物にダメージが少なく、洗浄力も比較的高いですが、大量の水を必要とするため、ドラム型に比べると節水性能は低いです。また乾燥機能付きでも温風が洗濯物全体に行き渡りにくいので、乾燥性能もドラム型には劣ります。

ドラム型

洗濯物を入れる口が水平または斜めになっているタイプがドラム型洗濯機です。叩き洗いという洗濯物を上から叩きつけるような洗浄方式を採用しているため、縦型よりも使う水分量が少なく、洗剤の効果がダイレクトに発揮されるため皮脂汚れにも強いです。また、洗濯物がドラムの回転によって広がる上、ヒートポンプユニットと呼ばれるユニットが搭載されているため乾きやすいのも特徴的です。ただし、縦型に比べると衣類が傷みやすく、デリケートな衣類の洗浄には向いていません。

二層式

縦型やドラム型とは異なり、洗浄槽と脱水槽が分かれています。洗浄力が非常に高いことから長く、愛用者の多いタイプです。洗浄と乾燥の度に手動で洗濯物を入れ替える手間が必要にはなりますが、脱水槽には洗剤が付かないため汚れにくい、洗浄槽が取り外して洗える、洗浄槽と脱水槽が分離しているため乾きやすい、といった特徴から縦型やドラム型よりも衛生的な洗濯機として知られています。

洗浄工程別に解説!構成する部品とは

洗浄設定の選択と実行

洗濯の起点は、操作パネルなどのインターフェース部を操作して洗浄設定を選択するところから始まります。操作パネルは単純なボタンタイプのものが多いですが、液晶パネルやダイヤルを採用しているものもあり、選んだパラメータや時間などはLEDライトや液晶画面で表示されます。洗濯機の動作は決められた順序で逐一動作を実行するシーケンス制御を採用しており、選んだ設定に応じてモードや各工程の回数、時間などが定まります。

給水と排水

洗濯機の給排水はそれぞれ専用のホースから行います。給水ホースは洗濯機上部の吸水口と蛇口との間に、排水ホースは洗濯機の排水口にそれぞれ取り付けられ、水が漏れ出さないよう専用の継手を介して接続されます。洗濯機内部にはレベルスイッチが取り付けられていて、給水時には水が所定の液面に到達したか、排水時には所定位置以下まで正しく排水されているか、といったシーケンス上の状態監視が行われています。

回転動作を利用した洗浄と脱水

洗濯機の洗浄は回転動作を利用しており、縦型であれば地面と水平方向に、ドラム型であれば地面と垂直あるいは斜め方向に回転します。縦型において揉み洗い用の回転を生み出すのは凹凸の付いた円盤形状のパルセーターで、回転によって渦巻きのような水流を生み出します。またドラム型洗濯機では洗濯槽であるドラム自体がモーターの力を借りて回転し、重力や遠心力を利用して洗濯物をドラムに叩きつけて洗います。回転動作は脱水工程でも必要で、洗濯槽自体がモーターの力を使って高速回転することで生まれる遠心力を使って水分を除去します。

乾燥

洗濯乾燥機において、洗濯物の乾燥を行うのはヒートポンプやヒーターです。ドラム型洗濯機に採用されているヒートポンプはエアコンの暖房機能などにも使われるユニットで、簡単にいえば除湿した温風を洗濯物に当てて温めるとともに水分を奪い、水分を含んだ温風を再度除湿してから循環させることで乾燥させています。また縦型洗濯機に多く利用されるヒーター式では、電熱線に電流を流すと生まれる熱を使って空気を温め、その温風を洗濯物に当てることで水分を蒸発させます。単に熱だけで水分を除去するヒーター式に比べると、ヒートポンプ式の方が水分除去効率は高いため、ドラム型洗濯機の方が乾燥機能は高くなっています。

まとめ

普段当たり前のように使っている家電でありながら、今回初めて具体的な仕組みを理解した方も多いのではないでしょうか。今回紹介した以外にもメーカーや型式によっては別の機能や構造が搭載されている物も多いため、気になった方はぜひ詳しく調べてみてくださいね。

プロフィール

佐藤竜騎

2017年4月に某大手石油化学工場へ就職し、現在まで電気・計装設備の保全・更新計画の検討/立案から工事の実行まで一貫した業務に従事。携わった機器/システムは、分散制御システム(DCS)、流量/液面/圧力/温度の検出/制御機器類、ガス漏洩検知システム、プロセスガスクロマトグラフィーやpH計を始めとする各種オンライン分析計など多岐にわたる。現在は副業として電気/電子分野の専門知識に特化したウェブライター活動にも精を出している。
保有資格:第3種電気主任技術者、第二種電気工事士、認定電気工事従事者、高圧ガス製造保安責任者(甲種機械)、工事担任者(AI/DD総合種)、2級ボイラー技士、危険物取扱者乙種4類など

この記事のWriter

WattMagazine編集部 編集長

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