電気の資格のアレコレ
第二種電気工事士筆記試験を攻略せよ〜知識ゼロから学ぶ「基礎理論 4」

第二種電気工事士の学科試験の科目「基礎理論」。最後となる第4回では電気回路の計算について例題を用いて解説します。
電気回路の計算
その3で紹介したインピーダンスと同じ意味合いです。

上記のような回路の場合、それぞれの抵抗を合わせた抵抗値を計算する式は次のとおりです。
「和分の積」と覚えましょう。合成抵抗の問題は何パターンか存在します。
例題1

この回路の抵抗を求める時は、まず左側の分岐している抵抗の合成抵抗を先に求めるため、(20×30)÷(20+30)=12Ωとなり、横の抵抗は直列回路であるため12+8=20Ωと回答を導くことができます。
例題2

この回路の場合、まず右側から順を追って考えていきましょう。
② その上の抵抗とは直列回路になるため、2+2=4Ω。
③ 右側半分の抵抗値と横の抵抗は並列回路となるので(4×4)÷(4+4)=2Ω。
④ 最後に、左上の抵抗と直列回路になるので2+2=4Ω。
一見、複雑そうに見えるかもしれませんが、順を追って計算することで最終的な抵抗値を求めることができます。
三相交流回路
三相交流回路には「Y結線回路」と「△結線回路」があります。

引用:日本電気技術者協会
Δ結線・・・線間電圧=相電圧、線電流=√3×相電流
Y結線は相電圧に√3、Δ結線は相電流に√3と覚えておきましょう。三相電力と力率の関係は「三相電力=3×相電圧×相電流×力率=√3×線間電圧×線電流×力率」です。
例題3

この回路はY結線回路なので、相電圧を求める際「線間電圧=√3×相電圧」を使います。
② 相電圧=200÷1.73=約115V
ちなみに相電流は線電流と等しいのでオームの法則で求めると「I=115÷10=15A」です。
このように実際に計算して求める問題以外に、結線の一つが断線している場合の問題などさまざまなパターンで出題されますが、相電圧と相電流の関係性をしっかり把握しておけば解くことができます。
電圧降下と電力損失

少し式が複雑ですが、電圧降下に関する問題は毎回出題されるのでしっかり覚えておく必要があります。また、この式自体が答えになる事もあるので、順番に確認しておきましょう。
例題4

この回路は三相3線式回路となるため、電圧降下は「√3IR」に代入して求めることができます。
正解:√3×10×0.15=1.73×1.5=約2.6V
√2は1.41、√3は1.73として計算しますが、少数の計算を自力で計算するのは中々大変ですし、間違えるリスクもあります。そこで、√2を1.5、√3を1.75として計算すると少し楽になりますのでどうしても計算でつまずく方は覚えておきましょう。