学びあり!癒しあり!迫力満点なダムの放水見学&電気・エネルギー勉強会@宮ヶ瀬に行ってきたよ!(電験倶楽部企画)

更新日:2025.12.18投稿日:2025.12.19

2025年11月9日(日)、秋が深まり、紅葉が楽しい季節。「電験倶楽部」さんが主催するダムの放水見学会にワットマガジン事務局も参加してきました!
当日は雨ときどき曇りのどんよりした空模様でしたが、落ち着いた雰囲気の中で、じっくり学び、参加者さんとの交流を楽しむことができました。自然の力と人の技術に触れた濃密な時間をレポート形式でお伝えします。

全員集合!から石小屋ダムへ…静けさの中で始まる探訪

当日の集合時間は午前10時。参加者たちが続々と神奈川県立あいかわ公園南駐車場に集まります。雨粒が葉を打つ音が静かに響くなか、参加者同士が挨拶を交わし、傘を片手に見学会がスタート。まずは最初の目的地である石小屋ダムへ向かいました。

しっとりした緑が綺麗。雨の日も悪くない…?

集合場所から15分ほど歩くと、石小屋ダム(宮ケ瀬ダム副ダム)が目の前に現れました。石小屋ダムの主な役割は、宮ヶ瀬ダムの補助として水量調整・減勢・発電・導水を担うことです。周囲の緑に包まれた静かな佇まいが印象的でした。水面は穏やかで、雨に濡れた岩肌がしっとりと美しく、自然と人工構造物の調和がなんともユニークです。

宮ヶ瀬ダム副ダムの石小屋ダムへ
高さは34.5m。副ダムでありながら巨大!!

愛川第1・第2発電所〜水力発電の現場を垣間見る

宮ヶ瀬ダムの近くにある愛川発電所
自然と調和したデザインの施設。

石小屋ダムから宮ケ瀬ダムへ向かう途中、神奈川県営の水力発電所である愛川第1・第2発電所を見学しました。この二つの発電所が1年間に発電する電力は、一般家庭の約24,000世帯の年間消費電力に相当するそうです。道路沿いに並ぶ施設は、コンパクトながらも非常に重要な役割を担っているのです。

発電所の説明が書かれた看板
表には発電所について説明する看板が。
発電所から送電線を伝い山頂の鉄塔へ

ダムから流れ出る水の力を利用して電力を生み出す発電所は、地域の電力供給を支える重要な役割を担っています。設備の配置や構造についてまとめられた説明資料を照らしあわせ、施設の外周をぐるっと巡りながら水力発電の仕組みについて学びましたが、6月〜11月末までは宮ヶ瀬ダムの観光放流日と合わせて発電所の内部見学会が開催されています。説明を受けながら、普段はなかなか見ることができない発電機室や水車室を覗くことができるのだとか(なんと無料で!)。次回はぜひ、参加してみたいです!

宮ケ瀬ダム〜圧巻!轟音とともに放たれる水の力

宮ヶ瀬ダムの放水
水量は一条あたり15m3/秒、合わせて30m3/秒です。

11時ちょうど、いよいよ今回のメインである宮ケ瀬ダムで観光放流の見学です。巨大な堤体から勢いよく放たれる水は、まさに圧巻!約6分間続いた放流は、轟音とともに霧状の水しぶきが舞い上がり、視界が一瞬白く染まる?ほど、大迫力なショータイム。
初めて放流を目にする参加者も多く、「これが水力発電の源になるのか〜」と、あちらこちらで感嘆の声が。自然の力を制御し、エネルギーへと変換する技術の偉大さを肌でビシビシ感じました!

インクラインに乗車せよ〜高みから眺めるダムの全貌

インクラインで迫力の見学
左手に見える紅葉を楽しみながら登っていきます。

宮ヶ瀬ダムの放流を見学した後は、インクライン(※)に乗りこみます。急斜面をゆっくりと登りながら、徐々に広がるダムの全景。雨に濡れた山々と、放流を終えたばかりのダムの姿が幻想的に映り、まるで絵画のような風景に参加者の方たちはうっとり。壮大な光景に心を奪われてしまったようです。

インクラインで上に登る
ジェットコースターのようなワクワク感を味わえます。
インクラインについて解説した写真

※インクラインとは、もともとダム建設時に主にコンクリート等、建設資材を搭載したダンプトラックを、そのまま建設現場まで運んでいた施設の一部を利用したケーブルカーです。現在はダム堤体の外部点検と体験学習のために運行されています。

水とエネルギー館〜知識と体験が融合する学びの場

水とエネルギー館の外観

11時30分、最終目的地となる「水とエネルギー館」へ到着。「水とエネルギー館」は、ダムや水資源、エネルギーについて楽しみながら学ぶことができる体験型展示施設で、パネル展示などのギャラリーコーナー、水について学ぶ「水道ゾーン」、発電のしくみを体験できる「電気ゾーン」、ライブラリーで構成されています。

宮ヶ瀬ダムの歴史を解説する展示
展示から宮ヶ瀬ダムの歴史を辿りました。

ここでは、副館長に宮ケ瀬ダムの歴史から役割、ダム建設の背景にある地域の水不足や治水の課題、長年にわたる計画・工事の経緯まで、丁寧にレクチャーいただきました。ダム建設によって移住を余儀なくされた方々の暮らしや思いについても触れる時間があり、参加者はその重みを感じながら耳を傾けていたようです。

水とエネルギー館にあるインタラクティブシアターでクイズに答える
Q&Aのパートではクイズに答えます。
タッチパネルで遊びながら学べます!

ガイダンス映像やドローン操作で水道水が家庭に届くまでのルートを探ったり、安全な水道水を作るまでのシステムをタイムアタックゲームで遊んだり、動きに合わせて動画が変わるインタラクティブシアターで水力発電に関することが学んだり、子どもも大人も楽しい仕掛けが盛りだくさんでした。

また、「水とエネルギー館」に併設された『Lake Side Café』では、名物の宮ヶ瀬ダム放流カレーをいただくことができます。コーヒーやデザートも絶品🎵なのだとか。

まとめ

12時15分、予定通りに見学会が終了。…ですが、有志メンバーは、元気よく?キャンプ場へと向かっていきました。参加者同士が自分のペースで交流しながら、エネルギーについて楽しい体験を通して学びを深めることができた今回の見学ツアー。休日のお出かけ先としてもおすすめです★

おまけ!!

熊に注意を促す看板

最近、連日のように全国でクマが出没したというニュースを目にしますが、宮ヶ瀬ダム近辺でも目撃情報があったと言います。訪問の際はくれぐれもお気をつけください!!

取材協力

電験倶楽部
「電気主任技術者ってカッコいい」のメッセージを掲げ、電気関連資格の取得を⽬指している⽅や既に関連の仕事に従事している⽅のためのWebメディア。情報発信だけでなく定期的にイベント開催。
公式サイトはこちら

アイキャッチ画像
すべてが規格外! 都心の電気を支える巨大施設「新豊洲変電所」 潜入レポート!(電験倶楽部共同企画)

東京・豊洲にある、世界初の地下式50万V変電所が「新豊洲変電所」です。今回は特別に、都心で使われる電気を供給している非常に貴重な本施設への見学ツアーが実現…

アイキャッチ画像
年収は? 働くメリットとデメリットは? 電気主任技術者と電気工事士の比較イベント「電流ジョブトライアル」潜入レポート(電験倶楽部共同企画)

電気業界にはさまざまな職種の人が働いています。その代表的な2つが、電気主任技術者と電気工事士です。両者ともいわゆる“現場仕事”ですが、実際の業務内容は大き…

この記事をシェアする:

Twitterでシェア Facebookでシェア LINEでシェア

一覧に戻る

関連のある記事

  • 10月21日は「あかりの日」!たいまつから提灯、白熱電球、LED…あかりの歴史とこれから

    COLUMN

    10月21日は「あかりの日」!たいまつから提灯、白熱電球、LED…あかりの歴史とこれから

    2025.09.26

  • 家庭に電気が届くまで|発電から配電までの仕組みと関わる職種を紹介

    COLUMN

    家庭に電気が届くまで|発電から配電までの仕組みと関わる職種を紹介

    2025.09.19

  • 電気はどうやって手元に届くの?〜動画を見ながら楽しく学べる「電気の通り道」をご紹介!

    COLUMN

    電気はどうやって手元に届くの?〜動画を見ながら楽しく学べる「電気の通り道」をご紹介!

    2025.09.18

  • 今こそエネルギーについて学ぶ機会を…!2026年度エネルギー教育支援対象校を募集します

    COLUMN

    今こそエネルギーについて学ぶ機会を…!2026年度エネルギー教育支援対象校を募集します

    2025.08.08

  • 電気をゼロから学ぶ1冊案内 「電気、マジわからん」と思ったときに読む本

    COLUMN

    電気をゼロから学ぶ1冊案内 「電気、マジわからん」と思ったときに読む本

    2025.07.22

  • 僕らの生活は全て電気が必要だ〜鉄道・照明・エレベーター、身近な電気機器の仕組みを解説

    COLUMN

    僕らの生活は全て電気が必要だ〜鉄道・照明・エレベーター、身近な電気機器の仕組みを解説

    2025.06.20

企業を探す

気になる企業を調べることが、未来への第一歩!
あなたに合う電気の仕事を
ここから見つけてみませんか?

いろんな会社を見てみる