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雷から社会インフラを守る技術とは?~サンコーシヤ相模テクノセンターを訪問!~
雷による設備トラブルや停電は、私たちの暮らしや産業活動に大きな影響を及ぼします。安全で安定した電力供給や設備の運用を支えるためには、雷の特性を正しく理解し、適切な対策を講じることが欠かせません。
そこで今回、ワットマガジン編集部は雷防護技術のパイオニアである株式会社サンコーシヤと雷観測ネットワークを運営するサンコーシヤグループである株式会社フランクリン・ジャパンが開催した勉強会・見学会に参加!勉強会では、雷が発生する仕組みや雷害対策について学び、見学会では実際の雷観測システムや、SPD(サージ防護デバイス)の試験設備を見学しました。本記事では、雷対策の最前線に触れ、設備や電気インフラを守るために欠かせない技術や取り組みについて理解を深めた勉強会・見学会の様子をお届けします。
※SPD(サージ防護デバイス)とは、雷や電力系統の異常による過電圧・過電流(サージ)から電子機器や電力設備を保護する装置のことです。
目次
雷から社会インフラを守る!株式会社サンコーシヤと株式会社フランクリン・ジャパン
株式会社サンコーシヤは、創業以来90年以上にわたり、雷防護技術の開発・提供に取り組んできた企業です。おもに通信・鉄道・電力といった社会インフラ分野で、避雷設備やSPD(サージ防護デバイス)をはじめとした雷保護製品を提供し、雷による設備被害の防止に貢献しています。
1991年には、日本で落雷の正確な観測データを提供することを目的に、株式会社フランクリン・ジャパンを設立。日本全国をカバーする雷観測ネットワーク「JLDN(Japanese Lightning Detection Network)」を運用し、落雷情報や気象情報の提供を行っています。「JLDN」で得られる雷観測データは、人命や設備を守るために活用されています。例えば、人命保護の分野では、ゴンドラやロープウェイなどの落雷監視や利用者の避難判断に役立てられています。また、設備保護の分野では、鉄道事業者や工場、電力会社の送電網などにおける落雷監視や、設備被害の防止に活用されています。
雷の発生を正確に把握し、適切な対策につなげることで、私たちの暮らしや社会インフラの安全を支えているのです。

なぜ雷対策が必要なの?〜雷の仕組みや観測技術について学ぶ
勉強会では、まず雷によって発生する被害について学びました。
雷害と聞くと、建物への落雷や火災を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際には、雷が直接落ちなくても、周辺に発生する「雷サージ」と呼ばれる瞬間的な異常電圧によって、電気機器や通信機器が故障するケースがあるのです。
「突然テレビが映らなくなった」「ルーターが故障した」「パソコンが起動しなくなった」といったトラブルの原因が、実は雷による影響だったという事例もあるとのこと。近年では、IoT化やデジタル化の進展により、家庭や企業ではさまざまな機器がネットワークでつながっています。そのため、ひとたび雷サージが発生すると、複数の機器に影響が及ぶ可能性もあり、雷対策の重要性はこれまで以上に高まっています。普段から利用している電気機器類が故障すると、日常生活に大きな支障をきたす可能性も。安心・快適な暮らし続けるためにも、雷対策を身近なものとして意識しておきたいですね。
参考:サンコーシヤ「直撃雷と誘導雷」
サンコーシヤ「なぜ雷対策が必要か」
夏だけじゃない?雷の脅威。知っておきたい「冬季雷」のこと
雷には大きく分けて夏に多く発生する「夏季雷」と冬に多く発生する「冬季雷」の2種類があります。夏に発生する雷は私たちにも馴染みがありますが、日本海側で発生する冬季雷は世界的にも珍しい特徴を持つ雷として知られており、夏季雷に比べて発生数こそ少ないものの、一度の雷が持つエネルギーが非常に大きいことが特徴です。
日本海沿岸では世界的に見ても非常にエネルギーの大きな雷が観測されており、風力発電設備などでは通常よりも高いレベルでの雷対策が求められているそうです。
「雷は夏に発生するもの」というイメージを持っていましたが、実際には季節や地域によって雷の特徴は大きく異なり、それぞれに応じた対策が必要なんですね。


日本全国の雷を正確に把握する観測ネットワーク「JLDN」
続いて紹介いただいたのが、フランクリン・ジャパンが運用する雷観測ネットワーク「JLDN(Japanese Lightning Detection Network)」です。
「JLDN」は、全国に設置された観測センサーによって落雷を検知し、雷の発生位置や時間、規模などの情報をリアルタイムで把握しています。そして、収集された雷観測データは、鉄道や電力設備をはじめ、イベント運営など、さまざまな分野で活用されているのだとか。落雷の発生状況をいち早く把握することで、人命の安全確保や設備被害の防止につながっています。
私たちが普段何気なく利用している雷情報の裏側には、このような高度な観測システムと、それを支える技術があるのです!
雷観測システムの運用現場を見学♪
座学で雷の仕組みや観測技術について学んだ後は、実際に雷観測システムが運用されているフランクリン・ジャパンのオフィスを見学です。当日は落雷が発生しなかったため、リアルタイムで雷の発生状況を表示する画面を見ることはできませんでしたが、実際の監視環境や、雷情報がどのように収集・提供されているのか、運用の現場を間近で体験!
また、フランクリン・ジャパンには気象予報士の資格を持つスタッフが多数在籍しており、見学中には実際にお客様からの問い合わせに対応する様子も伺えました。イベント運営や屋外作業などの現場では、雷情報が安全管理や人命保護に直結するケースもあります。単に雷を観測するだけではなく、取得したデータをもとに適切な情報提供やリスク判断を支援し、安全確保につなげている点が印象に残りました。

オフィスには、実際に使用されている観測センサーの模型も展示されていました。高さは約2m💡このセンサーによって最大625kmの範囲で雷を観測することができると聞き、その観測技術の高さに驚きました!

圧巻だった雷インパルス試験
今回の見学で特に印象に残ったのが、雷を人工的に再現するインパルス試験です。
見せていただいたのは、SPD(サージ防護デバイス)を設置していない状態で、直撃雷を想定した試験。試験が始まると、放電と同時に大きな音が響き、激しい火花が発生!試験後には、雷の大きなエネルギーによって部品が破損する様子も確認できました。

その迫力に、参加者からは「雷のエネルギーは想像以上だな……」という驚きの声がちらほら。実際の雷が設備に与える影響の大きさを目の前で見ることで、雷対策の重要性を改めて実感しました。
SPDが雷サージから設備を守っている!
続いて、SPD(サージ防護デバイス)を設置した状態で、同様のインパルス試験を実施。先ほどのSPDなしの試験では激しい放電や部品の破損が確認されましたが、SPDを設置した場合は、瞬間的にSPDが作動するだけで、大きな火花や異常は見られませんでした。
さらに、誘導雷を模擬した試験では、
SPDあり:機器は正常に動作
SPDなし:モニターが故障
という結果から、雷による過電圧から電気機器を守るSPDの役割を、目の前で実感することができました。文章だけでは理解しにくい雷対策の効果も、実際に比較試験を見ることで、その重要性をより分かりやすく学ぶことができました。
学んだ技術は製品・サービスとして社会を支える現場でも活躍
今回の勉強会・見学会では、雷の観測から予測、そして設備を保護するための技術まで幅広く学ぶことができました。こうした技術は、実際にさまざまな製品やサービスとして社会インフラや産業設備の現場で活用されています。
株式会社サンコーシヤ様では、今回の見学でも紹介いただいたSPDをはじめとする雷保護製品を幅広く展開されています。近年では、バイオマス発電由来の副産物であるバイオ炭を活用した環境配慮型接地抵抗低減材「バイオサンアースBC1」や、8.5GHzまでの高周波帯に対応した同軸用SPD「N-JP-8.5G」など、脱炭素や高度化する無線通信環境を見据えた製品開発にも取り組まれています。
また雷対策だけでなく、部分放電測定による高圧受電設備の絶縁劣化診断サービスも展開しており、設備の予防保全や安定運用を支援されています。
一方、フランクリン・ジャパン様では、全国規模の雷観測ネットワーク「JLDN」で取得したデータを活用し、雷気象情報提供サービス「Lightning Station」を提供。工場やインフラ設備などにおける雷リスク管理を支援しています。
さらに、この春にはスマートフォン向けサービス「Pocket Lightning Station」もリリース。屋外作業やイベント運営、スポーツ大会など、屋外活動の最中でもリアルタイムで雷情報を確認できる環境が整えられています。
今回見学した観測ネットワークや試験設備は、こうした製品・サービスを支える技術基盤そのものであり、その裏側にある取り組みの一端を知ることができました。
まとめ
雷対策は避雷針やSPDによる設備保護だけではなく、雷の観測や予測からリスク管理、設備の保守・保全まで、さまざまな技術とサービスによって成り立っています。普段は意識することの少ない「雷対策」ですが、電力・通信・鉄道などの社会インフラや、私たちの身近な設備の安全を支える重要な技術です。ワットマガジン編集部も、今回の見学を通じて社会を陰から支える雷対策の役割と必要性を改めて感じました。
みなさんも、これを機に身近な電気設備の雷対策について考え、日頃から安全を守るための備えを見直してみませんか?
関連情報
株式会社サンコーシヤ
公式ホームページ https://www.sankosha.co.jp/
株式会社フランクリン・ジャパン
公式ホームページ https://www.franklinjapan.jp/

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