電気業界のブルーオーシャン!需要拡大の職業「ジョインター」の仕事に迫る!

更新日:2026.05.12投稿日:2026.05.13

特別高圧ケーブルを現場で接続する技能者である「ジョインター」。近年、データセンターの急増や都市開発によりジョインターの仕事は増え続けています。しかも、全国の技術者は約500名と少なく、現場では奪い合いが起きているほどニーズの高い職業です。まさにブルーオーシャンともいえるジョインターとは、いったいどんな仕事をするのでしょうか。株式会社フタバ電業社の菊池文男さんと、株式会社エステックの赤松寛治さんにお話を伺いました。

現場は地下か高所か。地中送電工事で活躍するジョインターとは

株式会社エステックの赤松寛治さん、株式会社フタバ電業社の菊池文男さん
写真左から株式会社エステックの赤松寛治さん、株式会社フタバ電業社の菊池文男さん

――まずはお二人の仕事内容について教えてください。

菊池文男さん(以下、菊池さん)「私は株式会社フタバ電業社でジョインターとして働いており、この仕事には31年以上従事しています」

赤松寛治さん(以下、赤松さん)「株式会社エステックで、地中線工事の現場監督として働いています。私自身はジョインターではありませんが、長年ジョインターのみなさんと工事現場で汗を流してきました」

――ジョインターとは何をする職業なのでしょうか?

菊池さん「地中送電ケーブルの接続工事を行うには、私たちジョインターが必要になります。工場で製造された新しいケーブルを現場まで陸送する際、ケーブルが太くその分ケーブルドラムは大型となり公道では車両の高さ制限の制約を受けます。それにより一度に陸送可能な長さは外径が太い程短尺になり、ケーブルをつぎ足しながら送電箇所まで延長しなければならないので、そのケーブルを接続するのが私たちなのです」

――「ケーブル」と聞くと一般の人はスマホの充電器に付いているような細いケーブルをイメージしてしまいますが…

菊池さん「いえいえ。ジョインターが扱うのは特別高圧ケーブルなので、太くて重く、見た目もゴツいんです。特別高圧の電気を送る為には、工事の品質管理にも細心の注意が必要です」

工事現場でケーブルの接続作業をする作業員。特別高圧ケーブルはこんなに太くて重い!

――どのような場所で作業をするのでしょうか?

菊池さん「地下で作業することがほとんどかもしれません。送電ケーブルの多くは地中にあるため、マンホール内や地下トンネル(洞道)で作業しています。また、地上で作業する場合は変電所や大工場、データセンターの電気設備、鉄塔に上ることもたまにあります」

マンホールから地下へ潜ることもあります。
地下トンネル(洞道)
まるでダンジョン。ジョインターの作業場である地下トンネル(洞道)

毎日新鮮な体験ができる! 日本全国を駆け回れるのも魅力

――ジョインターとして働く際に必要な資格はありますか?

赤松さん「特別高圧ケーブルの施工にあたって、電気工事士の資格は必須ではありません。ただし、施工を行うためには 、大手ケーブルメーカーの接続作業認定が必要となる場合があります。
従来は、ケーブルメーカーが保有する独自技術にもとづき、メーカー自身でなければ施工ができませんでしたが、現在は、メーカーがその施工技術を工事会社にも開放し、作業難易度に応じた接続作業認定を付与する仕組みを整えています。

工事会社は各メーカーの接続訓練を受講し、書類審査などを経て認定を取得することで、これまでメーカーに限られていた特別高圧ケーブル施工に従事できるようになり、従事者の裾野が大きく広がっています」

菊池さん「ただし、資格や認定が取得できれば一人前、というわけではなく、技術職ですから現場で経験を積むことも重要なんです。フタバ電業社の場合は、1〜2か月ほど社内で研修を受けてから工事現場へ行き、3〜5年ほど経験を積むようになっています」

工事現場で慎重に作業を進める菊池さん
工事現場で慎重に作業を進める菊池さん

――この仕事の大変なところはどこでしょうか?

菊池さん「覚えることが多いところでしょうか。原子力発電所、太陽光発電、水力発電など、さまざまな現場の送電工事を請け負うのですが、現場によって条件も違いますし、扱うケーブルや施工環境も異なるもの。また、1箇所100万円を超える高価な材料を扱いますし、社会インフラとして長く安定して電気を送る設備なので、基本的にはミスが許されず、現場では正確さ、慎重さ、丁寧さが求められます。作業内容によってはケーブルの中にホコリが入らないよう現場を特殊なビニールで覆い、作業員も防塵服を着て慎重に進めることがあります」

赤松さん「数ヵ月~数年にかけて施工したものが、その後30年近い長期間で特別高圧の電気を送電し続けることが一般的です。だからこそ、はじめから終わりまで大きな責任が伴う仕事でもある。しかし、それがまたやりがいでもあるんです。また、チームで動くため、遅れや判断ミスが起きないよう連携しながら業務を行っています。」

――ジョインターの仕事をしていて楽しいところは?

菊池さん「毎日同じことの繰り返しではないところは面白いですね。現場も条件も毎回違いますから、長く勤めていても全く飽きないんですよ。現場は北海道から沖縄まで全国。出張も多く、いろいろな場所へ行けるのも特徴です。私は温泉が好きなので、全国のあちらこちらの温泉を楽しめるのも嬉しいですね。責任は大きいですが、その分大きなやりがいを感じています」

電気業界のブルーオーシャン。引く手あまたの職業がジョインター

菊池さんと赤松さん

――ジョインターの仕事は需要が拡大していると聞きますが…実際にはいかがでしょうか。

赤松さん「はい。需要は高く、1〜2年先まで予定が詰まっているほど引く手あまたの状態です。もしジョインターの方がいまの会社を辞めても、同業なら1週間後には新しい勤務先が決まるんじゃないかと思うくらいです。いまデータセンターや再生可能エネルギー関連施設の建設がどんどん進んでいますよね。こうした施設には大量の電気が必要なので送電工事は必須です。その送電工事をする上で欠かせないのがジョインター。地中送電線の更新作業もあるので、この仕事がなくなることはありません」

菊池さん「仕事のオファーはたくさんあるのですが、ジョインターの仕事ができる人材が足りていない状況です」

――未経験でもチャレンジできますか?

赤松さん「もちろんです!実際、異業種から飛び込んでくる方もいます。入ったら一から覚える必要はありますが」

菊池さん「似たような仕事として電気工事があげられることがありますが、有資格者や電気工事経験者でも即戦力になるわけではないんです。かなり特殊な仕事なので、しっかりと教育を受け、地道に経験を積んでいかねばなりません。もちろん教育制度は整っていますのでその点はご安心くださいね」

――年齢や性別の面ではどうでしょうか。年を重ねても働けるのか、また女性のジョインターはいますか?

菊池さん「長く働ける仕事ですし、私が知っている方は75歳まで現役で働いていました。夜間作業や力仕事もあるので、難しい部分はあると思いますが、女性のジョインターもいます」

ジョインターの魅力を語る菊池さんと赤松さん

――最後に、ジョインターという仕事の魅力をお願いします。

赤松さん「電気業界でも、今現在、注目されているのがジョインターです。電力会社でもジョインターの空き状況を気にしているくらいですから。送電工事の世界では、ジョインターがいなければ進めることができない仕事がたくさんあります。私たちも、もっとジョインターの仲間を増やしていきたいですし、定着してもらうために、働きやすい環境を整えていこうと動いているところです。ジョインターは社会インフラの根幹を支える、とても重要な仕事。もっと仲間が増えてほしいですね」

菊池さん「責任が大きい仕事ですが、その分、大きな達成感を得ることができます。毎日同じ作業ではなく、現場も違えば内容も違うので飽きません。全国いろいろな場所で働けるのも魅力ですし、手に職をつけたい人、責任ある仕事をしたい人には向いていると思います。ぜひ、興味を持っていただけると嬉しいです」

プロフィール

株式会社フタバ電業社

菊池 文男さん ジョインター

会社公式ホームページ:https://www.e-futaba.co.jp/index.html

株式会社エステック

赤松寛治さん 地中線工事部 工事課長 

会社公式ホームページ:https://www.swcc.co.jp/stec/

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