電気の資格のアレコレ
第一種電気工事士の合格率|すごい資格の勉強時間・受験資格・試験内容を解説
第一種電気工事士の合格率は、令和の年度別データによると約33%前後で推移しています。
電気工事の専門資格として高い信頼性を持つ一方で、試験の難易度は決して低くありません。
学科試験では電気理論や法令、施工方法など幅広い知識が問われ、技能試験では実際の工事に必要な技術力が求められます。毎年4万〜5万人が受験し、合格者は学科・技能の両試験を突破した者に限られます。
今回の記事では、電気技術者試験センターが公表する統計をもとに、合格率の推移や試験内容、勉強時間の目安について解説していきます。
目次
第一種電気工事士の合格率は?
第一種電気工事士の令和における合格率を次の表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
第一種電気工事士・合格率一覧(令和元年~令和7年下期)
| 年度 | 試験期 | 学科試験 | 技能試験 |
|---|---|---|---|
| 令和元年 | 年1回 | 54.1% | 64.7% |
| 令和2年 | 年1回 | 52.0% | 64.1% |
| 令和3年 | 年1回 | 53.5% | 67.0% |
| 令和4年 | 年1回 | 58.2% | 62.7% |
| 令和5年 | 年1回 | 61.6% | 60.6% |
| 令和6年 | 上期 | 59.3% | 57.0% |
| 下期 | 55.4% | 61.9% | |
| 令和7年 | 上期 | 56.5% | 55.1% |
| 下期 | 57.9% | 60.3% |
※表の合格率は、合格者を受験者で割ったものです。
※令和6年度以降、試験は年2回の実施に変更
出典:一般財団法人・電気技術者試験センター
ちなみに令和7年度の場合、学科免除者を含む受験申込者の合計が5万937人で、最終的な合格者は1万6,509人でした。令和6年度の場合は、学科免除者を含む受験申込者の合計が5万511人で、最終的な合格者は1万7,004人です。
最終的な合格者を受験申込者で割ると、令和7年度の合格率は32.4%になり、令和6年度の合格率は33.7%になります。
そのため、第一種電気工事士の合格率は約33%、3人に1人が受かると言って良いでしょう。
第一種電気工事士はすごい資格!何ができるのか?
第一種電気工事士は、法令上は一般用電気工作物等及び自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)の電気工事に従事します。
第一種電気工事士ができることについて、第二種電気工事士との比較を次の図にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

第一種電気工事士は、実質的には一部の特殊な電気工事(非常用予備発電装置等)を除いた、ほぼ全ての電気工事を行うことができます。
活動の範囲も、第二種と比較すると幅広くなっており、法人向けの業務や公共インフラ関連の現場では、第一種の資格が求められるケースが多いです。

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第一種電気工事士の受験資格と免状取得条件
こちらでは、第一種電気工事士の受験資格と免状取得条件について解説していきます。
第一種電気工事士の受験資格
第一種電気工事士の試験は、年齢・学歴などに関係なく誰でも受けることができます。第二種電気工事士の免状を持っていない人が、第一種電気工事士を受験してもかまいません。
第一種電気工事士の免状取得条件
第一種電気工事士は、試験に合格したとしてもすぐに有資格者となるわけではありません。免状を取得して、はじめて有資格者となります。
第一種電気工事士の、免状取得条件は次の通りです。
- 試験に合格し、かつ電気工事に関し3年以上の実務経験
- 電気主任技術者で5年以上の実務経験
- 旧高圧電気工事技術者試験合格者で3年以上の実務経験
出典:電気工事士の免状交付 | 電気工事士 | 一般財団法人 電気技術者試験センター
試験合格者は、現在では学歴の有無に関係なく、3年の実務経験があれば免状の申請ができます。
令和3年3月までは、5年の実務経験がないと免状の申請ができず、大学・高専の電気工学系を修了して卒業された方のみ、3年の実務経験で免状の申請ができていました。
なお、免状取得前でも、第一種電気工事士試験合格後に産業保安監督部へ申請すれば、⾃家⽤電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)の低圧部分の電気工事に従事できる工事資格(認定電気工事従事者認定証)が取得できます。
第一種電気工事士定期講習について

第一種電気工事士の免状を保持している人は、電気工事士法に基づき、5年ごとに定期講習を受講する義務があります。
この講習は、電気設備の安全確保や技術の向上を目的としており、法令改正や事故事例、保守点検の留意点など、実務に直結する内容が中心です。
第一種電気工事士の方は、電気工事士法第4条の3の規定により、第一種電気工事士免状(以下「免状」という。)の交付を受けた日又は前回に定期講習を受けた日から5年以内ごとに経済産業大臣の指定を受けた講習機関が実施する定期講習を受講することが義務づけられています。
講習は、全国各地の会場で講師と対面で受講する「集合講習」とカメラ付パソコン等を通して配信映像で受講する「オンライン講習※」の2種類から選べます。
※「オンライン講習」には1日で受講する「定時講習」と2週間の間に自分の都合に合わせて受講する「随時講習」があり、どちらか選べます。
受講が修了すると免状に終了日の記入および終了シールが貼付され、その日以降の5年以内に定期講習を受講することが義務づけられます。
なお、講習を受けなかった場合は、法令違反となり、都道府県知事から免状の返納を命じられる可能性があるため、忘れずに受講することが重要です。
日程等の詳細については「一般財団法人・電気工事技術講習センター」のホームページからご確認ください。
出典:第一種電気工事士定期講習|一般財団法人 電気工事技術講習センター
第一種電気工事士の試験日程・合格発表はいつ頃?
令和8年度における、第一種電気工事士の試験日程は次の通りになっています。
| 令和8年度上期の試験日程・合格発表 | |
|---|---|
| 申込受付期間 | 2026年2月13日(金)〜3月2日(月) |
| 学科試験の日時 | CBT方式:2026年4月1日(水)〜5月8日(金) 筆記方式:実施なし |
| 技能試験の日時 | 2026年7月4日(土) |
| 令和8年度下期の試験日程・合格発表 | |
|---|---|
| 申込受付期間 | 2026年7月27日(月)〜8月13日(木) |
| 学科試験の日時 | CBT方式:2026年9月11日(金)〜10月18日(日) 筆記方式:2026年10月4日(日) |
| 技能試験の日時 | 2026年11月21日(土) |
合格発表の日時ですが、令和7年度の上期は学科試験が5月22日(木)に、技能試験が7月25日(金)に、それぞれ公表されました。令和7年度の下期は、学科試験が10月20日(月)に、技能試験が12月12日(金)に、それぞれ合格発表されています。
令和8年度も、恐らくこれらに近い日時になると思われますが、公式からの正式な発表をお待ちください。
合格者は「一般財団法人 電気技術者試験センター」のホームページから確認できます。「合格者一覧の検索」から、合格者受験番号検索でご確認ください。
第一種電気工事士の学科試験・技能試験の内容

こちらでは、第一種電気工事士の学科試験・技能試験の内容について解説していきます。
学科試験
第一種電気工事士の学科試験は、電気工事に必要な知識を幅広く問う内容で構成されています。
試験は四肢択一式で、筆記方式またはパソコンを使ったCBT方式のいずれかを選択できます。出題数は50問で、試験時間は140分です。
出題範囲には、電気理論や配線設計、電気機器の構造、施工方法、法令などが含まれ、特に高圧設備に関する内容が多く、第二種よりも難易度が高いとされています。
合格には60%以上の得点が必要で、一般問題と配線図問題がバランスよく出題されます。過去問の反復学習が効果的とされており、理解よりも正確な知識の習得が重視される傾向があります。
技能試験
第一種電気工事士の技能試験では、実際の電気工事に必要な作業能力が問われます。
試験では、事前に公表された10の候補問題の中から1つが出題され、受験者は支給された材料と持参した工具を使って、配線図通りに施工を行います。
内容は電線の接続や器具の取り付け、高圧機器の配線など多岐にわたり、第二種よりも複雑で作業量が多いです。
制限時間は60分で、施工ミスや欠陥があると失格となるため、正確さとスピードの両方が求められます。複線図の理解や欠陥基準の把握、公表問題の反復練習が合格への鍵です。
第一種電気工事士の勉強時間は?

こちらでは、第一種電気工事士の勉強時間について解説していきます。
勉強時間は200~300時間ほど必要
第一種電気工事士の勉強時間について、個人差はありますが、合計で200〜300時間ほどかかります。第一種電気工事士の試験に合格するためには、学科と技能の両方に対応した計画的な学習が必要です。
学科試験では電気理論や法規、配線図など幅広い知識が求められ、技能試験では正確な施工技術が問われます。
独学でも合格できないことはありませんが、過去問の反復や公表問題の実技練習を継続することが重要です。
半年かけて勉強するのがおすすめ
第一種電気工事士の試験は出題範囲が広く、電気理論や法規、施工方法に加えて高圧設備の知識も求められるため、短期間での詰め込み学習では対応が難しいとされています。
特に初学者の場合、理解と定着に時間がかかるため、余裕を持って半年ほどかけて計画的に学習を進めるのが効果的です。
1日1〜2時間の学習を継続すれば、半年で200〜300時間の勉強時間を確保でき、学科と技能の両方に対応できます。
早めに基礎を固め、後半は過去問や実技練習に集中することで、合格の可能性が高まります。
第一種電気工事士の勉強のコツ

こちらでは、第一種電気工事士の勉強のコツについて解説していきます。
学科試験のコツ:過去問題を徹底的にやり込む
第一種電気工事士試験の過去問題は、「一般財団法人・電気技術者試験センター」のホームページで公開されています。
出典:第一種電気工事士試験の問題と解答|一般財団法人 電気技術者試験センター
2025年10月現在、2009年の過去問題まで観覧可能で、学科試験・技能試験ともにPDFで確認することができます。パソコンやスマホから閲覧できますし、プリントアウトして実際に問題を解いてみるのがおすすめです。
直近3回の過去問題をやり込むだけでも、傾向と対策が分かってくると思います。解答も確認できるので、過去問題を徹底的にやり込んで、問題の傾向や自分の苦手なところを把握してください。
技能試験のコツ
第一種電気工事士の技能試験において、正確な作業を制限時間内に完成させることは非常に重要です。
特に電気の経験が浅い方は、合格を目指すためにも、早めに練習を開始し、必要な材料や工具を十分に揃えることが大切です。
時間短縮のための具体的なコツとして、第二種電気工事士試験で有効な技術(第一種でも活用可能)を取り入れましょう。
また、コンセントや端子台などへの接続作業では、ストリップゲージを計る時間を削減するため、電線の絶縁被覆を長めに剥いた後、ペンチで心線(銅線)を切断して規定の長さに揃えるテクニックが推奨されます。
高圧絶縁電線(KIP)の被覆剥ぎ取りは、電工ナイフで机の上を転がしながら剥く方法が、ストリッパー使用時よりも切り口をきれいに仕上げやすく、時間効率が良いとの見解もあります。
なお、「電動工具」は試験では使用できませんので、試験当日に持参しないように十分注意をしてください。

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まとめ
第一種電気工事士の合格率は、学科試験の合格率は50〜60%、学科試験を通過して技能試験に合格するのは60%前後とされ第二種電気工事士よりもやや難易度が高めとなります。
学科・技能の両試験を突破するには、計画的な学習と実技練習が欠かせません。試験センターが公表する年度別データや出題傾向を参考に、早めの準備を心がけることで、合格への道が開けます。




