「働く環境が変わりつつある今、未経験でも多くのチャンスがある」電気工事業に特化した採用サポート会社の代表に聞いた採用トレンド

更新日:2026.02.05投稿日:2026.02.06

採用トレンド

「文系でもチャレンジできるの?」「異業種からの転職は可能ですか?」
電気工事業に興味はあっても「自分には少しハードルが高いかも…」と思っている方も少なくはないかもしれません。しかし、電気工事業に特化した採用サポート業をしている株式会社マークテックの杉山さまは、「電気工事業界は変わりつつあり、未経験者の採用も進んでいますよ!」と言います。
本記事では、電気業界における今の採用のトレンド、どんな人が電気工事業に向いているのかなど、気になる転職事情について杉山さまにお話を伺いました。

どの産業も電気がないと成り立たない。電気業界の重要性に気づいて起業

――杉山様のご経歴について教えていただけますか。

私は東証プライム上場のコンサルティング会社で、中小企業の建設業や製造業、産業廃棄物業などを中心に経営サポートを行ってきました。そこで培ってきた知識と経験をもとに2020年の1月に独立。もっとも関わりが多かった電気工事業界の経営サポートを行う事業を柱として2022年7月に法人化しました。

私自身は電気工事士でもなく、電気業界で働いた経験もありませんが、前職で建設業や製造業、そのほかの業種の方たちとの対話を通し、「そもそも電気がなければ何もできない」ことを痛感するとともに、電気業界における慢性的な人手不足を始めとしたさまざまな課題に危機感を感じ、電気業界の課題解決を目指して会社を立ち上げました。電気は誰にとっても必要不可欠なインフラです。電気を作る人、守る人がいなければ、人々の生活そのものが成り立ちませんし、電気の仕事といってもかなり領域は広いですから、電気工事業に絞ってサポートしようと考えたのです。

――マークテック様の事業について簡単にお教えください。

マークテック社の事業構造

現在は電気工事会社様の採用サポートに入らせていただくことが多いですが、もともと経営全般についてのご相談を受けておりましたので、採用後の人材育成や評価制度の構築等にも携わってきました。また、仕事を依頼したい人と仕事を受けたい人をマッチングする「電工広場」や電気工事の求人情報や各企業の最新情報が取得できる「電工しごとセンター」といったプラットフォームも運用しています。いずれも電気工事業界に特化したサービスです。

人材を採用したい企業様と転職したい求職者様とを結びつける一般的な人材紹介や求人媒体とは異なり、私たちは企業様に対して採用に関するさまざまなフォローを行っております。具体的に述べると、現在の状況を把握したうえで、採用すべき人数をご提案したり、各会社様の強みや魅力を言語化したり、ハローワークを中心とした市場の調査を行い、電気工事業の平均給与額などを調べたり、Instagramや公式LINEアカウントを作って運用のサポートをしたりすることもありますね。また、最近は企業様の方で中々採用活動に時間を割くことが出来ないことも多く、メールの対応や面談、面接設定、入社前後のフォロー等、選考周りの対応をフルサポートできるのも弊社の強みです。求職者の方々の選考だけはどうしても企業の皆様に進めていただくことになりますが、それ以外のところでお互いの魅力が伝えられる機会が無くならないようにサポートしています。

文系出身からスポーツ系、舞台関連の裏方まで…。異業種からも飛び込みOK!

――電気工事業に特化した採用サポート業務を通して、どんな方が電気工事業に向いていらっしゃると感じましたか。

電気工事会社で働く方の多くは、「建物に灯りがついた瞬間、ここまで自分でやり遂げたんだなあと、安堵感や達成感を感じる」とおっしゃいます。その根底にあるのは、ものづくりへの情熱や、コツコツと仕事に取り組んで成果が形になったことに対する強い思いです。そのため、ものづくりが好きな方や自分の仕事に達成感を感じる方は向いている傾向にあると思いますね。また、いろんな職人さんたちと連携しながらお仕事をしますので、コミュニケーション能力が高い方も楽しく取り組めると思いますし、安全面という観点では丁寧にお仕事ができる人もフィットしますね。

――ちなみに…文系の方でもチャレンジできますか?

これまで、文系出身者で理数系が苦手という方、営業、消防士、スポーツ関係、舞台系で裏方をされてきた方など、本当に幅広い方たちが未経験から入社し、各々の企業で活躍している姿を多く目にしてきました。

私どもが支援している企業様の中には、経済学部出身の男性で奥様が電気工事会社の家系だったため、未経験で代表を務めているというケースも。その会社では、文系や未経験など関係なく採用されていますし、入社した方は長く務めてらっしゃいますよ。

転職に関するイメージ

――そんなにいろんな職種の方が転職されているんですね!意外でした。なお、電気工事士として働くには資格が必要かと思いますが、資格がなくてもエントリーはできるのでしょうか。

電気を安全に扱うためには知識が必要ですので、実際に仕事をするとなると資格が欠かせません。ただ、近年は電気工事業界の有効求人倍率が高くなっており、経験者だけに絞ると採用が困難になってしまうため、入社後の資格取得支援金やサポート体制を整えて未経験者を受け入れる企業が増えているんです。それに資格取得後には、給与と別で資格手当が上乗せされるケースが増えてきています。資格手当には、資格取得に関する支援金、資格取得のお祝い金、資格所持者が継続的にもらえる資格手当等、大体3つのパターンがありますので、どんな手当があるのか事前に確認しておきましょう。

また、私たちが支援している企業様では、入社前後のギャップをなくすためにカジュアル面談を面接の前に組ませていただいております。「ちょっと話を聞いてみたいな」という温度感でも気軽にご参加いただけますし、面接とは違って砕けた場ですので、会社の雰囲気や気になることが聞きやすくなっているんです。私たちもこのような場を設けることで、入社後のミスマッチや離職低下につながると考えていますし、業界未経験の方であれば尚更、この“擦り合わせる時間”が非常に重要です。ちゃんと理解し、納得いただければ、やりがいを持って長く活躍していただけるはずですから。

AI時代のいまだからこそ、電気工事業界は社会的意義を感じる仕事になる

――意外と「こんな方にも向いていそう」というケースはありますか。

建設業、土木業など、仕事を通して間接的に電気と接点を持っていた方は意外とマッチするかもしれません。それに加え、ゲームやスポーツなど、一つでも好きなことがあって、それを続けている方は、電気工事業界へ転職しても長期的に活躍されている印象です。

未経験で入社された方の中に、海外旅行が趣味で、定期的にいろんな国へ訪れては自分の価値観をアップデートするのが好きな20代の男性がいました。もともとハウスメーカーで営業職をしていたそうですが、仕事を通して電気の大切さに気づいたのだとか。また、カフェ巡りとお酒が好きな29歳の女性で、元介護職だった方が転職して施工管理者になったケースもあります。どんな仕事もそうですが、大変だと感じる局面にあっても、何か“これ!”という好きなものがあると、仕事へのモチベーションが維持できるのかもしれませんね。

職種という観点では、元営業職の方も電気工事業への転職後に長くお勤めされるケースが多く、直近でも直接営業の方やテレアポをしていた方が数名採用されていました。お客様とのコミュニケーションも大事なお仕事でもありますから、営業職を経験された方はその点においてご自身のスキルや強みを発揮しやすいため、採用に至っているのかもしれません。

――女性の求職者も増えていますか?

そうですね。男性に比べればまだ少ないですが、増えてきているように感じます。女性用の更衣室やトイレの設置、サニタリー系の研修などを取り入れ、女性が働きやすい環境づくりを意識した企業様も増えていますし、女性が活躍できる現場もたくさんありますから、今後さらに増えていくと予想しています。

電気工事士として働くイメージ

――そのように、環境が変わりつつある電気工事業界で働くことで、将来的にはどのようなメリットがあるとお考えになりますか。

手に職がつきますし、電気という誰もが必要なインフラに携わることができるのは大きなメリットかと思います。近年はAI などのデジタルテクノロジーがどんどん普及していますが、完全に置き換わる可能性がないとは言えないものの、電気工事業は最後の最後まで人の手が必要となる、つまり替えがきかない業界です。

過去には、ネガティブな3K(きつい・汚い・危険)のイメージでくくられることもありましたが、今の時代は新3K(給与が良い・休暇が取れる・希望を持てる)を国が提唱しており、可能性に満ちた業界です。冒頭にも申しましたが、どの業界で仕事をするにしても、そもそも電気がなければ誰も何もできません。それだけ、社会的に意義のある仕事なのです。

家にいても、会社にいても、私たちは当たり前のように電気を使っていますが、安全に使えるということは、これまで電気に関わる職人さんたちが丁寧に積み重ねてきたものがあるからなんです。

どんなに時代が変わろうとも電気工事士は輝き続ける

――変化が目まぐるしい今の時代において、今後の電気工事業はどうなると思われますか。

今後も更に必要とされる業界になると思います。脱炭素化やIoTやAIなど、社会課題の解決や最新テクノロジーにはこれまで以上に電気が必要とされます。未来を今より良いものにするには、いずれも電気が関わるものですので、今以上に存在感を放ち、食い込んでいける業種になると考えています。多くの企業様が働き方や制度を変えている最中で、一人ひとりの電気工事業従事者が自分らしく働けるような基盤が整いつつあります。電気工事業界はより必要とされて、より働きやすい仕事のひとつへと向かっているのです。

――震災や台風など、日本は特に自然災害が多く発生します。停電からの復旧作業を通して、改めて電気の重要性を実感する方も多いと思います。

弊社には、東日本大震災を経験した社員がいるのですが、ご実家が被害のあった岩手で旅館を営んでおり、災害時に記者さんやメディアの方が泊まりに来たといいます。全てのインフラが遮断された中、館内では火鉢や炭など使えるものを使って、営業していたそうです。そこで、「電気は情報を持ってくるものでもある。万能で実はすごくかっこいいものなんだ」と感じたと言っていました。

たとえば、暗い中でポッと暖かい灯りを見つけたとき、なんだか安心しますよね。それに、夜景を見ると、美しく輝く街の灯りに心が奪われる。電気は生活の一部というだけでなく、心に癒しや安堵感、メリハリ、情報、そして感動を与えてくれるものでもあるんです。こんなに人の心を動かしたり、人を助けたり、未来を作ったりすることができるのは電気以外にありません。誰もが必要とする電気を安全に提供することで人々の生活を支えている。そこに携わることができるのは本当に素晴らしいことなのです。

――最後に、これから電気工事業へチャレンジする方へアドバイスをお願いします。

今、本当に多くの企業様がより働きやすくなる環境や制度を作るために奔走しています。ですから、電気工事業の仕事内容、1日の流れについて情報を集めつつ、「ちょっとでも気になるな」という方はまず、カジュアル面談にエントリーするのはいかがでしょうか。本やネット上の情報も重要ですが、とくに未経験の方は不安や心配事も多いと思いますので、直接担当者さんと対話した方が短時間で理解が一気に深まると思います。

経験者はもちろんですが、未経験者を受け入れている企業も多く、未経験者の教育に注力するのが最近のトレンドにもなっています。過去の経歴も大事ですが、今の意欲を見て採用される企業様も増えていますので、少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

プロフィール

株式会社マークテック

代表取締役 杉山 朋之さん

埼玉県深谷市出身。大手コンサルティング会社で建設業、製造業、産業廃棄物業などの中小企業を中心に経営サポートを行ったのち、2020年1月に独立。電気工事業界に絞った経営サポートを行う中で、2022年7月に法人化。

誰にとっても必要なインフラである“電気”に焦点を当て、その“電気”に携わる多くの課題解決を目指している。プライベートでは4歳になる娘と1歳になる息子のパパ。

企業公式ホームページ:https://mark-tech.jp/

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