現場レポート
電気工学への学びにもっとワクワクを…!パワーアカデミーが「電気工学教材企画コンテスト」を通して伝えたいこと
電気や磁気、電磁波などのエネルギーを社会へ役立つかたちに変えて使用する「電気工学」。電気工学は私たちの身近な便利さを根本から支える学問であり、まだまだ可能性に満ちています。その面白さを若い人たちに伝えるため、「パワーアカデミー」によって、さまざまなイベントが開催されています。
「パワーアカデミー」とは、大学や高等専門学校(高専)での電気工学系学科が、研究や教育の両面で電力、電機業界をはじめ、日本の産業界を支える重要なものであるという考えから、電気工学の維持と発展を目的に産学連携で立ち上げられた団体で、電気工学のイベントをはじめ、研究助成や各種広報活動なども行っています。
そのパワーアカデミーが主催する「電気工学教材企画コンテスト」の表彰式が3月中旬に開催されました。本記事ではパワーアカデミー「電気工学教材企画コンテスト」担当者(パワーアカデミー事務局 宍戸副長)にコンテスト立ち上げに関する思いやコンテストを通して伝えたいことを伺いました。
※メイン画像は「電気工学教材企画コンテスト」表彰式(電気学会全国大会)のパワーアカデミーブースでの様子
学ぶ喜び、伝える力。「電気工学教材企画」を通して伝えたいこととは
――パワーアカデミーで「電気工学教材企画コンテスト」を立ち上げたきっかけについてお聞かせください。
パワーアカデミーが主催している「電気工学教材企画コンテスト」は、大学生・高専生が中学生向けの電気工学教材を企画する取り組みで、2018年より実施しています。電気は社会に不可欠な技術でありながら、仕組みが見えにくく、面白さが伝わりにくいのが課題です。本コンテストでは、中学生に電気工学の面白さに気付いてもらえるような教材企画(アイデア)を募り、学びのきっかけづくりにつなげたいと考えています。
応募する学生のみなさまには、ただ良いアイデアを競うことだけではなく、自分の視点・着眼点でテーマに向き合い、教材企画を考え、作成や成果の活用を検討していくプロセスそのものを通じて、「電気工学の魅力」や「学ぶ楽しさ」を自分の中に落とし込んでいくことを大きな目的にしております。教材の企画を通して「誰に・何を・どう伝えるか」を設計する経験は、将来の仕事にも直結する力になります。伝えたい内容を相手目線で工夫し、企画としてまとめていく過程は、研究開発や企画・設計など幅広い場面で求められるコミュニケーション力や課題解決力を養う貴重な機会になれば嬉しいですね。

――コンテストは「中学生に電気の魅力を伝えよう」というテーマが掲げられていますが、中学生向けとしている理由はなんでしょう。
本コンテストは、次世代を担う中学生が電気工学に触れるきっかけ(入口)をつくることを重視しています。中学生の時期は、理科を「将来につながる学び」として興味を持てるかどうか、分岐点となるタイミングです。電気はスマートフォン、交通、家電など、身近なところで社会を支えていますが、便利で当たり前すぎるがゆえに、その仕組みや技術の奥深さを考える機会は多くありません。
だからこそ、体験を通じて電気の面白さに触れる“入口”を用意することが重要だと考えました。応募いただいた教材が、中学生にとって電気工学を身近なものにし、将来の学びや進路の選択肢の一つとして電気工学を捉えていただけるようになればと思います。
電気工学への興味の入り口をつくるために必要なこと
――近年、理系離れが進んでいます。どのようにすれば電気工学の道へ進む人が増えると思われますか。
電気工学に進む人を増やすためには、大きく2つが重要だと考えています。
1つは「面白さに出会う入口」を増やすことです。電気は社会の土台を支えていますが、身近すぎて仕組みを意識する機会が少なく、学ぶ動機につながりにくい面があります。
ですので、生活の中の電気(電池、発電、家電、通信、モーターなど)を題材に、手を動かして確かめられる教材や探究活動を増やしていくことで、「分かる」「できる」という成功体験と、「もっと知りたい」という好奇心をもってもらえるのではと考えています。
2つ目は「学んだ先の姿を見える化すること」です。電気工学は、エネルギーをはじめ、製品開発、鉄道・自動車、情報通信、半導体・電子デバイス、建築設備、制御、データ活用など、キャリアの選択肢が非常に広がる分野です。どのような仕事があり、どのような力が求められ、どのような社会貢献につながるのか、具体的な内容が理解できる機会が増えることで、「自分の興味は電気工学につながるかもしれない」と思う学生が増える気がします。
本コンテストも、学生自身が“人に伝わる形”を考え抜く中で、電気工学の面白さを再発見し、次の学びや進路につなげてもらうことを強く意識しています。なお、パワーアカデミーのホームページでは、電気工学を学び、社会で活躍している方々の声(社会人インタビュー)も紹介していますので、参考としてぜひご覧ください!
※下記の画像をクリックするとサイトへ移動します。

――コンテストの応募者や受賞者に、今後電気業界でどのような活躍を期待していますか。
電力分野だけをとっても、再生可能エネルギーの導入拡大や系統運用の高度化、デジタル技術の活用など、現在の技術課題は非常に複雑化しています。その中で活躍する人材には、電気工学の基礎に加えて、現場・データ・社会のニーズをつなぎ、関係者と協働して解決までやり切る力が求められます。
本コンテストでの「中学生に伝わるように工夫し、教材として仕上げる」プロセスは、まさに技術をユーザーや社会に“届ける”実体験そのものです。応募者・受賞者の皆さんには、専門性を磨きつつ、分かりやすく説明し合意形成を図る力を武器として、変化の大きい電気工学分野でチャレンジングに活躍されることを期待しています。
まとめ
電気は姿かたちが目に見えないものであるため、なかなか理解が進まないという人もいるかもしれません。しかし、学びを得ることで、知識や自分ができることが大幅に増え、人生の選択肢を豊かにしてくれるものでもあります。その糸口になればとの思いで、このような「電気工学教材企画コンテスト」が誕生したほか、交流会や情報発信を積極的に行っているパワーアカデミーのホームーページには、多種多様なコンテンツが多く掲載されています。ぜひ、覗いてみてください。あなたの電気工学へのワクワクの扉が開くかも…?しれません。
プロフィール / 取材協力
パワーアカデミー事務局
公式ホームページ:https://www.power-academy.jp/
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