プログラミングを学びゲーム制作に励む高校生!

プログラミングを学びゲーム制作に励む高校生!

プログラミングを使いこなしてアプリの制作やデータの分析をしている人ってかっこいいですよね。プログラミングを学んでみたいけど、難しそうだからと諦めてしまっている人も多いのではないでしょうか。 今回WattMagazine編集部は、藤沢工科高等学校の部活動でプログラミングを使いこなしてゲーム制作をおこなっている高校生に話を聞きにいきました。 高校生とプログラミングの出会いを一緒に見ていきましょう。


高校生がゲームをつくる!電気研究部

藤沢工科高等学校の「電気研究部」に所属する志野木快さん。

志野木さんは、Unityというゲームエンジンを使いゲームを制作するほか、Blenderを用いたCG作品の製作などをおこなっています。

電気研究部では、先輩後輩関係なく交じり合いチームとなって、和気あいあいと話し合いながら完成に向けて作業を進めているとのことです。

わからないところがあれば先輩や先生に相談して教えてもらいながら、さまざまな知識を身につけることができる環境で、切磋琢磨をしながら制作を行っています。

志野木さんはもともとゲームが好きで、中学生の時からゲーム制作に興味をもっていました。学校ホームページで電気研究部を見たときに、この部活なら自分を輝かせることができると思い入部を決めたとのこと。

初めはプログラミングの知識が浅く、右も左もわからない中、先輩たちから知識や技術を教わりながら取り組みました。メキメキと力を伸ばした志野木さんは2023年にBunri Creative Award最優秀賞を受賞しました。

※Bunri Creative Awardを受け取る電気研究部の部員

目指すは、デジタルコンテンツ開発の全国大会!

電気研究部は、毎年ゲーム大会に参加しています。
特に力を注いでいるのが「Unityユースクリエイターカップ」。この大会は、Unity主催で、高校生以下の若きプログラマたちがデジタルコンテンツ開発を競い合っています。過去には小学生が賞を獲得するなど、幅広い層が参加して盛り上がっている大会です。

志野木さんが初めてUnityユースクリエイターカップに参加したのは高校1年生。その時はプログラミングについて全くわからず先輩と連携しながら試行錯誤しゲームを作り上げました。

高校2年生のときのチームメンバーは3人だけでしたが、前の年に培った知識を活用し、見事一次審査を突破しました。夏休み中は時間を忘れて制作に没頭し、完成したゲームを提出する日は、不安と期待が入り混じったドキドキした気持ちになったそうです。

こうした大会の経験を通して、「自分で調べる力」「人に相談し解決策を共に考える力」「最後まであきらめない力」の3つの力が身についたと話します。

AIを使いこなすプログラミングスキル

志野木さんの作品制作において欠かせないのが、高度なプログラミングのスキルです。普段ゲーム制作をするとき、"Unity"と呼ばれるツールを活用しています。

※「コインを取ったらカウントされる」プログラム

Unity上にプログラムを組み、制作した3Dモデルをゲーム上でうまく挙動させることで、「コインを取ったらカウントされる」「敵が近づいてきて追いかけてくる」といったような、ゲームに求められる動きを構築することができます。

また、AIを活用したゲーム制作にも取り組んでいるといいます。
例えば、画面上の敵の動きにAIを設定し、プレイヤーを見つけたら最短距離を計算して追いかけてくるといったようなプログラムを設定することができます。AIを設定することでより高度で面白い内容のゲームを作ることが可能になるのです。

志野木さんは、高校入学後に一から勉強を始め、現在のスキルを身につけたそうです。

最初の頃は右も左も分からず、基礎的な部分から先輩に教えてもらったり、インターネットで用語を調べたりと、一つひとつ手探りで学習しました。最近ではYoutubeなどの動画や、プログラムに関する易しい解説記事など、無料で学べる便利なツールもあり、それらも活用しながら独学でゲームを作ってきたそうです。

※志野木さんが製作した、敵が追いかけてくるゲーム

「昔は思うようにゲームが動かず悔しい思いをしたこともあった」と語る志野木さん。
しかし、辛抱強く考え続けてトラブルを解決し、作品を完成させられたときの達成感は今でも忘れられないそうです。

また、時には机を離れて間をあけてから考え直すことで、思わぬアイデアが浮かんでくることもあったそうです。試行錯誤を重ねながら一歩一歩スキルを高めていったことが、今の活躍につながっています。

高校生プログラマが目指す未来とは

高校時代からプログラミング技術を活かして活躍している志野木さん。卒業後はスキルを活用できる分野で働くことが夢だそうです。特に興味があるのはアニメ制作会社。「進撃の巨人」「呪術廻戦」などを手がけるスタジオの「MAPPA」が憧れです。

最近のアニメでは炎の演出などCGを使用した表現が欠かせませんが、CGを動かす際に必要になるのがプログラミングです。映像関連を扱う専門学校でCGに関わるプログラミング技術を習得し、それを活かしてアニメ制作の第一線で働きたいと語っています。


最後に、志野木さんは初めての人にも、気軽にプログラミングを触れてみることを勧めています。

「プログラミングに苦手意識を感じてしまう人も多いと思いますが、周囲の人やインターネットを頼って諦めずに最後までやってみるという努力はきっと報われます。自分も正直心が折れそうな時もあったのですが、友達や先生に相談したり、粘り強くやってみたりして作品が完成したときの達成感は忘れられないので、ぜひ体験してみてほしいと思います」

志野木さん、そして電気研究部の皆さんの今後の活躍に期待しましょう。

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