電気業界の仕事とは?
ラインマンを支える、縁の下の力持ち!「工務部アシスタント」のお仕事とは

福井県に本社を置く西川電業株式会社は、送電線や配電線、通信線などの構築や保守、それらの基盤を作る土木工事を事業としている企業です。1950年1月の創立から今年で75年目の歴史ある企業ですが、女性躍進に力を注ぎ、社員が働きやすい組織づくりを構築しています。
本記事では、西川電業ならではの職種である「工務部アシスタント」として活躍中の橋本亜月さんに、お仕事内容から今後チャレンジしたいことなどを伺いました。
目次
ここで働きたい!と思った企業が電気業界だった
――橋本さんのお仕事について教えてください。
送電課の「工務部アシスタント」として、電気工事の現場で働く社員のサポートをしています。工事を行うために必要な書類作成やCADを使った図面作成といった、施工管理のサポート業務をはじめ、現場で作成した手書きの書類をPCへ入力したり、入札書類の作成と積算、契約関係書類を作成したりするのも私の業務です。従来、施工管理者が一人で担当していた業務を補佐役としてサポートしています。
――電気業界に進まれたきっかけは?
電気業界というよりも、入社を希望していた会社がたまたま電気関係の会社だったんです。私は商業高校出身で、在学中に総務や経理で活かせる日商簿記や電卓技能といった資格を取得しました。そのため、卒業後の進路は、これらの知識や資格を活かした職に就きたいと考えていたんです。
西川電業株式会社を知ったのは、高校生を対象に行われているサマー求人という就職説明会に参加したことがきっかけです。高校3年生になり、就職活動真っ只中で、いろんな企業を見学したり、話を聞いたりしてみましたが、建設業界で働いていた母が西川電業を知っていたこともあり、一緒に会社見学へ行くことにしたんです。担当者から仕事内容の具体的な説明を受けつつ、送電線の鉄塔に登ったり、高所作業車に乗って仕事したりしている社員さんの写真を見せていただいた時、「かっこいいと!!」と、その勇姿に一目惚れ。一緒に働きながら、彼らを近くでサポートしたいと強く思いました。
また、西川電業には他社にはない「工務部アシスタント」という職種があり、現場の人と密に仕事ができる点にも大きな魅力を感じました。ここなら自分が求めていた仕事ができると思ったんです。
働きやすい環境とモチベーションの維持ができる充実した福利厚生
――そのほか、福利厚生が充実していたことも決め手の一つになったと伺っています。
そうですね、いくつかポイントになった福利厚生があります。一つは制服の支給があること。普段着だと、毎日、何を着ていくか考える必要がありますが、自己負担もなく、仕事に集中できるのでありがたいですね。

もう一つは資格取得に関するサポートが徹底されていること。勉強用の教材や社内の講座、受験費用から合格祝い金まで、頑張れば頑張った分、ちゃんと評価をしてもらえるんです。また、現場作業員用に熱中症対策として、飲料水や空調服の支給があったり、休日に社用車(大型車)の貸出もあったり、従業員にとって「あると嬉しい」制度があります。
西川電業は全社的に若い社員が多いのですが、健康診断の結果に課題を感じています。そうした課題を解決するために、毎年期間限定で社員が気軽に飲むことができる長生き味噌汁を提供したり、女性特有のがん検診を受けるとお食事券が配布されたり、一人ひとりが自発的に自分の体と健康と向き合うきっかけを与えてくれる制度もあるんです。
このように、福利厚生が充実しているのは、従業員と社長との距離が近く、社員の要望を聞いてもらえる環境があるからだと思います。新社屋の女性トイレに設置された女優ライトも、女性社員の意見から採用されました。
――ワークライフバランスはとりやすいですか?
繁忙期をのぞくと土日は基本的に休みですし、年間休日は120日で今年度のお盆休みは9連休と、建設業としては多い方だと思います。私には同期が6人いるのですが、部署は異なってもみんな仲がいいんです。社員旅行も全員で参加しますし、同期たちと福利厚生の社用車を借りてお出かけすることもありますよ。

現場で働く人のサポートをするために数々の資格を取得!スキルアップで業務もスムーズになった
――2022年に第二種電気工事士の資格を取得されており、2024年には二級電気施工管理技士の資格を取得しています。業務で必要なため取得されたのでしょうか。
「工務部アシスタント」だからといって資格取得が求められているのではなく、全て自主的に取ったものです。
電気のことを全く知らない状態で入社しましたので、技術職の方から仕事を依頼された際、当初は何のことかわからず、都度、確認する必要がありました。しかし、そうなると相手の時間を奪うことになりますし、効率が落ちてしまう。確実にサポートするには電気の知識が必要だと思い、まずは第二種電気工事士の資格を取得。試験勉強を進めていくと、だんだん言葉の意味がわかるようになり、資格取得後は非常に仕事がしやすくなりましたね。また、第二種電気工事の資格があると、ちょっとした配線もできるので、日常生活でも役に立つんです。そういう意味でも非常に有意義だと思いました。ちなみに、今年は第一種電気工事士の資格を取得しようと考えています!

何もわからないままだと、適切なサポートができませんし、現場の方達にも頼ってもらうことができません。理解していてこそ、細かな要望に応えられますし、スムーズな意思疎通が行えると思うんです。スキルアップすれば依頼も増えますから、まだまだ知識を身につけていきたいと思っています。
――とはいえ、普段の業務もあると思うのですが、隙間時間で勉強をされているのでしょうか。
隙間時間や本来の業務が終わった後に事務所で残って勉強していると、資格を持っている社員が「ここはこうするといいよ」と声をかけてくれたり、丁寧に教えてくれたりします。資格保有者が多く、真面目で親切な方ばかりなので、自分にも喝がはいりますね。
仕事を通して、自分がいる意味を実感できる
――工務部アシスタントの仕事のやりがいはどんなところでしょう。
入社から7年目になりますが、「工務部アシスタント」という職種が設置されたのもちょうど同じ年。今では後輩も増え、教えられる立場になりました。一番嬉しいのは、現場管理を担当していた人の残業が大幅に減ったことです。私がいる意味を改めて実感しています。
私一人ですべてを担当したわけではありませんが、書類や計画書作成を通して現場に携わることでできる業務が増えましたし、工事が終わり、トラブルなどなく竣工したときに大きな達成感を感じます。現場の皆さんからから「ありがとう」と言われたり、頼ってもらえたりしているとき、この仕事を続けてきて本当に良かったなと思うんです。
――橋本さんは今後どのようなキャリアを積み上げていきたいですか。
私が今までしてきた仕事を後輩へシフトチェンジして、私はさらにスキルを上げながら、現場の人たちに近づき、より高度な補佐をしていきたい。図面を見て、流れを把握して、どんなフォローができるか。先回りして動くことで、現場がスムーズに運用できるように引き続きサポートしていきたいですね。
工務部アシスタントのお仕事はこちらの動画と記事でもご紹介しています★
プロフィール
橋本亜月(はしもとあづき)さん
工務部アシスタント。商業高校を卒業後、工務部アシスタントとして西川電業へ入社。2022年に第二種電気工事士、2024年に二級電気施工管理技士を取得。現在は第一種電気工事士の資格取得に向けて勉強中。
西川電業株式会社公式ウェブサイトはこちら

安定、安心、フォローも抜群! 女性管理職が明かす、仕事も家庭も両立できる電気主任技術者の働き方
多くの働く女性が直面する「家庭と仕事をどう両立するのか?」という問題。結婚、出産、育児に追われる中で、なかなか自分のキャリアを築けず断念する人も。そんなな…

入社5年目。社会の基盤を支えるこの仕事を誇りに日々、前進を続ける女性技術者が願う「これからの電気と、私と。」
2021年8月24日、東京パラリンピックが開催されました。その幕開けを彩る華やかな開会式で、パラ楽団によって演奏が奏でられるなか、リレー形式で次々に掲揚台…