電気業界へ転職ガイド
「希望に合う職場と出会うまで――職業紹介サービス利用者の声」
「60歳を過ぎた頃から、年齢にあった働き方をしたいと考えるようになったんです」そう語るのは、日本電気協会の職業紹介サービスを利用し、第二種電気主任技術者として新たな一歩を踏み出した橋本さん(仮名)です。過重労働から体調を崩した前職での経験を経て、再就職の場に選んだのはとあるメーカーの製造工場でした。数ある求人の中から、どのようにして今の職場に辿り着いたのでしょうか。ミスマッチを防ぐための仕事探しのコツ、職業紹介サービスを活用するメリットについて伺いました。
目次
「自分の年齢と体力にあった働き方がしたい」
――まずは、橋本さんが転職を考えるようになった経緯について教えてください。
「前の会社は60歳が定年でしたが、その後も65歳まで継続雇用される制度があり、そのまま雇用契約を結んで働いていました。しかし、後任者が育児休業に入ったことに加え、変電所の更新工事などの大規模プロジェクトが重なり、業務量が大幅に増加。しかし、60歳を過ぎて給与水準は現役時代より下がったものの、求められる責任や仕事の質は変わらない…。それでも懸命に働き続けていたのですが、次第に体力面への不安が大きくなり、最終的には体調を崩してしまったのです。
このままで働き続けることは難しい。残りの人生は健康を第一に働こうと思うようになり、年齢に見合った負担で、無理なく働ける環境を求めて転職を決意しました」

――現在の職場および前の職場ではどのような業務を担当されていたのでしょう。
「現在は専任の電気主任技術者として、工場の電気設備の点検を中心に担当していますが、前職では、設備更新計画の策定や予算作成、施設管理など、電気主任技術者以外の事務・管理業務まで幅広く担当していました。
もちろん、夏場の点検は厳しい暑さとの戦いになるため、体力は欠かせません。それでも業務量に無理がなく、自分のペースを考えながら仕事を進められるので、日々の業務にしっかり向き合うことができています。現場で実際に設備に触れ、自分の目で異常の有無を確認することが、私が本来やりたかった仕事です。設備の安全と安定稼働を支える責任を感じながら、技術者として大きなやりがいを持って働いています」
――転職先を探すうえで、どのような条件を重視していましたか。
「転職活動で重視していた条件の一つが、自宅から無理なく通勤できることでした。年齢を重ねるにつれ、遠方への通勤は想像以上に身体への負担が大きくなると感じていたためです。
もちろん、電気主任技術者として経験を生かせることも大切な条件でした。ビル管理やデータセンターの設備管理も選択肢として考えましたが、そうした職場では電気設備だけでなく、空調や給排水など幅広い設備を管理するケースが少なくありません。前職でも電気以外の設備管理を担当していましたが、その分、業務の幅と量が増え、電気主任技術者としての仕事に専念するのが難しいと感じていたんです。
また、知り合いからも、ビル管理はお客様やテナントへの対応など、設備管理以外で気を遣う場面が多いと聞いていました。しかし私は、受変電設備を管理する「需要家側」の電気主任技術者として、自社設備の保安管理に集中したかったんです」
現場のリアルがわかる。「設備・オフィス等見学会」がミスマッチを防ぐ!
――日本電気協会の職業紹介サービスは、どのようにお知りになったのでしょう。
「電気主任技術者として働いていた頃から、電気技術に関する書籍を読んだり、日本電気協会のホームページで情報収集をしたりすることが多くありました。その中で、日本電気協会の職業紹介サービスでは見学会を実施していることを知り、『こうしたサポートもあるんだ』と興味を持ったことを覚えています」

――その4年ほど前に、橋本さんは日本電気協会の職業紹介サービスを利用されたようですね。
「はい。実は、4年ほど前にも日本電気協会の職業紹介サービスを利用し、工場の見学会に参加したことがあったんです。実際に設備や職場環境を見学し、『ここで働きたい』と感じて、転職を前向きに検討していましたが、その直後に体調を崩し、転職をいったん断念することに…。後任への引き継ぎを終えたタイミングで、それまで張り詰めていた緊張の糸が切れのかもしれません。月70時間を超える残業が続くなど、体力的にも限界を迎えていたのだと思います。
療養を経て改めて自分の将来を考えたとき、『このまま同じ環境で働き続けるのではなく、新しい環境へ挑戦したい』という思いが強くなり、再び日本電気協会へ相談しました」
――以前の転職では一般的な転職エージェントを利用していたと伺っていますが、日本電気協会の職業紹介サービスとはどのような違いがありましたか。
「最も魅力を感じたのは、入職前に実際の設備を見学できることです。一般的な転職サービスでは、面接の際に設備について質問しても、『このくらいの容量の設備があります』と簡単な説明を受ける程度で、実際の設備や現場の雰囲気まで確認できる機会はありません。しかし、電気主任技術者にとって設備の新旧や保守状況は、日々の業務のしやすさを左右する重要なポイントです。
設備見学会は企業の担当者と話をしながら見て回るので、設備の状態だけでなく、職場の雰囲気や働く人の様子まで自分の目でしっかり確認できます。面接だけでは見えない部分が分かるため、入社後の姿がイメージしやすく、『ここなら働けそう』『この環境なら納得して働ける』と適切な判断ができるんです。入職後のミスマッチを防げることは、大きな安心感につながったと思います」
――担当者のサポートで印象に残っていることはありますか。
「前回も今回も担当してくださったのが小澤さんです。求職者だけでなく、求人企業に対しても常に公平な立場で向き合い、双方にとって良いマッチングを考えてくださるのでとても安心感があり、今回お問い合わせした際も、信頼して本音で相談することができました。 4年前に福島県の設備見学会をご一緒した際には、仕事の話はもちろん、お互いのこれまでの経歴やプライベートまで、いろいろとお話しました。
そうした何気ない会話を通じて信頼関係を築けたことも非常に印象に残っています。いつも私の立場に寄り添い、一つひとつ丁寧に対応してくださったので、『転職するなら、また小澤さんにお願いしたい』と、真っ先に小澤さんを思い浮かべました。それも日本電気協会の職業紹介サービスを再び利用した大きな理由です」

――今回の転職で重視した条件は、「電気主任技術者として選任されること」「自宅から通勤できること」に加え「工場で自社設備を管理できること」も重視されていたとか。
「工場には、生産ラインを安定して稼働させるために、自社で設備保全を担うメンテナンス部門があります。そのため、設備管理体制が整っていることも、工場で働く大きな魅力だと感じていたので、条件として欠かせませんでした。そして、これまでお話しした『電気主任技術者として専門性を生かせること』『職場環境を事前に確認できること』『設備保全体制が整った工場であること』という3点が決め手となり、最終的にご紹介いただいた現在の工場へ転職を決めたんです。
デメリットを述べるとすれば、通勤時間が以前より少し長くなったことでしょうか。ただ、その分、車通勤ではなくなり、運転による疲労やストレスがなくなったので、精神的な負担は以前より軽くなりました」
――現在の職場は前職とどのような違いがありますか。
「品質保証のレベルは非常に高いことです。世界共通の『標準的な規格』にもとづいて運用されており、日本より厳しい基準も採用されています。特に印象的なのが、「アークフラッシュ(電気アークによる爆発・熱傷事故)」に対する安全対策です。
日本では労働安全衛生法や電気設備技術基準に基づく安全対策が中心ですが、海外ではアークフラッシュによる災害リスクまで考慮した安全基準が設けられています。発生する確率は高くありませんが、ひとたび事故が起きれば重大災害につながる可能性があるため、防護服の着用なども規格で定められているんです。そういう点で、海外の安全思想や品質管理の考え方に触れられることは、とても興味深いことですし、この会社で働く魅力の一つですね」
資格はスタートライン。技術は現場で磨かれる
――業界全体で「電気主任技術者の不足」が叫ばれています。若い世代の電気主任技術者を増やすためには、どのようなことが必要だと思いますか。
「まず、強電分野を目指す若い人が減っていることが大きな要因だと思います。最近は理系や電気系の学生でも情報・通信分野へ進む人が増え、発電設備や受変電設備を扱う強電分野を志望する人は以前より少なくなっています。
もう一つの課題は、資格を取得しても実務経験を積む機会が十分ではないことです。資格があればすぐに一人前として活躍できるわけではありません。私自身も資格を取得した時、『資格と実務はまったく別物だ』と実感しました。現場では設備の状態を見極め、状況に応じて判断し、安全に作業を進める力が求められます。こうした力は、実際の現場で経験を重ねることでしか身に付かないのです。
前職では約3万kVAの受変電設備と40カ所のサブ変電所を管理していました。着任当初は実質一人で管理を任され、日常点検すら十分に行えない状況でした。その後は5~6名体制となり、設備点検は分担できるようになりましたが、更新計画や予算管理、保全計画などの管理業務は私が担当していました。こうした仕事は、現場で経験を積み重ねながら身に付けていくしかありません」

「また、一人前の技術者になるためには、設備トラブルへの対応を数多く経験することも重要です。トラブルはマニュアルどおりに解決できるものではなく、図面を確認し、原因を分析し、必要に応じて周囲へ相談しながら対応していく判断力が求められます。そうした経験を積み重ねることで、本当の意味での技術力が身に付くのです。だからこそ、人材育成には会社のフォロー体制が欠かせないと考えています。若手が主任技術者として活躍するためには、経験豊富な技術者のもとで実務経験を積み、段階的に仕事を任せながら成長を支えていく環境が重要です。
前職でも東日本大震災が発生した2011年頃までは、後継者を計画的に育成する体制が十分とは言えませんでした。技術者の年齢構成を見れば、10年後、15年後に誰が不足するかはある程度予測できます。それにもかかわらず育成を後回しにしてしまうと、最終的に困るのは会社自身です。
さらに、多くの製造業では生産ラインを止めないことが最優先となるため、設備保全部門も生産設備の対応が優先され、受変電設備は『電気があって当たり前』という存在になりがちです。しかし、その当たり前を支えているのが受変電設備であり、電気主任技術者です。設備を正常な状態に維持し、万が一のトラブルにも対応できる技術者を育てることは、会社の安定した事業運営に直結します。だからこそ、人材育成は目先の課題ではなく、長期的な視点で継続して取り組むべきだと思います」
――資格試験で学ぶ知識は、現場でも役立つのでしょうか。
「もちろんです。私自身、第二種電気主任技術者の試験勉強には本当に苦労しましたが、設備トラブルが発生した際、『この現象は理論的にこう説明できる。だから原因はここにあるはずだ』と冷静に考えられた場面が何度もありました。試験勉強で身に付けた知識は、必ず現場で役立つと実感しています。
電気主任技術者は、設備全体の保安を管理し、安全かつ安定した運用を維持する役割を担います。そのため、試験では知識を暗記するだけではなく、電気理論や法令を正しく理解し、状況に応じて考え、判断する力が求められます。
そして、その理論を現場での経験と結び付けることで、初めて実践的な技術として生かせるようになります。資格で得た知識と現場経験、その両方がそろって初めて、一人前の電気主任技術者になれるのだと思います」
転職で成功するために、無料の職業紹介サービスを活用しよう
――最後に、日本電気協会の職業紹介サービスの利用を検討されている方、転職を検討中の方へメッセージをお願いします。
「どんな会社にも長所と課題があります。だからこそ、自分が何を大切にしたいのか、どこまでなら受け入れられるかを整理したうえで転職活動を進めることが大切です。
そういう意味でも、実際に現場を見学できる日本電気協会の職業紹介サービスは非常に心強い存在でした。担当者が最後まで寄り添ってくださるし、設備の状況や職場の雰囲気を自分の目で確認できるため、“ここで働く”イメージを具体的に掴めますし、入職後のミスマッチもありません。経験豊富な担当者様ばかりですから、安心感が違うんです。転職について不安を感じている人にこそ使っていただきたいですし、資格だけ持っているけど…という人も、必ずご自身の進むべき道を照らしていただけると思いますよ」
日本電気協会の職業紹介サービスが気になった方はこちら


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