現場レポート
「堅い印象だったけど本当は…」入社後に分かった電気業界のあれこれ。~全国の電気保安協会職員のリアルな声を聞いてみた!~
社会に必要不可欠な重大インフラである電気。その電気を誰もが安全・安心に利用できるように支えているのが電気業界で働く人たちです。昨年に引き続き、2026年も全国の電気保安協会の若手職員に集まっていただき、座談会を開催。実際に入社前後でどんなギャップがあったのか、働く中で気づいたことや会社の魅力をざっくばらんに話していただきました。
「どんな人が働いているんだろう」「電気業界って少しカタイ印象だけど、実際はどうなの?」電気業界に興味がある人、これから就職活動を始める人、多くの方に電気業界で働く人たちの“リアル”な声をお届けします。
目次
電気業界へ入る前後で感じたギャップとは
今回は全国にある電気保安協会から広報・企画・総務部所属の職員さん9名に参加していただきました。そもそも、何をきっかけに電気保安協会へ入社したのでしょうか。参加者のほとんどは、学生向けの就職情報サイトへの登録し、そこから企業の情報を調べたり、説明会に参加したりするなどしてエントリーに進んでいるそう。なお、電気業界を選んだ主な理由は、「安定しているから」「景気に左右されないから」。
そんな社会にとって最重要なインフラを守っている電気業界ですが、社会貢献度が高く安定したイメージがある一方で、世間では「堅い」「縁の下の力持ちというイメージ」が根強くあります。
◆参加者のみなさんは、実際に入社してどのような印象を受けたのでしょうか。
・入社前の印象は「堅い業界」。専門知識が必要で、頭の良い人がたくさんいるイメージが強かった。実際は知識に加え、状況に合わせた判断や柔軟な対応など、現場での経験が非常に大切だった。職人気質だが柔軟な方が多くいたのも良いギャップ。
・スマート保安など、最新技術を取り入れる革新的なところに意外性を感じた。
・入社前は“裏方として社会を支える仕事”という印象が強く、お客さまと関わる機会は少ないと考えていたが、実際には対面で会話する機会も多く、コミュニケーション力が求められた。
・電気保安は想像以上に多くの現場に関与しており、電気主任技術者の重要性ややりがいに気付くことができた。
・電気を生み出す分野、電気を動力源として生み出す分野、電気を管理する分野など、電気業界といっても多種多様な分野があり、仕事の幅が広くて面白いという気付きがあった。

良い意味でのギャップ、気づきがあったという声がちらほら。このほかにも、電気保安協会で働くなかで、人によってさまざまな“良い”変化を感じたり、新たに気づいたりすることがあったようで…。
◆入社前と後で、「実際はこうだった!」というギャップはありましたか?
・国家資格を活かして長く働くことが出来たり、AIでは代用がきかない専門性の高さがあったり、漠然と「安定している」イメージから、良い意味で想像以上に安定して働くことができると感じた。
・「安定=楽」ではなく、「安定=責任」。普段の生活でも電気に関するものに興味を持つようになり、電気の危険性や安全面について注意深く考えるようになった。
・専門知識を深めれば現場でも対応できると考えていたが、設備の状況や現場ごとで判断が異なるなど、経験値も同じくらい重要だと感じた。とにかく学びが多い。
実際に働くことで、電気の重要性がより身近になり、電気を守ることに対する意識が強くなっていくのかもしれませんね。

社会全体を支えていると実感するのはこんなとき!
社会の基盤として、人々の安全かつ安定した生活を下支えしている電気業界。社会貢献度が非常に高いお仕事ですが、お仕事を通して「社会の役に立っている」ことを実感することも多いと言います。
◆生活になくてはならない電気ですが、電気保安業務が世の中で貢献しているなと実感していますか?
・目立つ仕事ではないが、問題が起きない状態を守ることが社会貢献そのものであり、お客さま設備の点検や設備更新などのアドバイスを通じて事故を未然に防ぎ、お客さまの安全を支えていると自負している。
・電気は私たちの日常に欠かせないライフラインであり、その安全や安心を守ることは、地域の暮らしや活動を支えることに直結しているため、電気保安業務は間違いなく世の中に貢献していると思う。
・技術職ではないが、仕事を通して「お客さまに安全を届ける土台」になっていることを日々実感している。
・旅行先でキュービクルを探す癖がつき(笑)、私たちの会社が保守点検していることがわかると、「観光客の方がこの場を満喫できていることに私たちの一助があるのだ」と感じ、誇らしい気持ちになる。
・日々の点検やトラブル対応、電気安全の啓発活動を通じて社会に貢献している。
・保安管理業務での点検により事故を未然に防ぐことで、お客さまの事業継続を支えている。また、故障対応(停電復旧や漏電個所特定等)でお客さまから感謝の言葉をいただくことがあり、これらが仕事のモチベーションにもつながっている。
・お客さまから電気に関する質問を受けるときに、組織として世の中に貢献していると感じる。
・2025年に保安協会が大阪・関西万博に関わった際は、あらためて社会へ貢献していることを実感した。
日々のお仕事で、自然災害時の復旧作業で、プライベートでお出かけした時になど、あらゆるシーンで自分の業務が社会に貢献していることを感じているとのこと。電気が生活の一部であることが改めて伝わりました。
電気業界でも、働き方を自分で選べる時代になっている…?
【注】勤務制度や採用人数等は、それぞれの保安協会ごとに異なります。
◆実際に各電気保安協会ではどんな働き方や制度が整っているのでしょうか。
・テレワークや時差勤務など、柔軟な働き方ができて休暇も取得しやすい。
・電験三種の資格取得に向けたサポートが手厚く、試験勉強に集中できる環境が整っていることも大きな魅力。
・協会を挙げて電験三種の未取得者を支援している。研修やサポート体制を整え、入会から5カ月の大半を講義や勉強にあてている。
・大卒者の採用活動において他社との差別化や採用者の増加に繋げることを目的に、今年度より「奨学金返還支援制度」が導入された(北陸・東北)。
・男性職員も積極的に育休を取得している。

福利厚生の中でも「育休」の取得率が高いそうで、長い方は男性でも1年(事務職)の育休を取得しているのだとか。営業所の係長や技術職でも育休が取得できるようにチームのフォロー体制がバッチリ整っているため、女性も男性も関係なく産休育休の休みが取りやすいと言います。育休後は時短勤務や勤務時間の調整も可能です。
新たなテクノロジーの活用やライフスタイルに合わせた働きやすい環境づくりなど、時代に合わせて進化する電気保安協会所属のみなさんです。
◆「電気保安協会のここがおすすめ!」というポイントについてさらに深掘りして聞いてみました。
・毎年定期採用者が100名以上入社しており、ベテランから若手まで幅広い年齢層の職員が電気技術の継承を行える環境がある。
・能登地震の際には、全事業所から応援要員を派遣し、国や自治体および電力会社や電気工事業者と連携しながら電気の安全確保と早期復旧に努めた。技術力だけではなく、使命と責任をもって地域の電力インフラを支えていることが実感できるのはこの仕事ならではだと思う。
・スキルアップやキャリア形成のチャンスも十分にある。職員同士の雰囲気が良く、困ったときにはサポートし合える文化が根付いているのもいい。
・テクノピック(競技大会)を通じて、互いに切磋琢磨しながら技術を高めることができる。
・保安協会は電気設備保守・管理の技術がトップレベル。技術を学びたい人にはぜひともおすすめ。
・歴史の長い保安協会だからこそ、経験豊富な方々から様々な事例や技術を聞くことができるのがいい。

また、真面目で職人気質な方が多い印象のある電気保安業界ですが、実は活動的で個性豊かな方も多いのだとか。
◆うちの協会はこんな人がいます!こんなことあります!を教えてください。
・技術者集団でこだわりが強い方ばかりかと思っていたが、実際はアットホームでとても働きやすい。
・職場の雰囲気は和やか。しっかり休んでしっかり仕事。オンオフがしっかりしている。
・働いている人は優しく、ユーモアがあり、本当に多才な方が多い。
・現役でバンド活動をしている人や、絵画展で入賞した人、演劇で活躍されている人、後輩にはバドミントンやスキージャンプで優秀な成績を収めた人、仕事もプライベートも楽しんでいる人が多いかも。
・社会人のe-スポーツリーグ「AFTER 6LEAGUE」APEX LEGENDS部門に参加して、2023年度は準優勝するなど好成績を収めています。(関東)
・電験1種や電験2種を取得する方もいる。協会へ入社後にスキルアップのために取得された方が多く、そのほかたくさんの資格取得者が在籍している。
・知識・経験に裏付けられた判断力が自慢。設備の状態を一見しただけでポイントを押さえ、リスクを素早く見抜くなど、お客さまの設備や業務運営を止めないために、どうすれば最善の対応になるかを常に考えて行動している人ばかり。
プロフェッショナルでありつつも、趣味にも全力、活動的な方も多いとのこと。電気保安協会内はおもに技術職と事務職と分かれますが、仕事をするうえで両者の連携は欠かせません。
◆普段はどのようにコミュニケーションをとっているのでしょう。
・技術系の職場なので「職人気質な方が多いのではないか」と思っていたが、実際には話しやすい方ばかりで、部署を越えて相談や協力をしやすい職場風土があった。
・若手〜年配まで話をする機会があるし、わからないことも親身になって教えてもらえるので安心。
技術職と事務職がバランスよく交流できる風土があるようですね。業務外でも、サッカー大会や野球大会、フットサルやリレーマラソンなど、協会全体や有志によるイベントが開催され、職員同士が交流できる機会も充実しているのだとか。チームワークが強固な理由はここにあり!ですね。
女性躍進の後押し、そして誰もが自分らしく働ける環境をつくっていきたい
最後に今回ご参加いただいた皆さんに、それぞれの保安協会で働くなかで今後チャレンジしたいことについて伺いました。
◆みなさんが今後チャレンジしたいことを教えてください。
・スキルを身につけ、今後何かのスペシャリストを目指したい。
・今後現場でさらに技術力を磨き、この人に聞けば間違いない!と思われる、確かな知識と技術力を備えた技術者になりたい。
・広報業務の面白さを伝えて、人気・魅力のある業務にしていきたい。
・ロールモデルとなり、後輩に背中を見せていきたい。
・技術者の資格がいらない業務である事務・労務においても今後を見据えて保安管理、建設の知識を身につけて、お客さまに新たな提案ができるようになりたい。
・社内報の制作で現場に行くことがあるが、もっと現場視点に立ち、多角的に物事が捉えられるようになりたい。
・後輩の指導をしっかりできる先輩になりたい。事務系他部署の業務も身につけていきたい。
・営業、労務、広報を担当し、それぞれの業務効率を考えてきたが、他部署に行っても皆さんが働きやすくなるような仕組みを作っていけるといいと思う。
日々、真摯に自身の業務と向き合い、スキルアップを目指している職員のみなさん。チャンスがあれば、女性管理職を目指したいという声も。話を伺いながら、数年後、数十年後、みなさんが先輩としていろんな人が働きやすい環境、制度を作り、活躍している姿が目に浮かびました。
まとめ
今後ますます社会に必要不可欠な電気を守る電気業界では、年齢・性別に関係なく、誰もが長く、安定して働けるように福利厚生や働き方の制度が大きく変化を遂げています。多くを学びたい人、どんなことにもチャレンジしたい人、仕事を通して社会貢献していることを実感したい人、安定した仕事がしたい人にはぴったりと言えるかもしれません。未経験でも技術や知識を身につける環境もあるので、「少しでも気になる」という方はぜひ、チャレンジしてみてくださいね。
【注】勤務制度や採用人数をはじめ、さまざまな点において、各保安協会ごとに違いがあります。
全国の保安協会のリクルートサイトはこちら
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・中部電気保安協会 リクルートサイト
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・中国電気保安協会 リクルートサイト
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・九州電気保安協会 リクルートサイト
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「安定」「インフラ」「地元勤務」がキーワード。電気保安協会若手職員に聞く、就職活動から入社までのこと。
「就職活動をはじめたばかり」「インフラ関係の仕事に就きたい」「電気保安業界ってどうやって入るの?」就職活動を始めたばかりだと、様々な疑問や質問が出てくるは…




