最低限必要な工具とは
初めて工具に触れるという方は、ひとつずつ工具を揃えるのはかなり大変で親族、あらかじめ用意されている工具セットを買うのが良いでしょう。とはいえ、最低限必要な工具は、VVFケーブルストリッパーと指定のリングスリーブ圧着工具だけですので、もしドライバーやペンチが家にある場合は個別に買ってもいいですね。
これらの工具以外にも、練習用の器具を含む材料費、テキスト、合格した場合の手続きに掛かる費用が必要になってきますので、お財布と相談しながら購入をしましょう。セットが一式あれば十分練習できますし、合格も目指せますが、今回紹介するのはこのセットとは別の電気工事士技能試験のために役立つ、「時短工具」の紹介です。
合格ゲージ
合格ケージがあればいちいち心線被覆を剥く時に長さを測る必要がありません。

このように切りたい長さにゲージを合わせて切るだけです(写真では20mmに合わせています)

下のゲージは長く剥いた心線被覆を切る時に使います。長さを10mmに合わせてケーブルストリッパーの切断部で切断します。

そうすると大体10mmに合わせて切る事ができます。
実際に練習してみると分かりますが、この10mmとか20mmに心線被覆を剥く作業は気が狂う程行う作業です。その作業で毎回10mm…、20mmと測るのは、長い目で見ると非常に手間で時間もかかります。
電気工事士の技能試験は制限時間40分で完成させる必要があり、時間との戦いです。少しでも時短できるようにする事が合格への第一歩なのです。
合格クリップ
こちらのクリップは最後に心線をまとめて圧着する時に心線をまとめておく時に使います。これだけでも、かなりのお助けアイテムになるのです。

こちらも実際に作業をしてみると分かると思いますが、心線が多い形(1.6mm×4や2.0mm×1+1.6mm×3)の時は片手でまとめるのが非常に難しく時間がかかります。
何となくまとめて圧着した時にもし一つでも被覆を巻き込んでしまうと一発で失格となります。このクリップでまとめるとしっかりホールドするのであまりズレる心配もありません。
合格マルチツール
マルチツールの用途は次の通りです。
・器具から電線を取り外す
・埋込連用取付枠へ器具を取り付ける/取り外す
・ボックスコネクタのロックナットの締め付け
・ボックスコネクタの絶縁ブッシングの締め付け
・リングスリーブへの電線の挿入補助
・ゴムブッシングの穴あけ
・ねじなし管用ボックスコネクタの止めネジのねじ切り
まさにこの電気工事士の試験のためにある工具で、これだけでかなり作業が捗ります。

まず、連用枠にスイッチなどを取り付ける時や外す時に普通マイナスドライバーを使用して押し込みますが、このマルチツールの先端部でも押し込み可能です。ごくまれにマイナスドライバーが入らない大きさの場合非常に困りますが、これなら問題なく取り付けできます。

家で練習する時や試験の時に間違えた場合、裏の器具取り外し部分に同じくマイナスドライバーを使用しますが、こちらもこのマルチツールで代用可能です。これも大きなマイナスドライバーだと入らない可能性がありますが、これなら問題ありません。

ロックナットの締め付けは通常プライヤーを使用しますが、扱いが難しく下手をすると器具の破損に繋がる恐れがあります。そのような場合でもこのマルチツールで締め付けが可能です。しかもこちらの方が遥かに簡単です。

絶縁ブッシングも同様に取り付け可能です。

さらにPF管の締め付けにも使用できます。

心線をまとめて圧着する時にリングスリーブを差込ますが、この時心線の数が多いと非常に差しにくいです。しかし、このマルチツールの穴に入れて押し込むと簡単に差し込むことが可能です。

ゴムブッシングに穴を開ける時は通常電工ナイフを使って切れ目を入れますが、この穴あけも写真のように突き破ることができます。ただ、穴がキレイに決まらないのでキレイな穴にしたい場合は電工ナイフを使用しましょう。

最後に止めねじのねじ切りにも使用できます(写真では既に切り離しています)これも本来プライヤーを使用して取れるまで回しますが、マルチツールでも取る事が可能です。
このマルチツールがあるだけでもかなりの時短につながりますし、工具の節約にも繋がります。マイナスドライバー、プライヤー、電工ナイフ(これは賛否あり)の工具が必要なくなるので荷物もコンパクトに。
マーベル ケーブルストリッパ MC-012
ある特定のケーブル剥き作業で本領を発揮する、それがVVRケーブルです。

まず、先端に刃を出した状態でこのようにケーブルを挟み、一周クルッと回します。

するとケーブルが切れた感じがするので、ストリッパーを外して先端のケーブルを剥がすと…

このように綺麗に外装を剥く事ができます。しかも、心線に一切傷が付かないので余計な心配をする必要もありません。
本来電工ナイフで外装を切って剥がしたり、ホーザンのケーブルストリッパーで剥く方法も紹介されていますが、どちらも慣れないと心線に傷を付けたり自分自身怪我をする場合があります。しかし、このストリッパーは一瞬で外装を剥く事が出来るので、余計な練習をする必要もありません。
ちなみに心線も剥く事が出来ますが、そちらの作業はホーザンのケーブルストリッパーの方がやりやすいのでそちらを使いましょう。
VVRケーブルは全13問中2問しか出題されないので、使わない場合の方が多いかもしれません(確率としては約6分の1)。しかし、買っておいて損はありません。なぜなら、
・上位資格である第一種電気工事士の技能試験でも使用できる(むしろ第一種の方が使用頻度は高い
・電工ナイフなどで剥く作業が不安な場合
・練習しすぎて刃こぼれが発生しケーブルストリッパーで心線がキレイに剥けない時の保険
という理由があるからです。こちらの商品は合格ツール3点セットと比べるとオススメ度は低いですが、持っておけば安心して試験に臨めると思います。
プロフィール
きき
過去に取得した資格の記事を中心に資格取得を目指す方に向けたブログ、「kiki blog〜資格取得応援ブログ〜」を運営中。
ボイラー技士二級、クレーン運転士、フォークリフト免許、第二種電気工事士、危険物乙3.4.5.6種、高圧ガス製造保安責任者(丙種化学特別)など、幅広く多数の資格を所持。モットーはお金を掛けずに合格すること。独学で学び取得した資格について、勉強のノウハウなどをわかりやすく解説します。
過去に取得した資格の記事を中心に資格取得を目指す方に向けたブログ、「kiki blog〜資格取得応援ブログ〜」を運営中。
https://kikiburogu.com/
ボイラー技士二級、クレーン運転士、フォークリフト免許、第二種電気工事士、危険物乙3.4.5.6種、高圧ガス製造保安責任者(丙種化学特別)など、幅広く多数の資格を所持。
モットーはお金を掛けずに合格すること。独学で学び取得した資格について、勉強のノウハウなどをわかりやすく解説します。