地方の電気工事士として就職するには?

地方の電気工事士として就職するには?

電気工事士を目指す人の中には、地元で働きたい人も多くいるのではないでしょうか。今回は電気工事士として地方就職する場合のメリットや成長のコツについて解説します。


電気工事士資格とは?難易度や受験資格は?

電気工事士として働くには、電気工事士の資格が必要です。資格は第一種と第二種の2つに分けられ、第一種であればネオンや非常用予備発電機などの設備を除く500kW未満の電気設備の工事に従事できます。一方、第二種電気工事士は、家庭用や小規模なビルなど構外に送配電する機能を持たない設備のうち、600V以下で受電するものの工事に従事できます。

電気工事士の試験は誰でも受験可能です。なお、第一種電気工事士は試験に合格した後で3年以上の実務経験がなければ免状は発行されません。

電気工事士の資格があればずっと活躍ができる!転職時の企業の選び方や取得メリットも解説 | 電気業界で活躍する高校生・大学生のキャリアを伴走

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電気工作物を扱う工事に必須の国家資格、電気工事士。企業への就職や昇進のために取得を考えている方や、そもそもどういう仕事に従事できるのか知りたい方も多くいるのではないでしょうか。そこで今回は国家資格の電気工事士について、資格の概要や取得メリット、取得した後の企業の選び方などを解説していきます。

電気工事士とは?仕事内容や資格の種類、試験方式までまるごと解説 | 電気業界で活躍する高校生・大学生のキャリアを伴走

https://www.watt-mag.jp/articles/461

「電気工事士ってそもそも何?」「電気工事士の仕事内容や試験の概要を詳しく知りたい」 電気工事士って言葉を耳にしたことはあるけど、詳しくは知らないという人は多いのはないでしょうか。 電気工事士は、電気設備の工事を取り扱う資格です。第一種・第二種電気工事士に分類されており、それぞれで取り扱える電圧の大きさが異なります。 本記事では、電気工事士の仕事内容や資格の種類、試験方式まで丸ごと解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

地方で電気工事士として働く条件とは

地方で電気工事士として働くには、その地域の電気工事を担う会社や事務所などに就職するのが一般的です。地域密着型の企業であれば、地元の工業高校や高専、大学などに求人を募集していることが多いです。就職後すぐに電気工事士として活躍したければ、事前に電気工事士の免状を取得しておかねばなりません。実務経験なしに取得できる第二種電気工事士の試験が開催されるのは年2回ですから、見逃さないようにしましょう。

中途採用で電気工事士として働く場合、新卒採用よりも高い知識や技術、実務経験が求められます。電気工事士の資格はもちろんのこと、電気施工管理技士や工事担任者など他の工事関連の資格を取得したり、技能講習を受けたりするなどしてスキルを身につけておくと良いでしょう。

電気工事士として地方で働くメリット

① 地域に貢献できる

電気はインフラとして欠かせないエネルギーであり、工場や家庭、商業施設などの電気設備の新設や更新、改造、維持管理などを行う電気工事士は、街のインフラを守る重要な仕事です。工場や施設の新設など、地域活性化を後押しする革新的な側面も持ち合わせていますので、自身が愛する地域を守り、発展させたいと願う人の夢を叶える仕事とも言えるでしょう。

② 顧客から信頼・感謝されやすい

人が多い都心に比べ、地方で働く電気工事士は顧客から信頼や感謝されやすいのもメリットです。電気工事士の仕事は縁の下の力持ち的な業務が多く、サービス業と比べて直接顧客とやり取りする機会が少ないもの。しかし、地方の電気工事士であれば地域密着型の会社も多く、近隣住民から直接「ありがとう」と言われる機会も。人に貢献したい、やりがいが欲しいと考える方にとっては大きなメリットと言えるでしょう。

③ 個人営業や独立もしやすい

将来的に独立を考えている方にとって、個人営業や独立がしやすいのもメリットと言えます。先に説明した通り、地方の電気工事士の仕事は顧客に認知してもらえる可能性が高く、独立しても仕事を自身へ発注してもらえる可能性が高いです。また、独立せずとも高い技術力が認められれば、より良い企業へ転職したり、技術応援や若手教育など個人営業を行ったりすることも可能です。地方で働きながら知名度とスキルを積み上げ、タイミングを見て個人営業や独立する方法もあると覚えておきましょう。

地方の電気工事士として成功するには

地方で働く電気工事士として成功するには、事業所全体でスキルアップを意識していく、顧客ファーストの意識を持つ、電気工事以外の業務知識も身につけていくことが大事です。

事業所全体でスキルアップを意識する

地方の電気工事士は都心に比べて競合企業があまり多くありません。しかし、本当の意味で生き残っていくには、自身はもちろんのこと、若手や後輩も含めた事業所全体としてのスキルアップが欠かせません。1つ1つの仕事に対して、より丁寧かつ効率的に作業ができる方法を考えたり、日頃から資格にチャレンジしたりと、事業所全体で成長する努力をしていきましょう。

顧客ファーストの意識を持つ

技術や知識以外に、顧客目線を持つことも大切です。都心の電気工事であれば、顧客は費用や工事品質などを重要視する傾向にあるでしょう。もちろん地方の電気工事においても費用や品質面は重要ですが、顧客との距離が近いため、困った時にすぐ駆けつけてくれる、親身になって助言をくれるといった安心感や親近感を求める方も少なくありません。

費用面や工事品質も守りつつ、顧客と積極的にコミュニケーションを図って認知してもらう、長期的なメンテナンス性や美観も考慮した工事を行うなど、顧客への対応も大事にしましょう。

工事以外の業務知識も身につける

地方の電気工事会社であれば、会社や仕事の規模が比較的小さく、工事の受注から竣工までの一連の業務に携わる機会が多くあります。年収アップや独立も視野に入れているのであれば、他の業務にも積極的に関わって知識を身に付けていきましょう。具体的には、工具資材の調達、売上の計算や税金対応、法律面の確認や官庁との調整、新規顧客開拓のための営業、工程や人員の管理といった業務があります。いずれも売り上げを左右したり、事業所として工事を請け負っていったりするうえで重要な業務です。

まとめ

地方での就職は、地元に貢献したい人や独立を目指す人におすすめです。自身の価値観と照らし合わせて検討してみてはいかがでしょうか。

プロフィール

佐藤竜騎

2017年4月に某大手石油化学工場へ就職し、現在まで電気・計装設備の保全・更新計画の検討/立案から工事の実行まで一貫した業務に従事。携わった機器/システムは、分散制御システム(DCS)、流量/液面/圧力/温度の検出/制御機器類、ガス漏洩検知システム、プロセスガスクロマトグラフィーやpH計を始めとする各種オンライン分析計、など多岐にわたる。現在は副業として電気/電子分野の専門知識に特化したウェブライター活動にも精を出している。
保有資格:第3種電気主任技術者、第二種電気工事士、認定電気工事従事者、高圧ガス製造保安責任者(甲種機械)、工事担任者(AI/DD総合種)、2級ボイラー技士、危険物取扱者乙種4類など

この記事のWriter

WattMagazine編集部 編集長

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