健康保険(医療保険制度)
日本では、1961年に国民健康保険法が改正され、国民皆保険体制が確立されました。これによって全ての国民が何らかの医療保険制度に加入し、病気やけがをした際に医療給付が受けられるようになったのです。医療保険制度には、国民健康保険(国保)と健康保険(被用者保険)の大きく2つに分けることができます。
国民健康保険:自営業者や無職、非正規労働者や農家の人が加入する保険で、市区町村が運営する地域保険です。保険料で給付費の50%をまかない、残りの43%が国庫、7%が都道府県の負担になります。原則として、医療費の3割は自己負担です(3歳未満は2割、70歳以上の超高齢者は1割)。
被用者保険:会社に勤務している正社員などが加入する保険のことで、運営者は協会けんぽや各社会保険組合です。認定範囲内の親族を扶養することができるうえ、扶養者が何人でも保険料が変わらないという特徴を持ちます。また、被用者保険は会社と従業員とで保険料を折半するシステムになっています。

生命保険、医療保険
生命保険:生命保険とは人に対する保険です。たとえば、人の死亡や定められた年齢までの生存に対して、一定の金額を支払うことを約束した保険があります。一般的には私保険によるものだけを生命保険といい、日本では民間保険会社で運営されています。もしもの時を想定して、遺族が困らないようにと一家の大黒柱が加入するケースがほとんどです。
医療保険:病気やケガで入院をした場合や所定の手術を受けた時に、給付金が受け取れる保険のことをいいます。公的な医療保険制度の補完を目的とした保険です。
病気などの長期入院などで高額な医療費がかかった場合、高額療養費制度という国の制度で医療費の自己負担軽減が図られます。このほかにも、生命保険には介護保険や疾病保険などがあります。
損害保険

損害保険:損害保険とは、おもにモノに対する保険です。たとえば、偶然の事故や自然災害などによって生じた損害を補償するための保険があり、火災保険、自動車保険、海上保険、地震保険などもこれに該当します。
最近では、自転車が歩行者と衝突する事故が多発しています。中でも、自転車との衝突で歩行者が亡くなったケースで、賠償金が4億円という事例も出ていますので、普段から自転車をよく利用する人であれば、こうした保険に加入していると安心かもしれません。
団体信用生命保険
団体信用保険:民間の生命保険の一つです。これは、住宅ローンを利用する際に、融資側である銀行などを保険金の受取人とし、融資を受けるローン利用者を被保険者とする生命保険制度。ローンの利用者に万が一のことが起こった際に、残された家族がローンの債務に追われることなく、安心して自宅に住み続けるための仕組みで、住宅ローンを組む際の必須条件となっています。
保険とは万が一のリスクにそなえるもの
「貯金があるから大丈夫」「まだまだ若くて健康だから問題ない」と思うかもしれません。しかし、”万が一”はいつ起こるかわからないものです。必要なときになって、必要額が利用できて、生活や健康が補償される。それが保険なのです。