電気の資格のアレコレ
第二種電気工事士筆記試験を攻略せよ〜知識ゼロから学ぶ「基礎理論 1」

第二種電気工事士の学科試験の科目の一つ「基礎理論」。基礎理論は毎回出題されるため、確実に攻略することが合格への近道です。暗記が多く、計算問題がメインの科目ですが、繰り返し解くことで必ず身につけることができます。この記事では、基本の「き」となるは、電流、電圧、電力および電気抵抗・導体及び絶縁体・交流電気の基礎概念・電気回路の計算の4項目についてわかりやすく解説していきます。
1で解説するのは電流、電圧、電力、電気抵抗と電力量についてです。
電流、電圧、電力および電気抵抗

電流、電圧、抵抗
◎電圧:「電気の圧力」=電気そのものの大きさを表します。単位はボルト(V)。式で表す際も「V」です。
◎抵抗: 電気を通しにくくすることを言い、単位はオーム(Ω)。式では「R」です。
ホースから水を出す時に蛇口を捻ると水が勢いよく出てきますが、ホースの内部にごみなどが付着していると水の流れが遅くなります。ごみの影響で水が流れにくくなる状態が電気でいう「抵抗」です。
また、蛇口の捻る強さ(大きさ)を電圧とすれば、水が流れるスピードは電流となり、蛇口を大きく開けば開くほど、水流も大きくなります。つまり、電圧が高いと電流も大きくなるということです。この状態で内部にごみがあると水量が減りますが、これを抵抗値が高い状態と表現できます。
これが電流と電圧、抵抗の関係です。電流と電圧、抵抗は切っても切れない関係であり、3つのうち2つが分かれば残りの1つを計算式で求めることができます。それが学生時代に勉強する「オームの法則」です。
例題:電圧が50Vで抵抗が25Ωの時の電流は?
ヒント:上の式を変形すると「電流=電圧÷抵抗」で答えを導くことができます。
正解:50÷25=2A
電力と電力量
◎電力 電力を使用した時間のことを言い、単位は「kW・h」です。 純粋に電力に時間を掛けて求めますが、電気工事士の試験では時間を秒に変換すること多ので、念のため1時間は3,600秒と覚えておきましょう。
一見すると式には抵抗が含まれていないように感じますが、オームの法則の式を変形させれば回答を導くことができます。
例題:電力が200Wで電流値が10Aの時の抵抗値を求めよ。
ヒント:先程のオームの法則の式V=I×Rを電力の式のV部分に当てはめると「P=I×I×R」とで答えを導きます(後半のI×RはVと同じ)。
正解:200=10×10×R、R=2Ωです。
電力を求める式は、次のように変形させることができるので、問題に応じて使い分けましょう。
R=I²×R
R=V²÷R
発熱量
電流、電圧、抵抗、電力、発熱量は全てつながっており、計算を解く上でそれぞれの公式は重要となるので、全てしっかり把握しておきましょう。