認定電気工事従事者は何ができる?第二種との違いやメリット、講習内容

更新日:2026.04.30投稿日:2026.04.30

第二種電気工事士を取得したあと、「次に取る資格は何がいいのか」と迷う人は少なくありません。

その中で注目されるのが、認定電気工事従事者です。

認定電気工事従事者を取得すると、第二種電気工事士では対応できない自家用電気工作物の一部工事に従事できるようになり、担当できる工事の幅が広がります。

より高度な電気工事に挑戦したい人や、現場での役割を広げたい人にとって、キャリア形成にもつながる資格です。

また、第二種電気工事士の免状を取得したばかりの人でも、講習を受講することで認定交付を受けられます。

この記事では、認定電気工事従事者の仕組みや取得方法、メリットについて、初めての人にも分かりやすく解説していきます。

認定電気工事従事者とは?

認定電気工事従事者とは、電気工事士法に基づき、経済産業大臣によって認定される資格です。
電気工事士法・第4条の2第4項で定められ、特別な保安管理が求められる自家用電気工作物の工事を安全に行うための役割を担います。

認定電気工事従事者とは?

最大電力500kW未満の需要設備(自家用電気工作物)の工事(ネオン工事及び非常用予備発電装置工事は除く)のうち、電圧600V以下で使用する電気工作物の工事(簡易電気工事) に従事することが出来ます(ただし、電線路に係るものは除く)。この資格は住所地を管轄する各産業保安監督部長が認定します。
引用:認定電気工事従事者認定講習について | 一般財団法人 電気工事技術講習センター

電気工事士法・第4条の2第4項

認定電気工事従事者認定証は、経済産業省令で定めるところにより、簡易電気工事について必要な知識及び技能を有していると経済産業大臣が認定した者でなければ、その交付を受けることができない。
引用:電気工事士法 | e-Gov 法令検索

第二種電気工事士では対応できない工事に従事できるため、専門知識と実務理解が重要になります。

認定電気工事従事者が従事できる工事内容

認定電気工事従事者は、「最大電力500kW未満の需要設備(自家用電気工作物)のうち、電圧600V以下で使用する電気工作物の工事」に従事することができます。
第二種電気工事士では、この範囲を作業できないため、認定電気工事従事者の認定交付を受けることで、作業できる範囲が広がります。

資格従事できる電気工事の内容
第一種電気工事士最大電力500kW未満の需要設備(自家用電気工作物)および一般電気工作物の電気工事(ネオン用の設備および非常用予備発電装置の電気工事は除く)
認定電気工事従事者最大電力500kW未満の需要設備(自家用電気工作物)のうち、600V以下で使用する電気工作物の電気工事(例:高圧受電後に低圧へ変換された100Vまたは200V等の配線・負荷設備など)
第二種電気工事士一般用電気工作物及び小規模事業用電気工作物の電気工事

ちなみに第一種電気工事士の場合は、第二種電気工事士や認定電気工事従事者が従事できる電気工事も、作業することが可能です。

画像出典元:電気工作物の保安(METI/経済産業省)

電気工作物とは?

「電気工作物」とは、発電・変電・送電もしくは配電又は電気の使用のために設置する機械・器具・ダム・水路・貯水池・電線路、その他の工作物です。

一般用電気工作物とは?

600V以下で受電する一般家庭・商店・事務所の設備や600V以下で系統連系する10kW未満の太陽電池発電設備などです。

自家用電気工作物とは?

高圧及び特別高圧で受電する工場・ビルや50kW以上の太陽電池発電設備、工事現場等で使用する10kW以上のディーゼル発電機などです。

出典:自家用電気工作物とは、設置者とは

認定電気工事従事者の認定交付を受ける3つのメリット

認定電気工事従事者の認定交付を受けるメリットは、第二種電気工事士では対応できない工事範囲の幅が広がることです。なお、資格更新の必要がありません。

工事範囲の幅が広がり高度な仕事へ挑戦できる

認定電気工事従事者になると、第二種電気工事士では対応できない自家用電気工作物の電気工事にも従事できるようになり、工事範囲の幅が広がります。

住宅や商店では経験できない専門性の高い設備に携われるため、現場での役割もより重要になります。
高度な設備を扱う経験は技術力の向上につながり、より高度な仕事へ挑戦したい人にとっては大きなメリットです。

資格取得によって担当できる工事の幅が増えることで、キャリアの選択肢も広がりやすくなります。

資格取得に必要な試験がない

認定電気工事従事者は、一定の条件を満たしていれば申請のみ、または講習を受けて申請するだけで認定交付されます。資格取得に必要な試験はありません。

特に第一種電気工事士試験に合格した人や、第二種電気工事士や電気主任技術者の免状を保持していて、3年以上の実務経験がある人は申請だけで認定交付を受けられます。

資格更新の必要がない

認定電気工事従事者は、一度資格を取得すれば更新手続きが不要で、長く安定して活用できる点が魅力的です。多くの国家資格では定期的な講習や更新が求められますが、この資格は取得後の負担が少なく、実務に集中しやすい特徴があります。

更新費用や手続きの手間がかからないため、現場で働きながら資格を維持したい人にとって大きなメリットです。長期的に電気工事の仕事を続けたい方にとって、扱いやすい資格と言えるでしょう。

認定電気工事従事者の認定交付を受けるには?

認定電気工事従事者の認定交付を受けるには、保有している免状や実務経験によって異なります。人によっては「申請のみ」で認定交付されるケースと、「講習の受講が必要」なケースがあります。

認定電気工事従事者を、申請のみで認定交付されるケースは、次のような人達です。

申請のみで認定交付されるケース

  • 第一種電気工事士試験に合格した人
  • 第二種電気工事士の免状交付から、3年以上の実務経験がある人
  • 電気主任技術者、または電気事業主任技術者の免状交付から、3年以上の実務経験がある人

申請のみで認定交付されない人は、講習を受けて認定電気工事従事者の資格を取得しないといけません。講習の受講が必要なのは、次のような人達です。

講習+申請が必要なケース

  • 第二種電気工事士の免状を取得している人
  • 電気主任技術者、または電気事業主任技術者の免状を取得している人

つまり、第二種電気工事士や電気主任技術者の「免状を保持しているだけ」の状態では、申請のみで認定交付されません。
実務経験がない人は、講習を受講する必要があります。

認定電気工事従事者認定講習の詳細について

こちらでは、一般財団法人 電気工事技術講習センターの公式サイトを参考に、認定電気工事従事者認定講習の詳細について解説します。

受講資格や講習内容などについては、次の表にまとめたので参考にしてください。

資格従事できる電気工事の内容
受講資格(1)第二種電気工事士免状の交付を受けている方
(2)電気主任技術者免状の交付を受けている方
※電気工事に関する実務経験は必要ありません。
講習内容第1編:配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
第2編:電気工事の施工方法
第3編:自家用電気工作物の検査方法
第4編:自家用電気工作物の保安に関する法令
受講料12,500円(税込)
申込み方法WEBからの申込みのみ

※こちらは令和8年(2026年)3月現在の内容です。
※講習はオンライン以外にも、各地域の主要都市で年2回集合講習が行われています。

最新の情報が気になる人は、一般財団法人 電気工事技術講習センターの公式サイトから、講習日や申し込み期間などを確認してください。

参考:認定講習のお知らせ一覧 | 一般財団法人 電気工事技術講習センター

認定電気工事従事者の申請方法

第一種電気工事士試験に合格した人や、第二種電気工事士の免状交付後に3年以上の実務経験がある人などは、申請するだけで認定電気工事従事者の認定交付を受けられます。

認定電気工事従事者の認定交付を受けるには、次の手順で申請を行います。

  1. 必要書類を用意する
  2. 必要書類を管轄の産業保安監督部へ提出する
  3. 認定交付が届くのを待つ

認定電気工事従事者認定講習を受講した人も、同様の申請方法なので参考にしてください。

①:必要書類を用意する

認定電気工事従事者の認定交付を申し込む際には、必要書類を用意しないといけません。
必要な物は、次の物になります。申請だけでOKな人と、認定電気工事従事者認定講習を受講した人では、必要な物が異なるので注意してください。

申請だけでOKな人

  • 認定申請書
  • 認定証交付申請書
  • 写真1枚※1
  • 住民票の写し※2
  • 返信用封筒(切手不要・宛先記入)
  • 収入印紙(4,700円分)
  • 試験合格証の写し(第一種電気工事士試験に合格した場合)
  • 免状のコピー(第二種電気工事士または電気主任技術者、電気事業主任技術者の場合)
  • 実務経験証明書(3年以上の実務経験が求められる場合)※3

※1:申請前6ヶ月以内に撮影した大きさ(縦4cm×横3cm) 裏面に氏名・生年月日を記入する
※2:マイナンバーカード(裏面不要)、運転免許証(両面)、住民票記載事項証明書等、現住所、氏名及び生年月日を確かめるに足りる書類のコピーでも有効。パスポートや健康保険証等の発行後に自ら記入・修正するような書類は無効。
※3:提出前にはメールまたはFAXでの事前確認が必須(詳細は、提出先の産業保安監督部にご確認ください)。

出典:認定電気工事従事者の各種手続き

認定電気工事従事者認定講習を受講した人

  • 認定申請書
  • 認定証交付申請書
  • 写真1枚※1
  • 住民票の写し※2
  • 返信用封筒(切手不要・宛先記入)
  • 収入印紙(4,700円分)
  • 免状のコピー(第二種電気工事士または電気主任技術者)
  • 「認定電気工事従事者認定講習修了証明証」及び「認定電気工事従事者認定講習講師の資格証明書」の原本※3

※1:申請前6ヶ月以内に撮影した大きさ(縦4cm×横3cm) 、裏面に氏名・生年月日を記入する
※2:マイナンバーカード(裏面不要)、運転免許証(両面)、住民票記載事項証明書等、現住所、氏名及び生年月日を確かめるに足りる書類のコピーでも有効。パスポートや健康保険証等の発行後に自ら記入・修正するような書類は無効。
※3:認定電気工事従事者認定講習修了証と認定工事従事者認定講習講師の資格証明書が2枚に分かれている場合は、原本2枚とも添付が必要。

出典:認定電気工事従事者の各種手続き

認定申請書や認定証交付申請書、実務経験証明書はこちらからダウンロードできます。
各申請書の書き方については、こちらを参考にしてください。

申請手続きは各産業保安監督部によって異なる場合があります。詳細については、管轄する産業保安監督部へお問い合わせください。

②:必要書類を管轄の産業保安監督部へ提出する

必要書類を用意できたら、申請者の住所地を管轄する産業保安監督部へ、レターパックまたは簡易書留等で提出してください。

各都道府県の産業保安監督部の住所やお問い合わせ先は、次の表にまとめています。

各都道府県担当課住所電話FAX
北海道産業保安監督部電力安全課〒060-0808札幌市北区北8条西2-1-1札幌第一合同庁舎011-709-1795011-709-1796
関東東北産業保安監督部東北支部電力安全課〒980-8403仙台市青葉区本町3-3-1仙台合同庁舎022-221-4951022-224-4370
関東東北産業保安監督部電力安全課〒330-9715埼玉県さいたま市中央区新都心1-1さいたま新都心合同庁舎1号館048-600-0387048-601-1301
中部近畿産業保安監督部電力安全課〒460-8510名古屋市中区三の丸2-5-2052-951-2817052-951-9802
北陸産業保安監督署〒930-0091富山市愛宕町1-2-26076-432-5580076-432-0909
中部近畿産業保安監督部近畿支部電力安全課〒540-8535大阪市中央区大手町1-5-4406-6966-604806-6966-6089
中国四国産業保安監督部電力安全課〒730-8531広島市中区上八丁堀6-30広島合同庁舎2号館082-224-5742082-224-5650
中国四国産業保安監督部四国支部電力安全課〒760-8512高松市サンポート3-33087-811-8586087-811-8597
九州産業保安監督部電力安全課〒812-0013福岡市博多区博多駅前東2-11-1092-482-5519~5522092-482-5973
那覇産業保安監督事務所〒900-0006那覇市おもろまち2-1-1098-866-6474098-860-1376

出典:認定電気工事従事者 (METI/経済産業省)

③:認定交付が届くのを待つ

申請してから交付までの期間は、地域によって異なります。郵送してから数日で届く場合もあれば、1ヶ月くらいかかる地域もあります。

気になる人は、管轄する産業保安監督部にお問い合わせください。

まとめ

認定電気工事従事者は、電気工事の工事範囲を広げたい人にとって、大きな後押しとなる資格です。
第二種電気工事士では対応できない、自家用電気工作物の工事に従事できるようになり、より高度な電気工事へ進むための確かな土台になります。

講習や申請によって取得しやすく、資格更新の負担もありません。電気の専門性を高めながら長く活用できる点は、キャリア形成を考える上で大きな魅力と言えるでしょう。

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