そもそもコイルとはなにものですか?
一言で言うと、身近にある“すごい”電気部品です。
電気を扱う場面では、ほとんどの環境で利用されていると言っても過言ではありません。
ではどのような製品で、どんな性質を持っているのでしょうか。簡単に言ってしまうと、
「電線をぐるぐると巻いたもの」です!
…いえいえ、ふざけてなんかいませんよ? あまり知られていませんが、ただの電線を何重にも巻くだけで、ものすごい能力を発揮するのです。何重にも巻かれた電線は、電気や磁気的なエネルギーを発生する部品と化し、さまざまな場面で活躍する製品へと変わります。
そのエネルギーに関して説明する前に、ただの電線に電気を流した状態とはどんなものかについて、まずは解説していきましょう。
【神秘!】電線に電気を流すと磁界が発生する
電線に対して電気を流すと、下記の法則に従って磁界が発生します。
アンペールの法則(右ねじの法則)H=I/2πr」

磁界とは磁気の力のこと。つまり電線に電気を流すと、電線は磁石になるということです。
この磁界を利用することで、さまざまな場面で活躍する製品になります。しかし、この電線の形状のままでは、磁界を効率よく利用することができないため、この電線を加工して、コイルという製品にするのです。
電線を巻いてコイルにする
電線は巻けば巻くほど磁界が大きくなります。巻き数の2乗に比例して磁界は増長するため、少ない材料で大きなエネルギーを生むことができるのです。また下記の法則によりさらなる能力も生まれます。
ファラデーの電磁誘導の法則V=−N×Δφ/Δt
中学校で勉強した方も多いかもしれませんが、流す電気を直流ではなく交流にすると、発生した磁界の周囲にさらに電気が発生します。以上がコイルのキホンです。さて、このコイルはどのような場面で利用されているのでしょうか?

身近にある、「コイル」が使われているモノたち
ICカード(Suicaなど)
知らない人も多いかもしれませんがコイルはICカードの内部に利用されています。あの薄〜いカード一枚の中で導線を貼り付けたり、金属の薄膜を形成したり。いずれも銅線を巻いたものが内包されているのです。
また、改札口にもコイルが内蔵されており、そこで電気信号をやりとりします。もちろん利用している電気は交流です。

