ブレーカーはどうして落ちるの?その原理を解説します。

ブレーカーはどうして落ちるの?その原理を解説します。

家の中を見渡すと、エアコンや電子レンジ、ドライヤーなど、多くの電化製品があるはず。しかし家族から、「同時に利用しないようにね」と言われませんか? なぜこのように注意されるのか。それは、一度にたくさんの電気を利用するとブレーカーが落ちて家にある全ての電化製品が利用できなくなってしまうからです。もしブレーカーが落ちたら、自分の手でブレーカーを上げ、もとに戻さなければなりませんが、そもそもブレーカーはなぜ“落ちる”のでしょうか。非常に身近なことなのに、意外とその理由を理解していないかも?今回はブレーカーについて一緒に勉強していきましょう。


ブレーカーはおもに3つの種類がある

実は、一般家庭で利用されているブレーカーは3種類あり、それぞれ役割が異なります(地方により電力の形式は異なりますが、今回は関東のケースについて解説します)。以下より、一つずつ説明していきましょう。

安全ブレーカー

安全ブレーカー
一度に多くの電化製品を利用すると過大な電流(過電流)が発生します。たとえば、あなたの家が定格電流20Aの安全ブレーカーを利用している場合、それを超える電流が流れた場合にはブレーカーが落ちます。これによって、電線や電化製品を電流の過度な熱から保護しているのです。定格電流と使用電流の関係についてわからない方がほとんどかと思いますので、簡単に説明しましょう。

家電製品の使用電流は次のようになっています。以下は一例(製品や使用状況により異なります)です。
エアコン 7A 
電気ケトル 10A
ドライヤー 12A
洗濯機 4A

上記の内容を元に、エアコンと電気ケトルを同時に使った場合を考えてみましょう。
エアコン(7A)+電気ケトル(10A)=17A
この2つを同時に利用しても20Aに達していないため、安全ブレーカーは落ちません。しかし、
エアコン(7A)+電気ケトル(10A)+洗濯機(4A)=21A
上記3つを同時に使用すると20Aを超えるため、安全ブレーカーが落ちます。そうなった場合、どれかの電化製品の使用をやめるか、他の安全ブレーカーを利用しているコンセントを利用するしかありません。

また、壊れた状態で無理に電化製品を利用すると過電流が発生することがあり、その際も安全ブレーカーが落ちます。過電流は焼損を引き起こす可能性があるので非常に危険です。

安全ブレーカーはどのような原理で落ちるの?

安全ブレーカーが落ちる原理はおもに2つ。

1つは、熱を利用して落ちます。
電流が流れると下記の「ジュールの法則」に従い、電線に熱が発生します。その熱を感知すると、バイメタル(鉄などの合金で、熱を与えると形が変形する特徴を持つ)が変形し、ブレーカーが動作します。

もう1つが磁気によるものです。
ブレーカー内にコイルという銅線を巻いたものが内蔵されており、それに電線からの電流が流れます。そのコイルの磁石の力によりブレーカーを動作するのです。

漏電ブレーカー

漏電した際に即座に電流を遮断し、身の安全を守ってくれるのが漏電ブレーカー。漏電とはその名の通り、電気が漏れる現象のことを言います。
濡れたコンセントや故障した洗濯機などに手で触ると電気が漏れ、身体を伝わり感電します。
ただこの漏電ブレーカーが設置されていれば即座に漏電を検知し電気を遮断してくれるため、結果的に身の安全を守ることができます。法律では「60Vを超える電路には漏電ブレーカーを設置すること」が義務付けられていますが、設置されていない電路が存在するのが実情です。
万が一、漏電ブレーカーが設置されていない電路を見つけた際には、すぐに設置しましょう。

漏電ブレーカーはどんな原理で落ちるの?

漏電ブレーカーにはZCT(零相変流器)という電流を感知する輪っか形状の装置が内蔵されています。そこで行きの電流と帰りの電流の差を見ているのです。
漏電していなければ行きの電流と帰りの電流に差異が生じることはありませんが、漏電すればその分帰りの電流の値が小さくなります。電流の差がわかった時点で即座に漏電ブレーカーは落ち、電気が流れを遮断します。

関西電気保安協会「漏電の仕組み」

アンペアブレーカー

アンペアブレーカーは電力会社と契約した電流値を超えた際に落ちるようになっています。
こちらに関しては、上記2つのように危険を防ぐ役割を担っているわけではありません。こちらが落ちるようであれば契約アンペア値の変更を検討するか、一度に使用する電流値の制限を行うようにしましょう。

関連するキーワード


ブレーカー 電気

関連する投稿


電気とは何か? 23年の仕事を通じて気づいた電気の偉大な力

電気とは何か? 23年の仕事を通じて気づいた電気の偉大な力

電気一筋のベテラン電気主任技術者が沖縄にいました。沖縄電気保安協会で働く萩原一貴さんは生まれ育った沖縄の電気を守り続けて23年。今回、萩原さんにご自身のキャリアを振りかえっていただきました。キーワードは「変幻自在」。暑さが続く8月の沖縄で話を聞きました。


電気工事会社を変える電気工事会社!? 株式会社電建 【電気企業インタビュー】

電気工事会社を変える電気工事会社!? 株式会社電建 【電気企業インタビュー】

「電気工事会社」のイメージというと、どういうものがあるでしょうか。 少し職人気質な方たちが、現場作業をこなしている様子? 体力のいる仕事? 建設業者のもと、過酷な環境で働いている光景? 3K(きつい・きたない・きけん)? そんなイメージを持たれている方も多いのかもしれません。 今回インタビューに訪れた電気工事会社さんはそのイメージとは全くかけ離れていました。 電気工事を目指す人たちに、是非とも知っていただきたい会社さんです。


生活に密着したコイル製品〜身近なこんなところにも使われている!

生活に密着したコイル製品〜身近なこんなところにも使われている!

「聞いたことはあるけど、何に使うものかは知らない」かもしれませんね。コイルは私たちの生活の多くの場面で大活躍している電気の部品の一つ。むしろ、これがないと生活は成り立たないのです…。今回は、あなたをそんな「コイル」の世界にお連れしましょう。


電力自由化とは〜電気も自由に選べる時代に〜

電力自由化とは〜電気も自由に選べる時代に〜

電力自由化がスタートしてから、数年が経ちました。しかし、いまだにどのようなシステムなのか分からないという人も少なくはないはず。今回は、電力自由化の特徴やメリットについてわかりやすく解説します。


初心者向けに簡単解説!電気の専門用語一覧集

初心者向けに簡単解説!電気の専門用語一覧集

電気業界では感電や漏電のように、日常生活の中で誰もが聞いたことのある専門用語だけでなく、実際に現場で仕事するとさまざまな専門用語が飛び交います。この記事では、電気にまつわる多様な専門用語を初心者の方でも分かりやすくご紹介します。


最新の投稿


控えめに言って凄い資格! 「電験二種」所持の技術者が語るチームワークと誠実に働くことの大切さ

控えめに言って凄い資格! 「電験二種」所持の技術者が語るチームワークと誠実に働くことの大切さ

仕事はみんなで協力し合ってできるもの。ということで、今回のテーマは“チーム”です。関東電気保安協会の荒田浩一さんは、数10人の現場をまとめるリーダーを務めた経験から、「協力できることがあれば、協力する」と語っていました。この考えに至ったのはある経験があったから。チームで働く上での心掛けと仕事観を語っていただきました。


面接で自信を持つ方法 |就活・転職活動 編-科学的な適職Q&A-

面接で自信を持つ方法 |就活・転職活動 編-科学的な適職Q&A-

アンケートや調査で集まったキャリアにまつわる疑問から、書籍内でカバーしきれなかったものをピックアップし、『科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方』著者の鈴木祐氏に回答いただきます。


仕事にダッシュ! この10年を走り抜けて気づいた「自分の到達点」

仕事にダッシュ! この10年を走り抜けて気づいた「自分の到達点」

長く仕事に従事していれば、成功も失敗も経験するもの。そうした体験を経て、人は少しずつ大人になっていきます。中国電気保安協会で働く小笠原諒さんは、高校卒業後に社会人になって今年で10年。この間、嬉しいこともあったし、自分の未熟さを痛感したこともあったと言います。今回は小笠原さんに、この10年を振り返っていただき、働く中で気づいた、「仕事の喜び」を語っていただきました。


台風により停電、そして災害地での復旧活動。そこで見えてきた“仕事の素晴らしさ”とは?

台風により停電、そして災害地での復旧活動。そこで見えてきた“仕事の素晴らしさ”とは?

ここ数年、毎年のように日本にやって来る大型の台風。それにより、河川の氾濫や土砂崩れ、そして停電が発生しています。そんな時、災害地に向かい、電気の復旧活動をする人々が、関東電気保安協会の職員たちです。電気が使えず困っている人を助けるために向かった現場でどんなドラマが生まれたのでしょうか? 実際に復旧活動をされた関東電気保安協会の3人に話を伺いました。 ※撮影時のみ特別にマスクを外し、インタビューはマスクを着用したうえで、換気をした屋内で実施いたしました。


2019年9月、台風15号が首都圏を直撃! 千葉県全域が停電! その時、男たちはどんな復旧活動をしたのか?

2019年9月、台風15号が首都圏を直撃! 千葉県全域が停電! その時、男たちはどんな復旧活動をしたのか?

2019年9月9日、千葉県に台風15号が上陸。この台風により、首都圏およびその周辺地域は甚大な被害を受けました。特に千葉県全域での被害は大きく、多くの建物が停電に…。その復旧活動のため、多くの電気関係者が、災害地域に向かい、力を注ぎました。その団体のひとつが、関東電気保安協会。現場ではどんなことが起き、どんな困難に直面し、どう電気を復旧させたのでしょうか? 関東電気保安協会で災害時の作業を担当した3名に、お話を伺いました。 ※撮影時のみ特別にマスクを外し、インタビューはマスクを着用したうえで、換気をした屋内で実施いたしました。


人気記事ランキング


>>総合人気ランキング

今月のおすすめ