ウォーキングのメリットは?ストレス解消&脳機能向上も
長時間のデスクワークをこなすと、帰宅後はぐったり…。ちょっとしたことでイライラや不安を感じる…。
これはストレスや血流悪化で脳に負荷がかかり、「脳疲労」が蓄積されている状態。この状態の脳をリフレッシュするには「アクティブレスト」(積極的休養)が有効です。アクティブレストとは、体と脳の疲労回復を目的とした軽い運動のこと。運動によって酸素を含んだ血液が各細胞へ十分に供給されると、脳に蓄積されたストレスをリセットすることができるのです。
この「アクティブレスト」をはじめる人にオススメしたいのは、何と言ってもウォーキング。負荷が軽く、気軽に始めやすいがゆえに効果も小さいと思われがちですが、脳機能への効果は数々の研究で証明されています。
【ウォーキングの効果1】ストレス減少&ポジティブな気分になる

2014年に行われた研究では、1日30分のウォーキングで全身のストレスレベルが下がったという結果が出ました。(※1)
この実験では、330人に朝または夕方に12週間、少なくとも1日30分以上歩いてもらって計測。その結果、このウォーキングプログラムによって体内の炎症レベルが減少。体内の炎症レベルは疲労やストレスの度合いを測るのに利用されているため、「30分のウォーキングでストレスが減る」と言えるでしょう。
また、アイオワ州立大学が発表した2016年の研究では、「ウォーキングはメンタルと集中力に強力なメリットを与える」という結論が出ています。(※2)
この実験では「12分間を歩いて過ごしたグループ」と「座ってビデオを見て過ごしたグループ」のメンタルを比較。すると、前者の方がポジティブな気分が上昇したと言います。
つまり、1日30分ウォーキングをすると→ストレスが減り、自然にポジティブになれる!
【ウォーキングの効果2】発想力アップ!アイデアが生まれる
アップル、フェイスブック、ツイッターの創業者たちは「散歩ミーティング」の推奨者として知られています。並んで歩くことで一体感が得られ、運動することで集中力が高まるというのがその理由。この取り組みは斬新なアイデアを生むという意味でも有効である事がスタンフォード大学の研究で明らかになっています。
この研究では被験者にトレッドミルでウォーキングをさせ、その後GAUテスト(創造的な発散的思考を測るテスト)を実施。すると、座っていた場合に比べ81%スコアが増加したのだとか。
また、歩く場所によっても効果が変わる。トレッドミルで歩いた場合や車椅子で外に出た場合、そして屋外を歩いた場合を比較すると、斬新なアイデアを思いつく確率がもっとも高くなるのは屋外を歩いたときであることがわかりました。(※3)
つまり、外でウォーキングすると→斬新なアイデアが生まれやすい!

イライラが消える!ウォーキングのポイント3つ
数々のメリットがあると証明されているウォーキング。イライラでパンクしそうな脳をスッキリさせたい場合、最低限押さえておきたいポイントは3つ。
【ウォーキングのポイント1】時間:まずは12分歩いてみる
前述のアイオワ州立大学の実験では、被験者は12分のウォーキング後にポジティブな気分が上昇。つまり、最低12分継続して歩けばメンタル改善効果が期待できるということ。徒歩1分=80mとすれば、12分で960m。約1kmのウォーキングなら気軽にチャレンジできるので、出勤時や昼休憩時に「12分」の確保を意識してみては。
【ウォーキングのポイント2】歩数:1日7500歩を目指す
2016年に発表された国立再生可能エネルギー研究所の実験では、278人の日常の歩数と、肥満率・睡眠の質との関係が調査されました。すると1日7,500歩を超える人々はそれ以下の歩数の人々に比べ肥満率が減り、睡眠の質が高くなるという傾向が見られたそう。(※4)
つまり、1日最低7500歩歩けば肥満防止&睡眠の質向上が狙えるということ。睡眠の質とメンタルは密接に関係していることがわかりました。ウォーキングによって睡眠の質が高まれば、睡眠不足が原因のイライラもやわらぐのではないでしょうか。