男性ばかりの現場で女性が働くのは大変ですか? 電気工事業界で奮闘する20代女子のリアルトーク(前編)

男性ばかりの現場で女性が働くのは大変ですか? 電気工事業界で奮闘する20代女子のリアルトーク(前編)

空に向かって、力強く、まっすぐと伸びる「鉄塔」。みなさんは、電気を運ぶ送電線を支えるこの建造物を“守る”お仕事があることをご存じでしょうか。その現場で今、活躍している20代の女性たち、それが岳南建設で働く松山由夏さんと亀田紫野さんです。2人は若き女性技術員として日々、鉄塔を見つめ続けています。男性ばかりで、なおかつ体力が必要な現場。この仕事を選んだ理由を伺いました。


人々の生活を支える仕事ってホントにかっこいい!

左から松山由夏さん、亀田紫野さん。制服がピリリとキマっています。

――お2人とも鉄塔を守るお仕事をされているそうですが、なぜこの世界で働こうと思ったのでしょうか。

 

松山由夏さん(以下、松山)「私は学校でこの仕事の求人を見て、興味がわきました。気になったので実際に現場見学に参加してみると、現場でテキパキと働いている人たちの姿が想像以上にかっこいい。一目で心が奪われ、迷うことなく就職を決意しました。それに、人々の生活に直接かかわる仕事ができるなんて、素晴らしいこと。担任の先生から、岳南建設が女性の採用に積極的になっていると聞かされていたので、『今がチャンスだ』って思いましたね」

 

亀田紫野さん(以下、亀田)「就職活動をするまで、実は鉄塔を守る仕事があるなんて知りませんでした。大学では経済学部で簿記の勉強をしていたため経理を志望していましたが、合同説明会でこの仕事を知ります。内勤ではなく、外で働くのもいいなと視野を広げていたところにこの仕事と出会い、縁の下の力持ちとして活躍できるところに魅力を感じて、志望を決意。毎日、違う現場で幅広い経験を得られるので本当に刺激的ですし、やりがいを感じています」

 

松山「鉄塔に登るなんてなかなかできない経験ですしね。この仕事って、ある意味、“目立つ”ことができる仕事。活発な人や人と関わるのが好きな方は向いていると思います」

 

――現場のお仕事ですし、一般的には男性が多いイメージがありますが、その点について気になりませんでしたか?

 

亀田「ぜんぜん気になりませんでしたね。力の面ではやはり男性の方が強いし、比較するものではありません。ただ、力仕事以外にもやるべきことはたくさんありますから、その部分で能力を発揮すればいいかなって」

 

松山「男性ができて女性の自分ができないことがあるので悔しいと思うこともありますが、それは仕方がないこと。対等にと言うより、女性ならではの視点や感覚を大事にしながら、チームをフォローしていければと考えています」

――お2人が今、担当している業務を教えてください。

 

亀田「私は現場監督として、作業が工程通りに進んでいよう現場管理をする仕事をしています。作業員さんがいまの現場を終えて次の現場へ移行するにあたって、資材や重機を移動させる手はずを考えながら管理するのはまだ難しいと感じますね。また、住宅街で作業することもあるので近隣住民の方へのご迷惑をかけないように進めるよう、注意を払っています」

 

松山「私は事務所でデスクワークをしていることが多いですね。施工計画書の作成補佐や支店業務を担当しています。施工計画を作成した現場へ実際に出向き、技術員や監視員として従事しています。将来的には、さまざまな工事現場に出向き、技術員として活躍したいと思っています」

男性ばかりの現場だけど、実はすごく“レディーファースト”

――男性ばかりの仕事場で困ったことはありますか。

 

松山「現場に出ると女性用トイレがないので困ることがありますが、その点は上司も配慮してくれるので、働きづらさを感じたことはありません」

 

――みなさんとはどのようにコミュニケーションを取られていますか。

 

亀田「この仕事はチームワークが何よりも重要。ですから、みんな、和気あいあいとしていますし、優しく接してくれるので働きやすいんです」

 

松山「私は作業員さんから親しみを込めて『まっちゃん』って呼んでもらったり、親身になって話を聞いてもらったりしています。みんな本当に優しいし、仲がいいんです。むしろ男性社員よりも優遇されているかも。レディーファーストを信条とする職場なので(笑)」

――仕事をするうえで楽しいこと、つらいことを教えてください。

 

亀田「生活の基盤である鉄塔を守るというのは、すごく責任重大なお仕事です。ですから、そこに携わっていることに対し、大きな責任感と充実感がつねにあります。たくさんの人と関わりながら働けることも楽しいですね」

 

松山「人との出会いがたくさんあることが、この仕事の醍醐味ですね。私はアウトドア派でアクティブな性格なので、外の現場に出ている時も楽しく働いています」

 

亀田「ただ…気温が厳しい夏や冬の外の現場は辛くない?」

 

松山「ツライ!私が所属する広島支店では、山で作業することもあるので自分の足で山を登って現場に向かうことも。体力勝負の仕事なので、体調管理はしっかり行っています」 

――いまの仕事内容に点数をつけるとしたら、100点満点中、何点ですか。

 

亀田「80点ですね。覚えることがたくさんあるし日々、充実していますが、自分の技術不足で周囲に迷惑をかけることも多々あるので。マイナス20点分はこれから埋めていきます!」

 

松山「私も80点。体力面でハードなことや、外の現場へ行くと喋る相手が少なくて寂しいので、そこがマイナス20点。だけど1日として同じ仕事をすることがないので、楽しくて刺激的ですし、飽きない。飽き性の私にはぴったりな仕事なんです」

 


 

後編では電気工事業界で働く20代女性のプライベートに迫ります!



<亀田紫野さんプロフィール>

岳南建設、東京支店に所属。2019年入社。現在は送電線建設現場での現場施工管理、施工計画書の作成補佐などを行っている。送電線業界では稀な女性技術職。

 

<松山由夏さんプロフィール>

岳南建設、広島支店に所属。2017年入社。現在は支店内で現場の施工計画書の作成および現場での技術員、並びに支店業務に従事。送電線業界では稀な女性技術職。



 

<撮影・執筆>


野田綾子

関連するキーワード


20代 電気工事 送電線工事

関連する投稿


【体育祭より熱狂する!?】電気にも競技大会があるって知ってた?「電気工事技能競技全国大会」とは

【体育祭より熱狂する!?】電気にも競技大会があるって知ってた?「電気工事技能競技全国大会」とは

私たちの暮らしに欠かせない電気。そして日々、電気の安全を守り、各家庭や施設などに安定した電気を供給しているのが、電気工事業に携わる人々です。そんな電気のプロ達が、自分の技術を競いあう大会があることをご存知でしょうか?それが「電気工事技能競技全国大会」なのです。


事務員から現場監督へ。職種を変えて分かった、電気の現場で働く楽しさ

事務員から現場監督へ。職種を変えて分かった、電気の現場で働く楽しさ

会社で働く人にとって人事異動は付き物ですが、今まで経験したことがない業務に就くのは、期待と同時に不安を抱えるもの。甲信電気で働く宗岡いずみさんもそうでした。事務員として働いていたある日、現場へ出ないかと言われ、気づけば電気工事の現場監督に。急な打診にもかかわらず楽しめたと語る宗岡さんに、現場で働く魅力を教えていただきました。


男性ばかりの現場で女性はどう活躍できる? プライベートはどうしてる? 電気工事業界で奮闘する20代女子のリアルトーク(後編)

男性ばかりの現場で女性はどう活躍できる? プライベートはどうしてる? 電気工事業界で奮闘する20代女子のリアルトーク(後編)

発電所から送られた電気を運ぶ送電線を支える「鉄塔」を日々守る、岳南建設の松山由夏さんと亀田紫野さん。ヘルメットをかぶり、外で働くこともあるこの仕事。きっと男顔負けの逞しいタイプなのかと思いきや、目の前に現れた2人は小柄で可愛い女の子でした。こんな華奢な子たちが現場に⁉ 前編では彼女たちの仕事への想いを伺いましたが、後編ではプライベートをメインにインタビュー。電気工事業界で働く女子のオフに迫ります。


知られざる技術者の世界 ー 日本のインフラを守る電気工事士の仕事

知られざる技術者の世界 ー 日本のインフラを守る電気工事士の仕事

一般家庭から商業施設まで、電気工事を一気に担う電気工事士。現場での電気設備の竣工だけじゃない、彼らの仕事の魅力を公開。


最新の投稿


控えめに言って凄い資格! 「電験二種」所持の技術者が語るチームワークと誠実に働くことの大切さ

控えめに言って凄い資格! 「電験二種」所持の技術者が語るチームワークと誠実に働くことの大切さ

仕事はみんなで協力し合ってできるもの。ということで、今回のテーマは“チーム”です。関東電気保安協会の荒田浩一さんは、数10人の現場をまとめるリーダーを務めた経験から、「協力できることがあれば、協力する」と語っていました。この考えに至ったのはある経験があったから。チームで働く上での心掛けと仕事観を語っていただきました。


面接で自信を持つ方法 |就活・転職活動 編-科学的な適職Q&A-

面接で自信を持つ方法 |就活・転職活動 編-科学的な適職Q&A-

アンケートや調査で集まったキャリアにまつわる疑問から、書籍内でカバーしきれなかったものをピックアップし、『科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方』著者の鈴木祐氏に回答いただきます。


仕事にダッシュ! この10年を走り抜けて気づいた「自分の到達点」

仕事にダッシュ! この10年を走り抜けて気づいた「自分の到達点」

長く仕事に従事していれば、成功も失敗も経験するもの。そうした体験を経て、人は少しずつ大人になっていきます。中国電気保安協会で働く小笠原諒さんは、高校卒業後に社会人になって今年で10年。この間、嬉しいこともあったし、自分の未熟さを痛感したこともあったと言います。今回は小笠原さんに、この10年を振り返っていただき、働く中で気づいた、「仕事の喜び」を語っていただきました。


台風により停電、そして災害地での復旧活動。そこで見えてきた“仕事の素晴らしさ”とは?

台風により停電、そして災害地での復旧活動。そこで見えてきた“仕事の素晴らしさ”とは?

ここ数年、毎年のように日本にやって来る大型の台風。それにより、河川の氾濫や土砂崩れ、そして停電が発生しています。そんな時、災害地に向かい、電気の復旧活動をする人々が、関東電気保安協会の職員たちです。電気が使えず困っている人を助けるために向かった現場でどんなドラマが生まれたのでしょうか? 実際に復旧活動をされた関東電気保安協会の3人に話を伺いました。 ※撮影時のみ特別にマスクを外し、インタビューはマスクを着用したうえで、換気をした屋内で実施いたしました。


2019年9月、台風15号が首都圏を直撃! 千葉県全域が停電! その時、男たちはどんな復旧活動をしたのか?

2019年9月、台風15号が首都圏を直撃! 千葉県全域が停電! その時、男たちはどんな復旧活動をしたのか?

2019年9月9日、千葉県に台風15号が上陸。この台風により、首都圏およびその周辺地域は甚大な被害を受けました。特に千葉県全域での被害は大きく、多くの建物が停電に…。その復旧活動のため、多くの電気関係者が、災害地域に向かい、力を注ぎました。その団体のひとつが、関東電気保安協会。現場ではどんなことが起き、どんな困難に直面し、どう電気を復旧させたのでしょうか? 関東電気保安協会で災害時の作業を担当した3名に、お話を伺いました。 ※撮影時のみ特別にマスクを外し、インタビューはマスクを着用したうえで、換気をした屋内で実施いたしました。


人気記事ランキング


>>総合人気ランキング

今月のおすすめ