実体験を語ります。未経験で電気工事施工管理への転職したハナシ

実体験を語ります。未経験で電気工事施工管理への転職したハナシ

委託を受け様々な商材を扱う訪問営業から派遣として電気工事施工管理に転職。約2年電気工事施工管理として働いている私の感じた施工管理職の印象と魅力を解説しました。他業界からの転職を考えている方の参考になれば幸いです。


転職のきっかけ

私が前職から転職しようとしたのは、当時働いていた会社からの不当解解雇が理由でした。とはいえ、望まない転職というわけでもなく、会社の待遇や業務内容についてもともと不満があり、うっすらと転職を考えていたのです。一番悩んでいたのは、サービス残業の多さでした。

当時の職場は10時出勤でしたが、外回りが終わって会社に戻るのは20時過ぎ。そこから契約の整理や内容報告、終礼を終え、寮に帰るのは22時近くになっていたのです。長い拘束時間の中で、給与が発生するのは実際に外回りをしている時間だけ。このままでいいのかなと頭を悩ませていたとき、新型コロナウイルス感染症の拡大を理由に退職勧告を受けます。これを契機に、転職へと踏み切りました。

転職先に電気工事施工管理を選んだワケ

転職先に電気工事施工管理を選んだもっとも大きな理由は、「①今後なくなる可能性が非常に低い」こと、そして「②資格を取得することで明確にキャリアアップが望める」ことの2点でした。

① 今後なくなる可能性が非常に低い

電気工事施工管理の仕事は、今後も需要が続く仕事です。なぜなら、電気は人間が生活するために必要不可欠であり、その電気を使える状態にするのが電気工事施工管理の仕事だからです。昔と比べて新しい建物を建てる工事は減りつつありますが、その分、改修工事や改築工事、増築工事などの需要は高まっています。いずれも電気工事は不可欠であり、電気工事をするためには電気工事施工管理技士がいなくてはなりません。また、施工管理職の仕事内容は他業者との工程のすり合わせや現場での作業員に対する安全管理、工事に関係する書類の作成など多岐にわたるため、今後、機械化やAIが台頭したとしても、とって変わることが低い仕事とも言えます。

② 資格を取得することで明確にキャリアアップが望める

電気工事関連の資格には電気工事士、電気工事施工管理技士、電気通信工事施工管理技士などありますが、これらに共通するのは、独占業務であるということ。電気工事を行うには、これらの資格が必要で、それぞれ扱える電圧や請け負える金額などの条件によって種類が分かれます。

特に施工管理技士系の資格はわかりやすく、1級と2級で請け負える現場の規模(金額)が異なります。つまり、より上位の資格を取得することが売り上げにも直結するということです。建設業界の資格全般に言えることですが、実務の経験年数が受験資格に設けられているケースも多いため、取得に時間がかかり、所有者数が低いというメリットもあります。仕事はあっても、人がいない。つまり、需要過多の状態です。ですから、施工管理業で上位資格を取得できれば、社内での評価はもちろん、転職活動の際にも自分の市場価値を高めることができるのです。わかりやすい形で自分自身のキャリアアップを考えていける点に魅力を感じ、転職を決めました。

未経験で転職した電気業界での率直な感想

営業職から施工管理職になって初め感じたことは、どちらもコミュニケーション能力が必要だということです。前述したように、施工管理の基本的な仕事は他業種との打ち合わせや作業員の管理です。もちろん、自分で現場を持つようになれば見積もりなどの事務作業も必要になりますが、未経験で業界に入った場合、経験と知識が積み上がるまでに早くとも3年、大抵は5年以上かかります。

それまでに、他業種や自社の配下に当たる作業員とのコミュニケーションを円滑にとることが重要な仕事になるのです。もともと営業で多くの人とコミュニケーションをとってきた私にとっては、想像以上にスキルを活かせる仕事でした。営業職を経験した方であれば、施工管理職は初めてでもスムーズに業務ができるのでおすすめと言えるかもしれません。

まとめ

営業職から電気工事施工管理へ転職して良かったと心から思っています。施工管理は、竣工間際や工期が厳しい現場であれば残業は多くなりますし、現場を歩き回ったり、材料の搬入をしたりするには体力も必要です。繁忙期は忙しくなりますが、逆にそれ以外の時期は就業中でも自由な時間が多くなりますし、現場が落ち着けば有休もしっかり取ることができます。

施工管理職はやってみなければわからない楽しさがたくさんある仕事です。転職先の候補に考えているものの、悩んでいるという方にとって、この記事が有益な情報になれば嬉しいです。

プロフィール

レタス太郎
2022年に営業職から派遣社員として電気工事施工管理に転職。2023年に第二種電気工事士試験に合格し、派遣先から引き抜きを受けて正社員として就業。

この記事のWriter

WattMagazine編集部 編集長

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