偏差値50未満だった僕が電気主任技術者になるまでの話 後編

偏差値50未満だった僕が電気主任技術者になるまでの話 後編

高校、大学と電気と向き合ってきた僕。それから社会人になり、さらに電気の魅力に気づいたのです。


社会人その1「重要な転機〜社会人になって違和感を感じた時期」

入社して早々、学生時代の研究での知識が役立ちそうな電気製品の開発に着手することになりました。今まで積み重ねてきたものが形になる。それは僕にとって非常に嬉しいことです。これからもあの学生時代のような熱中する日々を送ることができる…。そう思っていました。

しかし、仕事の中で大事なことに気づきます。
研究開発は新しいものごとに対してトライ&エラーの繰り返し。そのため、経験を重ねても知識が積みあがるわけではないのです。
(「あれ?学生のときもやっていたのでは?」そう思ったかとも思います。学生のときはあまり知識もなかったので、そんな中でも常に新たな発見があるのでやりがいを感じていました…。学生のときに考える将来像なんて簡単に崩れるものです。)

そのうえ、ここで積みあげてきた知識も、少ししたら誤ったり、古くなったり、利用価値のないものとなってしまう可能性が大きい。それなのに、ひとつの知識を得るまでには非常に多くの時間を要します。参考書に載っているものなら、その章を熟読するだけで知識が身につくのに…。僕はビジネスマンとして、将来的により多くの知識を蓄えたいと考えていたので、ある時期からストレスを感じるようになりました。

「自分の技術力を高めたいから研究開発を目指していたのに、実際は技術力が身につかないじゃないか。もっと早く、そして多くの知識が身に着く仕事につきたい」。そう考えるようになり、転職します。

社会人その2「電験をきっかけにふたたび電気に興味を持ち始めた時期」

二度目の転職で施設管理の仕事に就くことになり、上司から電験三種の取得を促されます。(一度目の転職では技術的な業務が少なかったことが理由で早期に退職しています。)実は研究開発職時代にも受験の経験がありましたが、そのときは勉強不足ということもあり、満足のいく結果をだすことはできませんでした。それもそのはず、当時はまだ実際に仕事で使うわけでもないので、なんとなく勉強して、なんとなく受けてしまったからです。

しかし、今回は会社からの要請です。もう勉強不足だから不合格という甘えた考えは許されません。必死に、とにかく必死になって勉強しました。そんななか、電験三種という資格についていくつか気付きを得ます。

・既存の高いレベルの技術の内容が体系的にまとめられており、勉強することで着実に技術が身につく。
・発電やモーターなど、今まで知らなかったすごい電気の技術が身につくのでそれ以外に対しても興味の幅が広がる。
・世間のニーズが高く、評価の高い資格なので万一の転職にも安心。

これらの気づきによって、魅力的な資格だとわかり、勉強に没頭。最終的に1850時間も勉強しました。
結果として2019年に第三種電気主任技術者試験に合格。いや…とにかく本当に大変でした…。
そして現在はこの資格を活かして高圧保安担当として活躍しています。この仕事は座学の試験勉強も面白いのですが、現場での仕事も毎日スリリングで楽しいんです。それと同時に、職場の電気インフラを守る重責に使命感も感じています。

まとめ

ざっとですが、それぞれ将来本当にやりたいことに目覚めるきっかけとそのタイミングをまとめてご紹介させていただきました。もしまだ将来がぼんやりしているようでしたら、自分が本当にやりたいことは?どんなことにやりがいを感じそう?など、自分に質問を投げかけてみてください。
僕の場合は、少し回り道をしつつも、電気を通して本当に自分がやりたいことを見つけ、それをつかむことができました。この記事が、少しでも進路のきっかけを見出すヒントになれば幸いです。

プロフィール

どわーふ

私立大学大学院(博士前期課程)卒業後、大手メーカーで電気部品の開発業務に従事。現在はとある施設にて電気主任技術者として高圧電気保安業務を担当している。また、フリーライターとして「電気主任技術者が運営する就活転職応援サイト」https://denken.site/を運営中。Twitterのアカウントはこちら

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