電験三種とは?電験三種は役に立たないというのは“間違い”!メリットや試験について解説

更新日:2026.03.31投稿日:2023.03.09

電験三種とは?電験三種は役に立たないというのは“間違い”!メリットや試験について解説

電験三種とは、電気設備の安全を守るために必要な国家資格であり、電気主任技術者としての第一歩となる重要な資格です。

ビルや工場など、社会のあらゆる場所で電気を扱うためには高度な技術と知識が求められ、その能力を証明する手段として一般の受験者にも広く開かれています。

試験は「理論・電力・機械・法規」の幅広い内容が問われるため、しっかりとした理解と準備が欠かせません。

今回の記事では、電験三種の概要や試験内容、資格取得のメリットを丁寧に解説していきます。

これから電気主任技術者を目指す人が、資格取得のための最初の一歩を踏み出しやすいようにまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

電験三種とは?

電気主任技術者の違い

電験三種とは第三種電気主任技術者試験の通称で、ビルや工場などで使われる電気設備を安全に運転・管理するために必要な国家資格です。ここでは、第三種電気主任技術者の国家資格のことを電験三種といい解説します。

試験は「理論・電力・機械・法規」の4科目で構成され、電気の基礎から設備の仕組み、関連法令まで幅広い知識が求められます。

試験に合格すると電気事業法に基づく国家資格である第三種電気主任技術者免状の交付を受けることができ、以下の電圧範囲と職務範囲に携わることができます。

  • 電圧範囲:電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(ただし、出力5千キロワット以上の発電所を除く)
  • 職務範囲:高圧で電気を受電する、小~中規模なビル、工場、コンビニエンスストアなどの需要設備および出力5千キロワット未満の発電所

なお、第三種電気主任技術者は、膨大な数となる小〜中規模の需要設備や太陽電池発電設備の保安管理を担い、電気管理の専門家として企業からの需要も高い専門資格です。

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電気主任技術者の資格を取得するには?難易度や勉強方法について解説

電気主任技術者の資格は、電気分野でのキャリア形成や技術者としての信頼性向上に直結するため、将来性のある資格として注目されています。

国家資格…

電験三種を取得するメリットはあるのか?

ネット上では「第三種は役に立たない」と検索されることがありますが、それは“誤解”です。
電験三種は、需要も将来性もある職業であり、権威性があり就職・転職で有利になります。また、第二種・第一種と上位資格にステップアップすることで、仕事の幅や年収アップが見込めます。

需要も将来性もある職業

電験三種を取得するメリットは、電気設備を扱う現場で常に必要とされる専門職に就ける点です。ビルや工場、病院など、電気を使う施設は必ず設備管理のプロを求めています。

さらに電気主任技術者は法令で配置が義務づけられているため、景気に左右されにくく、将来性の高い資格です。

  • インフラ設備の増加により需要が安定している
  • 高圧設備を扱える人材が不足しており、転職・独立にも強い
  • 現場判断や安全管理が中心のため、AIでは代替しにくい専門職

電気設備の維持管理は、インフラと人の安全を守る仕事であり、自動化が進んでも必ず人の目と判断が求められます。そのため電験三種は長期的に価値が落ちにくい資格です。

権威性があり就職・転職で有利になる

電験三種は、電気・電力・電気設備に関する高度な知識を持っていることを客観的に示せる国家資格です。専門性が高いため、企業側の評価が非常に大きいといえます。

ビル管理や工場、インフラ関連企業では、電気主任技術者の配置が義務づけられています。

電気設備の保守やトラブル対応は安全性に直結するため、資格を持つことで「任せられる人材」として信頼を得やすく、就職・転職市場で有利に働きます。

電験三種は、取得者の専門性が明確に評価される資格であるため、キャリア形成において強力な武器となる資格です。

第二種・第一種と上位資格にステップアップすることで仕事の幅や年収アップが見込める

電験三種は、電気主任技術者としての第一歩となる資格です。ここから第二種、第一種へと上位資格にステップアップすることで扱える電圧範囲が広がり、担当できる設備規模も大きくなります。

第三種の段階でも需要は十分ありますが、上位資格を取得すれば大規模な発電所や工場など、より専門性の高い現場で働けるようになり、年収アップも期待できます。

また、第三種であっても経験を積んで独立すれば、複数の事業所を担当する外部委託の電気管理技術者として活動することも可能です。十分な経験を積み、担当件数を確保した場合の一例ではありますが、年収1,000万円を超える技術者もいます。このように、電験三種は将来のキャリアを大きく広げる、ステップアップとなる資格といえます。

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電気主任技術者の魅力とは?電気主任技術者の仕事内容や、やりがいなど徹底解説!

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メリットの一方で「電験三種は役に立たない」と誤解される理由とは?

メリットの一方で「電験三種は役に立たない」と誤解される理由とは?

「電験三種は役に立たない」と誤解される理由は、試験の難易度が高いわりに、電験三種のままだと作業範囲が限られているため、高収入を目指す人にとっては「コスパが悪い」と感じる点にあります。こちらでは「試験の難易度が高い」と「電験三種のままだと作業範囲が限られている」という点で、解説していきます。

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「電気主任技術者はやめとけ」と言われる理由|電気主任技術者のメリットも紹介

電気主任技術者は、需要が高く将来性もあり、年齢を重ねても働きやすいため「安定した職種」と言われています。

しかし、資格取得の難易度が高いこと…

試験の難易度が高い

電験三種が、「役に立たない」と誤解される理由の一つに、試験そのものの難易度の高さがあります。

その理由は、試験科目が「理論・電力・機械・法規」の4科目となっており、数学的な理解も求められることから、基礎から学び直す受験者も少なくないためです。

さらに第三種では合格率が15〜20%前後であり、一回の受験では合格できない人が多い点が「難しすぎて実務に活かす前に挫折してしまう」という印象につながっています。
しかし、現在では科目合格制度があり、4科目を3年以内にすべて合格すれば資格を取得できます。

参考:第三種電気主任技術者試験の試験結果と推移|一般財団法人 電気技術者試験センター

実際には資格取得後に評価される場面は多いものの、合格までのハードルの高さが「役に立たない」と誤解される要因になっています。

電験三種のままだと作業範囲が限られている

電験三種が「役に立たない」と誤解される理由のもう一つは、資格が扱える電圧範囲が限定されている点があります。第三種で担当できるのは、最大5万ボルト未満の電気設備です。具体的には商業ビルや中小規模の工場などであり、発電所やプラントなどの大規模な電気設備には携われません。

より大きな現場で経験を積みたい人や、高収入を目指す人にとっては、第二種・第一種への上位資格へのステップアップすることが必要です。この制約が「三種だけでは活躍の幅が狭い」という印象につながり、役に立たないと誤解されることがあります。

電験三種の試験内容

電験三種の試験内容

電験三種を取得するには、「試験」か「認定」の2通りの方法がありますが、ここでは「試験」に関して説明します。

電験三種は誰でも受験可能な資格で、理論・電力・機械・法規の4科目を3年以内にすべて合格すれば資格を取得できます。

筆記方式はマークシートに記入、CBT方式はコンピューター上で選択する五肢択一方式で、合格基準は、各科目とも100点満点中原則60点以上です。ただし、試験の難易度等から合格基準を調整する場合があります。

こちらでは、4科目についての内容について詳しく解説していきます。

理論

理論科目の内容は、電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測です。

数式が多く登場しますが、電気の仕組みを理解する上で欠かせない内容です。将来の実務にも直結する内容なので、この機会にしっかりと数学の基礎を固めていきましょう。

電力

電力科目の内容は、発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路の設計及び運用並びに電気材料です。この科目を勉強すれば、電気がどのような原理で作られているのか、送られているのかについて理解ができます。

水力・火力・原子力発電など、一般的に知られているものでイメージもしやすいことから、4科目の中では勉強の着手がしやすい内容の科目です。

機械

機械科目の内容は、電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理です。電磁力が、モーター内でどのように働くか?そのイメージがつきづらく、人によっては苦戦する内容です。

さらに化学や情報関係など、少し基本の電気工学とは異なった内容の項目も試験範囲として含まれています。4科目の中でも一番広範囲の勉強が必要です。

法規

法規科目の内容は、電気法規(保安に関するものに限る)及び電気施設管理です。
もちろん電気設備の技術基準なども出題範囲になります。

過去問や参考書に出題されている内容を覚えて、試験に臨むのが一般的です。

また、そのほか電気保安の業務で実際利用する内容(電気設備の試験条件、設備に電気がどれくらい流れるかの計算など。)も出題されます。

参考:令和8年度第三種電気主任技術者試験に係る問題作成方針|一般財団法人 電気技術者試験センター

電験三種の試験時間と当日のスケジュール

電験三種の試験時間は、理論・電力・機械が90分で、法規が65分です。試験はマークシートに解答を記述する筆記方式とコンピューター上で解答を選択するCBT方式のいずれかを選択することができます。なお、筆記方式の試験時間と当日のスケジュールは、次の表を参考にしてください。

科目試験時間(スケジュール)
理論90分(9時15分〜10時45分)
電力90分(11時25分〜12時55分)
機械90分(14時15分〜15時45分)
法規65分(16時25分〜17時30分)
※こちらは、全国一斉試験(筆記方式)のスケジュールです。
※CBT方式(コンピューター上で選択する五肢択一方式)では、試験会場・試験日時が選択・変更可能であり、お勧めされています。
出典:第三種電気主任技術者試験|令和7年度 下期試験受験案内

全国一斉試験(筆記方式)の場合、集合時間は試験が始まる20分前に設定されています。

筆記方式・CBT方式とも、試験開始から30分経過後までに入室しないと遅刻扱いとなり、その科目を受験することができません。

実例を参考に!電験三種の勉強方法

こちらでは、電験三種の勉強方法について、実例を交えて紹介していきます。

紹介するのは、電気工事士から電気主任技術者への転身をした石田さん(仮名)さんと、どわーふさんのケースです。

石田さん(仮名)のケース

石田さん(仮名)は、体力的な将来不安から「長く安定した仕事」を求め、電気工事士から電気主任技術者への転身を決意し、3年かけて電験三種を取得しました。

スキマ時間の勉強法として、通勤中や現場移動の合間にテキストを読み込み、運転中には教材DVDの音声を流すなど、日々の学習を習慣化することに注力しました。

学習内容は過去問10年分を10周解くことを基本とし、理解できない箇所は参考書を丸写しして知識を定着させています。

石田さんにとって、モチベーションを保つポイントは、SNSで切磋琢磨する仲間の存在とのことです。情報交換や励まし合いが、挫けそうな時の大きな支えとなりました。

また、家族の理解や「生活と産業を止めない」という強い使命感も、合格への活力となりました。

石田さんは、電気主任技術者を「電気のお医者さん」に例えています。目に見えない電気の状態を、身近なものに例えて丁寧に説明することが、顧客との信頼関係ややりがいに繋がると述べています。

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仕事をしながら電験三種の資格を取得するには?電気工事士から転職した電気主任技術者に聞いたスキマ時間の勉強法とモチベーションを保つポイント

電気業界の資格でも、非常に難易度が高いとされている「第三種電気主任技術者試験」。近年では、コンピュータで受験するCBT方式の導入や受験できる回数が年に2回…

どわーふさんのケース

どわーふさんは、大学院卒業後に大手メーカー勤務を経て、現在は施設で電気主任技術者として働きながら、受験者向けのサイト運営も行っています。

独自の勉強法として実践していたのは、難解な解説書に固執せず、ネット上で自分が「わかる」と感じる解説を徹底的に探し、根本から理解することです。

勉強を習慣化するうえで大切なのは、自分に合った勉強スタイルを見つけることだと語っています。

そのために意識していたのは、ポジティブな気持ちを保ちながら無理なく続けることでした。たとえば、自宅での「いわゆる勉強」を避け、カフェなどで「これは遊びの延長で、お茶のついでだ」と自分に言い聞かせ、心理的ハードルを下げていたそうです。

また、運転中やジムでは電験三種関連のYouTube動画を音楽代わりに流すなど、隙間時間も活用しながら楽しく継続していました。

このように、自分に合った歩幅とルートを工夫しながら進めたことが、難関試験突破につながったといえます。

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電験三種合格は無理ではない!僕が独自で見つけた勉強方法と習慣化

電気業界の資格の中でも最難関と言われる第三種電気主任技術者試験、通称「電験三種」。電験三種の資格を取得するなんて…と尻込みしてしまう人も少なくはありません…

まとめ

電験三種は、電気主任技術者としての基礎力を身につけられるだけでなく、将来のキャリアを広げる大きな土台となる資格です。

電気設備を扱うための技術と知識を体系的に学べる点はもちろん、社会インフラを支える専門職として長く活躍できる強みがあります。

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