静電気の発生しやすい場所
静電気が発生しやすいのは、おもに次のような環境です。
1. 乾燥した空気の中
乾燥している空気は静電気の発生を促進します。
2. 冬季
冬場は室内の湿度が低下し、静電気が発生しやすい時期です。
3. 摩擦が起きる場所
衣服や靴などの摩擦が起こる場所で静電気が発生しやすいです。
4. カーペットやフローリング
カーペットやフローリングのような絶縁材料の表面では静電気が発生しやすいです。
5. 乾燥した素材の衣服
合成繊維や毛皮などの乾燥した素材の衣服は静電気が発生しやすいです。
静電気を防ぐには、湿度を保つ、アースをつなぐ、静電気対策製品を使用するといった方法が有効です。

静電気は何ボルト?
静電気の電圧は一定ではなく、場合によっては数千ボルトから数万ボルトに達することがあります。一般的に、痛みを感じる程度の静電気は約3,000ボルトから3万ボルトと言われています。家庭用の電圧が100ボルト〜200ボルトなので、静電気は約15〜300倍の高電圧です。しかし、乾燥した皮膚の抵抗値が約5kΩで、流れる電流も数pA〜μA程度であるため、高い電圧が流れても人が死ぬような事態は発生しないのです。
一方、雷は非常に危険で、雷の電圧は200万ボルトから10億ボルト、電流は1万アンペア〜20万アンペアと言われています。雷の高電圧と高電流は非常に危険であることが分かりますね。
静電気の対策5つのポイント

静電気を防止するために有効なポイントは次の5つです。
1. 湿度を調整する
室内の湿度を保つ事で静電気の発生を減少させる事ができます。加湿器を使用したり、空気の乾燥を防ぐためにバケツなどに水を置いたりすると蒸発するので効果的です。
2. アースをつなぐ
静電気を放電させるためにアースを繋ぐ事が重要です。特にコンピューターや電子機器を使用する時には、接地されたアースに繋ぐ事が大切です。
3. 静電気対策製品を使う
静電気を防ぐ為の特別な製品が市場に出ています。静電気除去マットや静電気除去ブレスレット、静電気除去スプレーなどを使用すると効果的です。
4. 適切な衣服を選ぶ
合成繊維よりも自然繊維の衣服を選ぶことで、静電気の発生を抑制する事ができます。また、靴下や靴には静電気を発生しにくい素材を選ぶとよいでしょう。
5. 壁や地面を触る
壁や地面を触ることで、体内に帯電している電子が地面を伝わって流れ出ます。ガソリンスタンドにある静電気除去パッドは静電気からの火災を防止するために静電気を除去しています。壁と地面を触るというのは、静電気除去パッドを触るのと同じ要領です。これをアースといい、電子レンジや洗濯機もアースしています。もし漏電してしまっている時にレンジに触れると、その電気が体に流れて感電してしまいますが、アースがあることで地面に流してくれます。電気は抵抗値が低いところから流れる性質があるため、地面は約0Ωなので最初に地面に流れていくのです。
プロフィール
Yugo
電気工事士➕副業で動画編集
保有資格:第二種電気工事士、第一種電気工事士。技術競技大会電気工事の部最優秀賞受賞。
WattMagazine編集部 編集長