生活と電気
雷が落ちる確率って?落雷でネットが落ちるのを防ぐには?落雷リスクを減らす方法を解説
8月から9月にかけて増える落雷。人に落ちる確率は低いと言われていますが、注意したいのは、インターネットが落ちることです。今では多くの人が自宅で使用しているパソコンですが、落雷の影響でインターネットがつながらなくなることも。本記事では、落雷が起きる仕組みから雷が落ちる確率、インターネットの復旧方法までを解説します。
目次
落雷と落雷の危険があるサイン
雷の正体は、静電気の集合体です。空に浮かんでいる雲は、おもに海や地上にある水分が蒸発し、上昇気流に乗って空に集まったもの。蒸発した水分に、地上の細かいチリやゴミが含まれており、そこに水蒸気が集まっているのです。温度が低い上空では、水蒸気と水蒸気が氷化したものが集まり雲になっています。
この氷が時間の経過と共に大きく、そして重くなり、上昇してきた水分が今度は落下します。この時に大きな氷は下降して、小さな氷は上昇し続けますが、その過程で氷同士がぶつかり、静電気が発生するのです。ここで発生した静電気は、雲の中で蓄積されて行きます。
大きな氷側にはマイナスの電荷が溜まり、小さな氷にはプラスの電荷が溜まります。地球の地面はプラスの電荷となっており、雲の中で集まり切れなくなった雷を逃がすためにプラスの電荷である地面に落下します。これが「落雷」です。

しかし、雷は周囲より高いものや金属の近辺に落ちやすい傾向があり、山頂やグラウンド、ゴルフ場、砂浜、海上、木の下などは人に落雷しやすいとされていますので、高い場所や開けた場所、尖った場所のちかくは注意しましょう。また、落雷した樹木のそばにいると、樹木などから人体へ側撃雷する可能性があり、非常に危険です。遠くで雷の音がしたら、すでに落雷の危険範囲となる半径10km内にいるサイン。即座に近くにある頑丈な建物に避難してください。
データで見る!雷が落ちる確率や頻度
2025年度に発生した落雷で最も多かった月は9月の約1,469,000件、次いで、8月の約926,000件と、夏季の発生率が高くなっています。その理由は、日射が大きく関わっているようです。
特に注意が必要なのは夏の夕立です。猛暑の午後、強い日差しで地表が熱せられ、上昇気流が発生して積乱雲(入道雲)が急発達することで熱雷が発生します。短時間に激しい雨と雷をもたらし、気温を一時的に下げたり、落雷や突風が発生したりするため、屋外活動をする際はすぐに避難をしてください。

また、47都道府県における年間落雷密度(※)を見てみると、2025年度は埼玉県と栃木県が高く、全国的な傾向では関東の内陸部と九州地方で多くなっています。
※落雷密度は、各都道府県の落雷数を面積で割った、単位面積(1平方キロメートル)あたりの落雷数です。落雷日数は1回でも落雷があった日を1日とカウントしています。
日本での落雷被害者数は年間でおよそ20人程度。日本の人口ベースで計算すると、1年間で落雷にあう確率は100万分の1程度です。確率は低いですが、危険であることに変わりはないため、雷鳴が聞こえたらすぐに建物内へ避難しましょう。
雷防止策!落雷の確率を調べる
雷の危険性を少しでも回避するために使用できる便利なツールをご紹介します。上手に使用して、落雷から身を守れるようにしましょう。

気象庁「雷ナウキャスト」
雷の可能性を1km格子単位で解析し10〜60分先まで予測してくるツールです。情報が10分ごとに更新されます。雷の他にも雨雲の動きや竜巻発生確率もあり、危険を回避するのに役立つはず。
雷の動きがわかる「雷ナウキャスト」はこちら
フランクリン・ジャパン「ピンポイント雷雨アプリ」
夏季によく発生するとされている雷ですが、年間で見ると全国のあちらこちらで落雷が起きているそうです。危険から身を守るには、なるべく迅速に精度の高い情報を入手することが重要です。本アプリは、現在地をもとに1分ごとに情報が更新されるため、刻一刻と変化する天気の様子が素早く把握できます。
雷のリアルタイム情報がわかる「ピンポイント雷雨アプリ」はこちら
お天気ナビゲータ「雷アラート PRO」
設定した地域で雷雨が発生した際に通知が届くアプリです。気づかないうちに接近していた場合も、アラートにより早急な避難を可能にします。
雷をお知らせする「雷アラート PRO」はこちら
落雷でインターネットの接続が切れる理由
落雷には、対象物に直撃する「直撃雷」と、遠方で発生した落雷の電流が電線や通信線を伝わって発生する「誘導雷」の2種類があります。インターネットの接続が途切れるのは、落雷によって発生した高電圧の電流が、電力線やアンテナを伝わり自宅に流れ込むと、コンセントにつながる機器がダメージを受けるためです。その結果、接続していた端末機器が故障したり、不具合を起こしたりすることがあります。

落雷により、通常は100Vの電圧が急激に数千Vまで上がったり、電話線やデータ回線、アンテナ経由で高電圧や大電流が流れたりすることを、通常、雷サージと呼びます。パソコンには大切なデータや処理中のデータなど、あなたが日頃から利活用する多くの重要な情報が詰まっています。落雷はパソコンが故障する可能性があるだけでなく、インターネットの使用環境にも影響を与えることがあるので、十分に注意しましょう。
落雷の予報が出たら対応したいこと
天気予報やニュースなどで、事前に雷注意報が出ている場合は次のような対策を行いましょう。たとえ、遠方で雷が発生している場合でも、影響を受ける可能性はありますので、対策をしておいたほうが安心です。
・パソコンやモデム、ONUは電源を切る。
・電源ケーブル類をコンセントから抜く。
・モデムやONUに接続されている電話線を抜く。
いずれも、機器類は電源を落とし、ケーブル類はコンセントから抜くことで落雷の予防対策になります。通電していなければ雷の影響を受ける心配はありませんが、雷が鳴り始めたら感電の恐れがあるため、電源コードには触れないようご注意ください。
大事なパソコンを守れ!事前に実施しておきたい予防対策
落雷は予期せぬ時に発生するものです。そのため、外出などで予防対策ができない場合を想定し、事前対策を取っておくとより安心です。
予防策その1:雷ガードを利用する
落雷による雷サージを防ぐには、電源ケーブルを通じて伝わる落雷の影響を軽減させる製品を使用し、被害を抑える「雷ガードタップ」を利用するのが有効です。コンセントにつなぐだけなので、設置も簡単です。家電を取り扱うお店などで、安いものは1000円前後から購入できます。
予防策その2:アース線をアース端子につなげる
自宅や機器のコンセントにアース線が付いている場合は、アース線をアース端子につなげておきましょう。アース端子はほとんどのコンセントに装備されており、蓋を開けてボルトで締めれば取り付けることができます。もしもの際の漏電を防ぐ役割もあります。
** 落雷が原因で障害が起きたら…インターネットの復旧方法
もし落雷が原因でネット接続に障害が発生した場合、以下の流れでモデム(ONU)の再起動を行うと復旧する可能性がありますので、試してみてください。
1.パソコンをシャットダウンする
2.モデム(ONU)の電源を落とす(コンセントから抜く)
3.30秒ほど空けて、再び電源を入れる
4.モデム(ONU)のランプが点灯したらパソコンを起動する
5.ネット接続できるか確認して完了
電源を入れ直してもつながらない場合は、落雷の影響によって機器に何らかの異常が発生した可能性があります。そのため、各機器の製造元へ問い合わせて対応を確認しましょう。
落雷は電力として活用できるのか

雷の電圧は大きさによって異なりますが、概ね1億Vと言われています。私たちの生活で主に使用する電圧は一般的に100V、工場などでも200V程度なので、いかに膨大な電圧かがわかるでしょう。
「この電力を活用できないの?」と思われる方も多いかと思いますが、現状それは難しいとされています。雷だけであれば可能性があるかもしれませんが、利用する際は雷と一緒に膨大な熱も発生し、場所によっては30,000℃にもなることも。太陽の表面温度である約6,000℃より遥かに高く、火傷どころではすみません。また、雷が発生する場所を特定できればいいのですが、比較的発生しやすいと言われている場所はあっても、確実に落ちる場所までは特定が難しいとされています。
2025年、NTTの研究チームが、雷雲の近くにドローンを飛ばし、地上へ落雷する前にドローンに雷を落とすという「空とぶ避雷針」の実験が成功をおさめました。落雷の被害を防ぎながら、雷の電力を導線などで地上に送り帯電しようという試みで、実用化に向けてさらに開発が進められています。雷のエネルギーを活用できる日も、そう遠くはないかも?しれません。
まとめ
危険な雷から身を守るために、ゴロゴロという音が少しでも聞こえたら、すぐに頑丈な建物へ避難しましょう。また、万が一、インターネットの接続が切れてしまった場合は、ご紹介した復旧方法を試してみてくださいね。

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