友だち関係の基本はコミュニケーション
友だち関係が良好なときは、お互いに言いたいことをきちんと言い合えているのではないでしょうか。反対に、口喧嘩などのトラブルが起きる場合は、お互いに勘違いをしていたり、相手にどう思われるかを気にして自分の気持ちを言えなかったりすることがほとんどです。
友だちと意見が食い違うことはあってもちろん当然のことですが、関係性を上手に保つにはお互いにしっかりとコミュニケーションを取り合うことが大切です。
「アサーション」とは

「アサーション」は自己表現方法の1つで、自分の考えも相手の考えも大事に聞き合うコミュニケーションのあり方です。
友だち関係がぎこちなくなってしまう場合は、どちらかが一方的に意見を伝えている、または自分の気持ちをきちんと相手に伝えられないなど、公平性やバランスが保てないことが理由です。
そんな時は、アサーションを身に着けて、同じ視線になって互いに素直な気持ちを伝えられるようにしましょう。アサーションには3つのタイプがあります。『ドラえもん』のキャラクターを参考に紹介しますので、まずは自分や友だちのパターンを振り返ってみてくださいね。
① ノンアサーティブパターン『のび太』
なかなか自分の意見を言えない『のび太』パターンです。
思いやりがあるとも言えますが、『ジャイアン』を恐れて相手の意見に合わせすぎたり、自分の考えに自信を持てなかったりする傾向があります。
のび太パターンの人は、自分の考えを伝えられるように話をする時間を確保しましょう。
「今いいかな?」「最後まで聞いて欲しいな」など、一言添えてみると少し話しやすくなりますよ。

② アグレッシブパターン『ジャイアン』
思ったことを一方的に押し付けてしまいがちな『ジャイアン』パターンです。
自信があり堂々とした振る舞いでおしゃべりできるためリーダーシップがあるとも言えますが、周りの意見を聞けない傾向があります。
ジャイアンパターンの人は、相手の気持ちを聞くことを忘れてしまいやすいため、自分が話す前に相手の話を聞くようにしてみましょう。また、自分と相手は意見が違って当たり前だということを理解していくと、心が落ち着きやすくなりますよ。
③ アサーティブパターン『しずかちゃん』
自分の気持ちも大事にしつつ、相手への配慮もできる『しずかちゃん』パターンです。
『ドラえもん』でも、友だち関係を上手に保っていますね。聞くところは聞く、主張できるところは主張するというバランスの良さがあります。
言い訳をせずに素直に謝る、「●●さんはどう?」と話を振れるようになるとコミュニケーションがよりスムーズに。

自分と友だちの意見を両方大事にしよう
今回紹介した「アサーション」には3つのパターンがあり、主張しづらい『のび太』と一方的になりすぎる『ジャイアン』ではトラブルは起きやすくなります。『しずかちゃん』のように中立的な考えを意識して友だち関係のトラブルをなくし、上手に付き合っていきましょう。どうしてもお互いの意見を言ったり聞いたりすることが難しい場合は、冷静に話を聞いてくれる第3者を呼ぶのもおすすめです。
臨床心理士・公認心理師。国立大学院修了後、精神科クリニックや学校現場にてカウンセラーとして従事。専門領域は臨床心理学、心理アセスメント。
また、心理系大学院を目指す人のために『サイコロブログ』にて情報発信中。
https://saikolodsm.com/