週明けのだるさは寝だめのせい
平日は6時に起床している人が、日曜日は10時まで眠ったとします。すると体内時計が4時間後退し、そのぶん、眠くなる時間が遅くなります。そして月曜日、またいつも通り6時に起床しようすると、身体は前日に10時まで眠っていたことを覚えているため6時起床が早起きだと感じ、週始めから身体がだるく憂鬱な気分で過ごすことになるのです。これがよく言われる「ブルーマンデー」の仕組みです。
週の前半は、身体が遅れてしまった体内時計を戻そうとするために疲れが溜まり、ようやく週の後半で身体が慣れてきたと思ったら、また週末になり「寝だめ」をするので体内時計が狂ってしまう。これを毎週繰り返すのが、「寝だめ」生活のサイクルです。どう考えても効率がいいとはいえません。
ちょこっと早く横になるだけでOK!

この「寝だめ」を回避するためには、普段より15分~30分早く横になるだけでOK。何も難しいことはありません。数十分だけ早く寝ればいいということです。たった数十分、早く眠るだけでも疲労物質を余分に返すことができますので、だいぶ身体がすっきりするはずです。週末の寝だめの時間も徐々に短くすることができるでしょう。最終的には、週末も平日と同じ時間に起きることができるようになるのが目標です。そうなると、寝坊でつぶれてしまっていた土日の充実度も確実に変わることでしょう。
適切な睡眠時間を知ろう
平均的な睡眠時間は6時間から8時間と言われていますが、必要な睡眠時間は、年齢とともに変化しますし、個人によっても大きく異なります。脳波を用いて客観的に夜間の睡眠時間を調べた研究では、睡眠時間は25歳で約7時間、 45歳では約6・5時間、65歳では約6時間というように、成人してからは20年ごとに30分程度の割合で夜間睡眠時間は減少することが示されています。
自分の睡眠時間が適切かどうかを知る手段として、日中の眠気の強さを確認する方法があります。昼食後にある程度の眠気を感じることは自然なことですが、昼過ぎ以外の時間帯でも強い眠気におそわれる場合は、睡眠不足の可能性があります。日本人の勤労者を対象とした研究では、睡眠時間が6時間を下回ると日中に過度の眠気を感じる人が多くなることが示されています。

睡眠不足は飲酒運転と同じ状態?
睡眠不足は、疲労や心身の健康を損ねるだけでなく、作業能率を低下させ、生産性の低下や事故の危険性を高める可能性があります。人が十分に覚醒して作業を行うことが可能なのは、起床後 12~13時間まで。起床後15時間以上では酒気帯び運転と同じ程度の作業能率で、起床後17時間を過ぎると飲酒運転と同じ作業能率まで低下することが成人男性を対象にした研究で示されています。
睡眠不足が連日続くと、作業能率はさらに低下する可能性がありますので、仕事・勉強に支障をきたすほどの眠気が続いているなら、睡眠時間を延ばす工夫が必要です。
睡眠不足は肥満を引き起こす

また、睡眠不足は肥満のもとにもなるため、注意しましょう。
その理由は、眠くなると、何かを口に入れたくなるためです。眠い午後や徹夜の最中、ケーキやチョコレート、ラーメンなど、甘いものや脂っこいものが食べたくなってしまうのは、生理現象として不自然なことではありません。脳は眠気によって覚醒レベルが低下すると、食後の午後や夜中など、実際には空腹ではないのにも関わらず、エネルギー不足だと判断し、満腹を感じるレプチンという物質が減ることで、食欲を生むグレリンというホルモンが上昇。
脳はこのふたつの物質を使って「空腹である」と思い込ませ、エネルギーを新たに摂取させるのです。エネルギーが十分に足りているのに食べてしまうので、食べた物は身体の中で消費されることなく蓄積され、結果として体重増加につながってしまいます。
深夜の2時~4時は代謝のゴールデンタイムと言われ、ストレスホルモンとして知られるコルチゾールが眠っている間に体内の脂肪をエネルギーに変えます。ですから、この時間に起きていると、同じ量のカロリーを摂取していても体内の脂肪がエネルギーに変えられることなくそのまま体内に蓄積されるので、肥満の原因になってしまうのです。
適切な睡眠時間を確保し、睡眠をコントロールすることで、毎日快適なコンディションを維持しましょう。
元記事「朝のダルさは休日の寝だめが元凶だった!? 疲れない睡眠の摂り方」は2016年8月1日にBUSINESS LIFEに掲載されたものです。

朝のダルさは休日の寝だめが元凶だった!? 疲れない睡眠の摂り方 | ビジネスライフ(BUSINESS LIFE)
https://business-life.jp/sleep/221寝だめは疲れの原因になる!? 土日にたくさん寝て「寝だめ」をしておき、平日の過酷なスケジュールをこなしているという人もいらっしゃるかと思います。しかし、この「寝だめ」という方法、かえって身体に疲れをためてしまうことをご存知でしょうか。 平日は忙しくてあまり眠れない代わりに、ゆとりのある休日に長めの時間を睡眠にあてるというのは、一見、睡眠時間のバランスを保っているように思えます。よく寝た次の日はあま